ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
#MeTooムーブメントに見る清教徒的「契約」の概念とグローバリゼーション
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    JUGEMテーマ:国際社会

     

    欧米を席巻中の#MeTooムーブメント。これに異議を唱えるフランスの公開書簡にサインした100人の女性の代表格、大御所女優のカトリーヌ・ドヌーブさんが大バッシングを受けて謝罪しました。

     

    ル・モンド紙に掲載されたこの書簡では、#MeTooムーブメントを「清教徒的な」「魔女狩り」と非難し、レイプは犯罪であると前置きした上で、男性が女性を誘惑したり、しつこく迫ったり、紳士的に男性的攻撃を加える行為は違うとし、男性たちが、女性の膝を触ったり、キスを迫ったりしただけで罰せられ、職を追われていると憤慨します。

     

    また、(ムーブメントは)女性はビクトリア朝のようにただの子どものように守られるべき、という考え方であり、女性が男性と平等な賃金を望むなら地下鉄で痴漢されたことをずっとトラウマと感じるのはおかしい、とします。

     

    一言でまとめると、「フェミニストたちが騒いで男性が女性に寄り付かなくなってしまうと、男性に口説かれたい女性が迷惑する」という趣旨のようです。

     

    ■「合意」がなければ同じ行為を行っても「ハラスメント」になる。

    確かに彼女たちの言い分もわからないではありませんが、書簡の中で決定的に欠落しているのが「合意」という概念です。

     

    レイプや痴漢は言うまでもありませんが、嫌いな男性にしつこくつきまとわれたり、触られたり、キスされたりするのを彼女たちが望んでいるとはとうてい思えません。そのような行為を受けてもよい対象は、あくまでも好意をもっている(将来的に可能性がある場合も含む)男性であり、これについては#MeTooを支持するフェミニストも大半は同意するでしょう。

     

    逆に、そうでない男性にこのような行為をされた場合が「ハラスメント」と呼ばれます。

     

    特に今回の#MeTooの端緒となった映画プロデューサーのウェインスタイン氏の場合は、映画への出演という雇用契約の条件として、その契約とはまったく関係のない性的サービスへの合意を女性たちに強要した(女性側の合意はない)という点で、明らかにハラスメントに当たるのです。

     

    日本でも元記者の男性に対し民事訴訟を起こした詩織さんについて、「男性と2人きりで食事をしてお酒を飲むのは性的行為に対する合意があるとみなされる」という声もあるようですが、こちらもウエインスタイン氏のケースとまったく同じで、彼女は仕事の一部(お酒を含んだ接待も仕事にはつきものです)と考えてお酒を飲んだのに、相手の男性は性的関係を結ぶ「合意」と認識した、というところに問題の本質があると思います。

     

    ■清教徒的「契約」=「合意」と対極に位置するもの

    公開書簡の中でドヌーブさんたちが「清教徒的」という表現を使ったのは、非常に示唆に富んでいます。

     

    清教徒(ピューリタン)はその名前からもわかるように、信仰をpurify(浄化)し、キリスト教の根底である「神との契約」に回帰しようというプロテスタントの人々です。英語で聖書を意味する「Testament」は「Agreement」の同義語であり、英語では「契約」もAgreementですから、「合意」と「契約」は、清教徒にとって神との契約と等しいものになります。

     

    ご存じの通り、アメリカは清教徒が移民して理想郷を作ろうと建国した国ですので、彼らの根底に流れる最も重要な価値観は「契約」=「合意」にあるといっていいでしょう。この思想は法体系や政治、経済のみならず、生活のあらゆる場面にアメリカ的価値観として共有されていると思います。

     

    いっぽうのフランスはカトリックの国。

     

    一般庶民の最大の信仰対象は慈悲深い聖母マリアであり、女性は男性を包みこむ母のような愛をもつことが理想とされるお国柄です。「契約」とか「合意」とかしち面倒くさいことは抜きにして、もっと愛を語ればいいじゃないか、というのがドヌーブさんたちの主張だったと思うのですが、グローバリゼーションが進む現代社会ではその主張は受け入られなかった、という事実が彼女の謝罪につながったのだと思います。

     

    BBCラジオで詩織さんが事件についてインタビューに答えている番組を聴きましたが、彼女の英語を聴く限り、かなり長い期間を英語圏で過ごされた方だと感じました。おそらく彼女の中では清教徒的な「契約」=「合意」は生きていく上で当然のことであり、事件をきっかけに、その価値観に相反する日本のシステムに対して抗議しているのだと思います。

     

    #MeTooムーブメントは一般的には単なる女性問題ととらえられがちですが、その本質は、今後、アメリカの清教徒主義がどこまで世界に浸透していくかの試金石のような気がしてなりません。

    | 後藤百合子 | グローバルビジネスと人材 | 11:44 | - | - |
    強気相場はこれからだ?
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      JUGEMテーマ:経済全般

      先週、シンガポール最大の銀行DBSの金融セミナーに行ってきました。

       

      テーマはずばり、「The Bull Ain't Done」(強気相場はこれからだ)。

       

      「Bull markets are born on pessimism and they grow on skepticism, mature on optimism, and die on euphoria. (強気相場は悲観主義の中で生まれ、懐疑主義の中で育ち、楽観主義の中で成熟し、多幸感の中で死ぬ)」という投資家ジョン・テンプルトンの言葉が紹介され、2017年には「こんな値上がり一辺倒の相場で本当に大丈夫か?」という懸念をよそに株式相場の急上昇を体験した市場参加者は、2018年には「まだまだいける」という気運が高まる楽観主義ステージに移行しつつあり、リーマンショック以降、すでに9年間続いている上昇相場が当面続く、という見通しが示されました。

       

      実際にセミナー受講中に行われた参加者アンケートでも、楽観主義が最も多く、次いで懐疑主義、多幸感という順位になり、景気や金融市場というのは、このような市場参加者のムードが動かしているのだなと実感させられます。

       

      DBSはシンガポール政府系の銀行だけあって投機的性格は比較的低く、参加者も中高年の堅実で保守的なタイプが多いと感じましたが、世界中のこのような人々が「まだまだこれから」と株式市場に資金を投入すれば、実際に今年は強気派がマジョリティを占める年になるでしょう。

       

      一方で気になったのは、現在のアメリカを中心とする好景気の中身です。

       

      セミナーの中で2006年と2017年の上場株時価総額の順位トップ5社が紹介されましたが、

      2006年 1.エクソンモービル 2.ジェネラル・エレクトリック 3.マイクロソフト 4.ブリティッシュ・ペトロル 5.Citiグループ

      2017年 1.アップル 2.グーグル 3.マイクロソフト 4.アマゾン 5.フェイスブック

      と、10年余という短期間にマイクロソフトを除いてすべて入れ替わっています。

       

      経済を牽引する企業プレーヤーが、石油や電気、伝統金融といった産業革命以降経済を支えてきた産業から、ものの見事に個人向けサービスを主要事業とするIT産業にとって替わられたのがよくわかります(マイクロソフトだけはその中間のためこの順位を保っていると考えられます)。

       

      このような状況下で、まだまだ経済全体に占める雇用のパイが大きい従来産業、石油をはじめとする一次産業や二次産業の製造業、さらには流通や金融などの三次産業がこれからどうなっていくのか? その一例として紹介されたのが、ホールフーズのレシートです。

       

      昨年8/24と8/28にホールフーズでまったく同じアイテムを5点買ったところ、たった4日間の間に最終支払額は8.5%も少なくなっていました。アマゾンがこの間にホールフーズの買収作業を終え、新価格を導入した結果です。

       

      アメリカに次ぐGDPをもつ中国市場でも同じことが言えます。

       

      昨年11月11日の独身者の日に2兆円を売り上げたネット販売の二巨頭、アリババとテンセントは、SNS、ネット販売から自転車シェアまで、個人をメインターゲットに中国という巨大マーケットで急成長しつつあります。

       

      アリババは昨年70億ドル(7,770億円)、テンセントは先週50億ドル(5,550億円)の社債を発行して話題になりましたが、中国でもアメリカと同じく、お金の流れは従来産業から個人向けIT企業の側へのシフトが進行中と言えるでしょう。

       

      このような状況下で、個人消費者を直接ターゲットにする巨大IT企業が、アマゾン哲学にならって「自社と消費者の利益拡大」を追求していけば、当然、従来産業に従事する会社やその従業員の利益の縮小という結果になるはずです。「好況で株高になっても一般庶民の生活は苦しくなる」状況が今後、さらに世界的に加速する可能性は否定できません。

       

      シンガポールでは先月から電気自動車のシェアリング実験が始まりました。一昨日、路上でそのうちの1台をみかけましたが、マイカーに混じって違和感なく走行していました。シェアリング自転車と同じ感覚で車をシェアする日がもうすぐそこまで来ています。この潮流がこれからの景気や私たちの生活にどのような影響をもたらすのか、見極めが必要だと思います。

       

      最後にもうひとつ。話題のビットコインについては「Keep away(近づくな)」の一言でした。私もまったく同感です。

      | 後藤百合子 | 世界経済 | 11:56 | - | - |
      「シングリッシュ」と侮るなかれ。シンガポール人が英語ネイティブの理由
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        JUGEMテーマ:シンガポール

         

        ■シングリッシュと揶揄されるシンガポール人の英語とは?

        シンガポールを旅行したことがある方なら聞いたことがあると思いますが、シンガポール人の英語は往々にして「シングリッシュ」(シンガポール・イングリッシュ)と揶揄されます。

         

        語尾につける「lah」(中国語の「了」(完了状態を表わす)や「啦」(強調や相手に同意を求める)などいろいろな意味がある)を筆頭に、中国語の直訳形である「also can」(都可以=どっちもOK)など慣用表現や、中国語やマレー語の単語を英文に混ぜてそのまま使うこともあり、英米英語しか聞いたことのない人にはほとんど意味がわからないセンテンスも少なくありません。

         

        特に1965年の独立以前に教育を受けた人には、英語で正規の学校教育を受けていない人も多いため、文法めちゃくちゃの英単語を並べただけの英語を話す人もいますし、私の義母のように相手の話している英語は何となく理解できるものの、自分が話す言葉は中国語のみという人もいます。

         

        そのため、シンガポールは英語が標準語だけれども、シングリッシュという特殊な三流英語を話す人たちばかりで、半分外国語みたいなものと誤解する人も多いのですが、実情は決してそんなものではなく、非常に高いレベルの英語の素養をもつ人が大半です(その教育は学校の授業で行われます)。

         

        今月から小学校3年生になった娘と宿題を一緒にしていて、シンガポール英語教育の底力に唸らされたので、少しご紹介したいと思います。

         

        ■家庭で使っていない言葉をネイティブ並みにする英語教育

        Q: Let's put this  ______  table in that counter.

        1) wooden, nice

        2) round, wooden

        3) wooden, brown

        4) round, nice

        この問題は、娘の宿題の文法問題集の中の「形容詞」パートの1問です。

         

        使われている言葉は簡単ですし、何となく2)のような気もしますがいまひとつ確信がもてません。そこで回答を見てみると(回答に詳しく説明がつけられていてわからない場合は参照できるようになっている)次の通りでした。

        When we use adjectives together, we usually use them in this order; opinion, size, age, shape, colour, origin, material.  Therefore the answer is "round, wooden"(shape, material).

        形容詞をつなげて使うときは、通常、次のような語順にします。「意見、大きさ、古さ、形、色、由来、材料」。ですから「丸い、木製の」(形、材料)が正解です。

        まるでオックスフォードの英語学習者向け文法書に書いてあるような説明。

         

        娘と比べると私のほうが英語の読書量の蓄積は多いため、不確かではあるものの正解しましたが、日本で大学まで英語教育を10年受けてきたにもかかわらず、小3の娘にこの文法を説明することはかないませんでした。

         

        これは恐らく、英米など英語ネイティブの国々でも同じではないでしょうか。日本人が「が」や「は」の使い方を教わらなくても自然に使い分けができるように、英語だけを使っている人々にはこの説明は不要です。経験から判断できるからです。

         

        しかし、シンガポールの場合は家庭や日常生活の中で前述のように間違った英語を使う人たちが多く、家庭では(特に移民の場合は)中国語やマレー語、タミル語しか話さない、という人々も少なからずいます。そのため、英語だけで育った人たちと対抗できるよう、理論を加えて不足する分を補っているのです。

         

        ■香港とシンガポールにみる英語の違い

        英語に比べると「mother tongue(母語)」と呼ばれる科目は比較的易しく、それなりの内容です。それでも授業は英語と同じくほぼ毎日あり、中国語を選択している娘の場合も、小2までで習得していなければならない漢字はすでに数百を超えています(書き取り必須の漢字はそこまで多くありませんが、読めないと文章が理解できないので、読めなければならない単語の中には私が知らない漢字もけっこう入っています)。

         

        シンガポールと並んで英語でビジネスができる国(地域)として香港には根強い人気がありますが、英語と中国語(母語)の比率からすると、香港とシンガポールの教育は対照的です。

         

        そもそも学校からして、中国語(広東語)で教える学校と英語で教える学校に分かれますし、シンガポールでは家庭でも英語を話す人たちが少なくないのと反対に、香港の一般家庭ではほぼ100%広東語を使うので、英語はあくまでも外国語。

         

        私は香港の中国返還の年の1997年まで香港で4年弱暮らしていましたが、日常生活は完全に広東語で、普通に英語が話せる人は多かったものの、ネイティブ並みの正統派英語を使う人は一部に限られていました。

         

        その1人が、苦学しながら大学からロンドンで教育を受けて会計士の大学院まで卒業したある友人です。

         

        彼は自分で会計事務所を立ち上げて、欧米の会社向けに中国での会社設立支援やコンサルティング事業を手がけ、完璧な英語と中国語、そして誠実な人柄で事業を拡大していました。私が中国工場を立ち上げたときも彼のお世話になり、その後もずいぶん助けてもらったものです。

         

        そんな彼が一昨年、ニューヨークでの国際会議出席の際に脳梗塞で倒れ、半身不随になってしまったのです。本人と連絡が取れなかったため昨年になって知ったのですが、半年ほど前に訪れたときには意志力の強い彼らしくリハビリに励み、杖をつきながら一人で歩けるようになるまで回復していました。

         

        しかし驚いたのは、あれほど堪能だった英語も、普通語(北京語を基礎にした中国の標準語)もまったく話せなくなってしまったことです。たどたどしいながら彼の口から出てくる単語はすべて彼の母語である広東語でした(この時ほど広東語が理解できて良かったと思ったことはありません)。

         

        翻って我が家の場合はどうか? 私の夫は親との会話は福建語で(兄弟間では英語)、仕事や日常生活で使うのはすべて英語です。大学まで中国語(普通語)を勉強したはずですが、日常会話や台湾ドラマなどを観て理解はできるものの、漢字はあらかた忘れてしまっているので中国語の新聞や本はほとんど読めませんし、もちろん長い文章を書くこともできません。

         

        そんな夫がもし彼と同じ状態になったら、口をついて出てくる言葉は、間違いなく福建語ではなく英語でしょう。彼にとっての母語は、家庭で親と話している福建語ではなく英語なのです。

         

        ■老後に備えて「うんこ漢字ドリル」と英単語学習に励む。

        私の場合はどうか? 絶対に日本語です。

         

        以前、倍賞美津子さん主演の映画『ユキエ』を観たことがあります。

         

        戦争花嫁としてアメリカ軍人と結婚し、アメリカにわたって家庭を築いた日本人ユキエが認知症を患い、夫や子供たちが介護を通して結びつきを強くするというストーリーですが、最も鮮明に記憶に残っているのは、認知症を発症したユキエが、40年以上も日本に帰っていないにもかかわらず、日本語しか話せなくなってしまうシーンです。

         

        私も英語、中国語と外国語を勉強し、生活や仕事でこれまで随分使ってきましたが、最後に自分の言葉として残るのはやはり母語である日本語であることは間違いありません。

         

        もしもユキエや香港の友人のようになってしまったらと考えると、日本語が通じないシンガポールで家族と最低限の意思疎通ができる担保として、娘には日頃からできるだけ日本語で話すようにしていますし(といっても理解してくれないことが多いので、たいてい英語でも説明をつけ加えています)、「うんこ漢字ドリル」を使って日本語も教えています(漢字はほとんど中国語で習っているので、ひらがなと文章を覚えさせるのが目的です)。

         

        いっぽう、これからどんどんレベルが上がっていく娘の英語学習に備えて、自分の英語学習も並行させています。

         

        あるオンラインテストを試してみたところ、私の日本語の語彙は約35,000語だったのに対し、英語は11,000語程度しかありませんでした。これが母語と外国語の違いかと再認識させられましたが、娘が義務教育を終える頃までには、何とか2万語くらいまで英単語の数を増やし、娘の勉強についていきたいと学習意欲を燃やす毎日です。

        | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 12:20 | - | - |
        「捨てる作法」にみるクロワッサン世代の夫婦関係
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          JUGEMテーマ:幸せなお金と時間の使い方

           

          雑誌『クロワッサン』の1/10号「クロワッサンは今年も夫(パートナー)について考えます」特集が強烈です。

           

          ■「夫とともに歩む作法」と「夫を捨てる作法」のギャップが恐ろしい。

          「夫とともに歩む作法。夫を捨てる作法。年末年始、考えてみませんか。」というキャッチコピーで巻頭に紹介されているのは、脚本家の木皿泉さん夫妻(夫婦でペンネームを共有)。さらに作家の井上荒野さんx古書店主の須賀典夫さん夫妻、元石川県会議員の広岡立美さんx大学教授の広岡守穂さん夫妻、写真家の神蔵美子さんx編集者/文筆家の末井昭さん夫婦が続きます。

           

          木皿さんご夫婦は夫が脳梗塞で倒れて現在もリハビリ生活。妻が献身的に夫を支えながらも、2人で力を合わせて仕事をしつつほのぼのとした毎日を送り、妻は「一緒にいられることが幸せ」と言い切ります。

           

          売主とお客という関係で偶然知り合い、育った環境や習慣がまったく違うにもかかわらず「今のところ大好きなので、先に死なれたら怒ります」と妻、夫は「何の保証もないし未来は予測できないが、2人とも、このまま一緒に生きていくのだろうとも思っている」と夫婦の形を語る井上x須賀さんご夫婦。

           

          学生結婚後5人の子どもを育てたものの、お互いの仕事や介護で別居期間を経て、現在はまた一緒に暮らす時間が増えた「卒婚」生活を続けたいという広岡ご夫婦。

           

          不幸な家庭に育ちギャンブル漬けで人をまったく信用しない末井さんを放っておくことができず、2人とも既婚者だったにもかかわらず結婚。幸せな時間は「天気のいい日に、音楽なんかかけて2階で洗濯物をたたんでいるとき」と答える夫と「ふたりが真に一体になりさえすれば、やがて打ち出の小槌を振るうように、幸福が沸いてくる」と話す妻の神蔵x末井ご夫婦。

           

          4組4様の在り方ですが、皆さん夫婦の問題から逃げずに本気で相手と自分の人生を共に送って行こうという「夫とともに歩む作法」が紹介されます。また、特集最後のインタビューでは、「不倫は文化」と言い切った俳優の石田純一さんが登場し「今は何度も同じ相手に恋をしている状態」と結婚9年目の感想を告白します。

           

          いっぽう、この間に挟み込まれる一般読者の悩み相談や座談会は「捨てる作法」のオンパレード。

           

          家庭内別居状態で「離婚せず、お互いひとりの時間を楽しみたい」という相談には、「住み分けは熟年期の夫婦のあるべき姿」なのでルールを作ってできるだけ顔を合わさないようにする、というアドバイス。

           

          「俺がいなかったら、メシが食べられないだろう」という夫と経済的な理由で離婚できない妻には、「一般の男性はだいたいこんなもの」「その言葉だけでも離婚理由になるので、カウンセラーに聴いてもらって離婚し、公的支援を受けたら」と離婚を推奨。

           

          夫との性生活が苦痛、という相談には、「男性の常識はセックスができるのがいいことであり、それがアイデンティティー」なので、「なるべく同じ空間にいないようにする」と解決法を提案。

           

          既婚女性4人の座談会では、「再婚した夫と一緒に海外で暮らすのが夢」という方以外は、「ラブラブではないけれど、いろいろ話すし、たまに二人きりで外食する」という方も混じって夫への不満のオンパレード。「手をつなぐのも嫌」と盛り上がった後には、なぜか「家族や家庭がない人生なんて考えられない」と収束していきます。

           

          ■石田純一さんと荒木久美子さんの発言に見る救い

          さらにこれに続くのは不倫について、ジャーナリスト山路徹さんと元ジュリアナクィーンで婚活トレーナー荒木久美子さんの対談。

           

          「夫には体を触られるのも嫌だけど恋はしたい」という女性が不倫を求めて、その関係に満足している、という山路さんに対し、荒木さんは「刹那的に見たら利害が一致しているんだけれども、長い目で見ると本当の幸せからの逃げなんですよ」と一蹴し、「ごめん」「ありがとう」「許してね」「愛してる」という4つの言葉を言えば言うほど、家庭も仕事もうまくいくと結婚生活の極意を伝授します。

           

          確かに「ともに歩む作法」では、幾多の困難を乗り越えて夫婦の紐帯を強めてきたカップルが紹介されますが、「捨てる作法」ではそのような努力をほぼ諦めてしまい、「一番身近な他人」として一つ屋根の下に暮らしているだけの夫婦関係が描かれます。もし夫婦がこのような状態になってしまったら、男も女も、1人でいる以上に孤独を感じるのではないでしょうか。

           

          そして、このようなステージで発生するのが不倫です。

           

          不倫否定派の荒木さんは「不倫って妥協した恋愛でしょう」「満足できるパートナーと結ばれることを求めないで、つまみ食いでお腹をみたそう。そういう話でしょ?」と突き放し、どうしても夫が嫌なら「離婚して理想の相手と再婚すればいいじゃないですか。」と畳みかけます。

           

          そして最後の石田純一さんのインタビューでは、「『うちの家内なんて、空気みたいなもんだよ』とか、日本の男性はよく言いますよね。冗談でも口にしているうちに本当にそう思い込んでしまうもの。だから、僕はどんな時でも妻のことを卑下したり悪く行ったりしないです」と自身の信条を吐露し、「なるべく家庭に恋愛を持ち込もうとしています」と結婚生活のコツを伝授します。

           

          女性の荒木さんの「理想のパートナーを見つけたら、不倫なんてする必要も暇もない」という発言とともに、かつて不倫の象徴として名を馳せ、幾多の恋愛を経て理想のパートナーに出会った男性の石田さんの言葉はとても示唆に富んでいる思います。

           

          ■夫婦の問題は先送りせずに「ともに歩む」夫婦関係を

          男性は仕事についてもそうですが、こと家庭の問題になるとできるだけ先送りする傾向が強いと思います。

           

          いっぽうで、女性の側も(経済的に夫の収入に頼っている場合は特に)家事や育児に忙しく、なかなか自分から夫と膝を詰めて冷静に話をする機会を作ろうとする人が少ないのではないでしょうか。

           

          「夫とともに歩む」夫婦紹介では、広岡さんご夫婦を除いて、他の3組は妻に仕事がありお子さんもいらっしゃらないようです。その意味では、雑音が少なく夫婦関係のみにフォーカスできるため、「捨てる」夫婦よりと比べてストレスの程度や問題の深刻さの質が違っているのも事実でしょう。

           

          しかし、だからと言って「捨てる」夫婦の状態に甘んじてしまえば、「ともに歩む」夫婦に比べて人生の幸福度が格段に落ちてしまいます。この特集が推奨するように、新しい年が始まったばかりの今こそ、もう一度夫婦の関係をお互いに見つめ、じっくり話すいいチャンスでしょう。

           

          100年ライフの人生はこれまで以上に長く、パートナーと一緒にいる時間もそれに応じて伸びていく中、夫婦関係はこれまで以上に重要性を増していると思います。夫婦関係が「ちょっとおかしいな」と思ったら、問題を放置せずに早めの対処をすること自体が大切ではないでしょうか。

          | 後藤百合子 | ライフマネージメント | 13:47 | - | - |
          新年の抱負を1年間続けるためのコツ
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            JUGEMテーマ:幸せなお金と時間の使い方

             

            元旦のForbsで「賢い新年の抱負」を立てる5つの方法という記事が配信されました。

             

            2018年が始まってはや1週間。私も以前はそうでしたが、新年の抱負で1年の目標を決めたけれど、なかなか実行できずに自己嫌悪に陥る人も少なからずいると思います。1年の早い時期にこれを見直すという意味で、とても役にたつ記事だと思いますので、若干コメントを付け加えながらご紹介したいと思います。

             

            1.目標は具体的に

            毎年失敗する新年の抱負も、こうして具体的なステップに分ければ達成しやすくなる。また、目標値を早く決定すれば、早いうちに行動開始できる。

            「〇kg痩せる」や「〇〇円貯金する」という目標をたてて漠然と考えていても実行困難なので、1か月にどのくらい、1週間にどのくらいとブレークダウンしてみましょうというアドバイス。

             

            私はもう一歩進めて、1日単位でブレークダウンすることをお勧めします。

             

            人間は習慣の生き物ですので、毎日の習慣が確立してしまえばそれが1年単位になったときに大きな差がでます。「毎日必ず運動をする」や「毎日必ず千円札を一枚貯金箱に入れる」などという1日の具体的な目標をたてて表を作り、実行できたかできなかったかを日々書き込むと効果的です。

             

            2.大きな目標は小さなステップに分ける

            簡単なことから始めれば、食事法や節約法、仕事のやり方を徐々に変化させ、日々の習慣とすることが可能だ。​

            仕事にも言えますが、簡単な仕事と難しい仕事があった場合、まず簡単な方から終わらせたほうが勢いがついて難しい仕事にとりかかり易く、「やりたくないなー」と逡巡している時間が減って時間の節約にもなります。

             

            この方法を実行するには、1日ではなく1週間単位で目標達成スパンを考えるといいと思います。

             

            「毎日必ず運動をする」という目標をたてた場合、週末に遊びすぎて月曜日に疲れて運動したくないと感じたら、その日は5〜10分程度のストレッチだけにしてもいいでしょう。そして体調が回復した翌日や翌々日にジムでハードなトレーニングに励むのです。

             

            たとえたいした運動量でなくても、「目標達成のためにこれを実行した」という毎日の達成感が、その後の目標達成意欲維持につながります。自分を鼓舞する意味でも、たとえ小さい事でもできるだけ実行するというプロセスが必要です。

             

            3.1年で達成できなくても自分を許す

            人生で大きな変化を起こす人は、たとえ失敗しても、周りから「正気ではない」「絶対に達成できない」と言われても諦めない人だ。​

            「成功の最大の秘訣は成功するまで続けること」とよく言われますが、逆に言うと「成功には失敗がつきもの」です。

             

            幾多の失敗を乗り越えずに順風満帆ですべてに成功する人など、この世には一人としていません。成功する人としない人の違いは、数度の失敗で諦めてしまうか、絶対にあきらめずに粘り強く続けるかの一点にかかっています。

             

            かくいう私も9年前に一念発起して家計簿をつけ始めましたが、2か月ほどで実行できなくなり4か月ほど放置していました。しかし、その後もう一度つけ始めてからは現在まで続いており、家計簿の数字をみながら年間予算を立てて家計をコントロールし、以前はよくしていた衝動買いも全くしなくなりました。

             

            失敗したときには「こういう時もあるさ」と大きく構えて、再び目標達成の努力を続けることが大切だと思います。

             

            4.期限を設定する

            期限を付ければ目標の具体性が増し、切迫感が生まれる。​

            例えば「1年で8堊蕕擦襦廚箸いμ槁犬鬚燭討疹豺隋3か月毎では2圓困弔慮採未必要です。また、「1年で60万円貯金する」という目標でしたら、1か月では5万円になります。

             

            重要なのはこのように1年間をいくつかに区切り、達成度をチェックして評価することです。

             

            3か月後の3月31日や1か月後の1月31日に計画通りに数字を達成できていたらそのまま続けます。もしも途中でできていないことがわかったら、その後で取り返せるように1か月、1週間、1日単位の目標数値の変更が必要ですし、反対に達成値を超えているようであれば設定値が低すぎたからかもしれませんので、1年の目標を再度もっとハードルの高いものにしてみるのもいいと思います。場合によっては目標数字を下げる必要があるかもしれません。

             

            この作業をするには、チェックする日を決めることと、毎日の記録が不可欠です。私自身は手書きの日記とエクセルの表を併用していますが(忙しいときは2,3日分まとめてつけることも多々あります)、スマホや手帳で管理するのもいいと思います。

             

            いずれにせよ、目標達成とそのための記録とチエック、そして評価と目標の再考はセットだと認識しています。このプロセスをビジネス用語ではPDCA(「Plan」プラン 「Do」実行 「Check」評価 「Act」改善)と呼んでいます。

             

            5. 成功を祝う

            小さな進歩や成功を祝い、自分や自分の仕事、目標とする未来の自分を誇りに思おう。​

            いかにもアメリカ的だと思いますが(アメリカのワークアウトのビデオや本には必ず「自分へのご褒美」の項目があります)、日本人の場合は目標達成の喜び自体が自分へのご褒美になることが多いので、必ずしも必要だとは思いません。逆に「ご褒美」が度を越してしまい、食べすぎたりお金を使いすぎたりして、せっかく達成した目標が元の木阿弥になってしまう危険性も否定できません。

             

            ただやはり息抜きは必要ですので、例えば1か月の貯金目標が達成できたら〇千円以内で欲しいものを買うとか、3か月の減量目標が達成できていたら話題のレストランでお腹いっぱい食べるとか(その頃にはだいぶ胃も小さくなってそれほど食べられなくなっているはずです)をあらかじめ目標達成シートの項目に書き入れておくのもいいのではないでしょうか。

             

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            この記事で最も印象深かったのは、「米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツはかつて「大半の人は、1年間にできることを過大評価し、10年間にできることを過小評価している」と語った。」という一文です。

             

            いくら大きな目標をたてても人が1年でできることはしれています。しかし、3年、5年、10年と続けていけば、知らないうちに「こんなことまでできるようになったんだ」と自分自身に驚く日が来るのは間違いありません。

             

            3日坊主とよく言われますが、私は3日続けられることは3週間続けられる、3週間続けられることは3か月続けられる、3か月続けられることは3年続けられる、と考えています。最初の3日間でできたことが3年積み重なると、大きな実績となって自分に蓄積されます。しかし、もしそれを実行していなければ、今日の自分と3年後の自分は大して変わりばえしないでしょう。

             

            どちらを選ぶかは自分次第。「継続は力なり」の言葉を信じて、私も今年残り358日を目標達成に向けて努力したいと思います。

            | 後藤百合子 | ライフマネージメント | 12:45 | - | - |
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