ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住7年目。
大人買い推奨! 使い勝手抜群、シックなトラベル&エコバッグ
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    シンガポールと日本の往復用に、毎月使っていたナイロンバッグの持ち手がとうとう取れてしまいました。
    一度手縫いで修理したのですが、パソコンをはじめいつもめいっぱい荷物を詰め込んでいるのでまたすぐにダメになることは明白。生地はまだまだしっかりして使えそうですが、突然持ち手が取れてパソコンを落とすことを考えると・・・と潔く諦めました。(このバッグ、学生時代に買った30年ものなので諦めもついたのです)

    次をどうしようか考えているときにふと立ち寄った成田空港のショップで見つけたのがこれ。



    ミレストという日本のブランドの折り畳みボストンバッグ。
    持ち手がぐるっと回っているのでかなりの負荷がかかっても取れない(POPには「60圓泙蚤臂翩廖」と書いてありました。入れないけど)、使わないときは折り畳んでポケットに収納(別袋でないのでなくならない)、持ち手は長短2WAY、背面にスーツケースのキャリーに通す部分がついていて上に載せてもずれないなど、考えつくされた機能に加え、色やデザインがとても大人シックなのです。普段ほとんど衝動買いしない私も、これは即買いしました。

    ぐるっと店内を見てみましたが、このシリーズ以外にもシックなリバティプリントのトラベルオーガナイザーがあったり、足にフィットするスマートな機内シューズがあったりと、まさに「大人のトラベルグッズショップ」と呼べる雰囲気。ちょっとお値段ははりますが、次はグラスファイバーの自動開閉折り畳み傘もほしいなと思いました(今使っている折り畳み傘が壊れてからですが・・・)。

    もう一つ、大人買いをお薦めしたいのが、エンビロサックスのエコバッグ。



    オーストラリア発のこのエコバッグ、シンガポールでも人気です。3年前、5個パックを買い(1個は友人にプレゼント)いつも2個をバッグに入れて愛用。丈夫ですがどうしても穴があいてくるので、1年に1個ずつ使い捨てて現在は4個め。

    このエコバッグのいいところは、たっぷり容量にもかかわらず、くるくるっと丸めて底についているホックで留められること。別袋に収納するタイプだとどうしても袋を失くしてしまうのですが、その心配がありません。また、税別1,000円というお手軽価格で、軽く1時間は軽く迷うくらいたくさん柄があるので、とりあえず気にいったものをまとめ買いしておくと、破れてもすぐに新しいものに替えられます。

    デザインはオーストラリアらしいエキゾチックなものから、70年代風のポップなものまでいろいろ。かなりインパクトのあるセサミストリートシリーズも、次に買う候補にあげています。

    | 後藤百合子 | 商家の知恵 | 18:02 | - | - |
    クオリティが高い服を見分ける10のポイント
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      「本当に良い品質の服だけを着たい」と思っても選ぶのは難しいもの。特に最近はアウトレットやバーゲンでも、値下げしているように見えて実は最初から低いコストで作り、高い定価をつけているものもちらほら見受けられます。繊維業界歴20年の私が、自分自身いつもチェックしている本当に良い服を選ぶためのポイントをお伝えします。
       
      ■生地の糸は細く、目が詰んでいるか。
      最近はオールシーズン通して生地は「軽く、薄く、柔らかく」がトレンドになっています。といっても、ただ薄いだけではNG。ネットの商品レビューで、ボトムスの生地が透けて困るという声をときどきみかけますが、原因は織りが粗くて生地の目がすかすかなこと。たとえ薄さが同程度でも、よい品質の服は細い糸をしっかりと詰ませて織っています。もちろん触ったときのしなやかさも違います(目が粗い生地はごわごわします)。
       
      ■ニット生地の縫い目にバイヤステープが施されているか。
      ニット生地はストレッチ性が持ち味ですが、縫製の際、これが災いして生地が伸びたまま縫ってひきつれができたり、針穴からほつれてきてしまうことがあります。これを防ぐために使われるのがバイヤステープ。薄いTシャツ生地の首回りなどの縫い目に別布で細くテープが当てられていれば、ないものより確実にクオリティーが上がります。
       
      ■切った糸の始末がしっかりとされているか。
      良い品質の服は縫製もしっかりしています。ここを見分けるコツは最後の糸の始末。きちんと処理され、どこが糸端か見えないようならば、管理が行き届いた技術の高い縫製工場で生産されている証拠。逆に、糸端が切りっぱなしになって飛び出していたり、糸くずがあちこちについていたりする場合は、検品も手抜きの恐れがあります。縫い目が曲がっていたり、ボタンがすぐに取れてしまうような粗悪品かもしれませんのでよく見てみましょう。
       
      ■よい裏地を使い、表生地とぴったり合うように縫製されているか。
      生地はよく見ても裏地までチェックする人はあまり多くないようです。しかし、裏地こそ肌に直接当たる部分が最も多いもの。裏地の品質の差は着用時の快適さに直結します。ベンベルグなど高級品を使っていれば最高ですが、そうでなくても肌触りをしっかり吟味しましょう。また、パターンや縫製が悪いと、表生地と裏地がちぐはぐになって引きつれができたり、表生地に裏地が響いたりしますので、試着して必ず確かめます。
       
      ■テープや紐がよれよれしてないか。
      品質のよい服には、生地と同じく品質のよいテープやひもが使われます。繊維製品なのでやはりしっかりと織られているかは重要なポイントですが、もう一つのチェックポイントはまっすぐかどうか。よれよれしているものは、糸を節約するために生地を粗く織ったり、織った後の整理加工をきちんとしていない可能性がありますので、一度洗うとさらにひどくなることもあります。
       
      ■ボタンは手触りがよくバリがないか、色と形は均一か。
      樹脂や貝、木製などのボタンでは、バリやざらつきがないか、色や形が均一でそろっているかを確認します。とがったところやざらざらしているところがあると生地を傷めますのでNG。ボタンは面積こそ小さいですが、服の印象を決めるポイントになることが多いもの。ありふれたボタンでなく凝ったデザインのボタンを使ってある洋服は、きちんとコストをかけて作ったものであることが多いのです。
       
      ■金属類はとがったところがないか、メッキがきれいについているか。
      ボタン類よりさらに気をつけなければいけないのは、ホックやハトメ、カシメ、バックルなどの金属類。バリが出ていると服だけでなく肌を傷つけてしまうことがあり、きちんと固定されていないと赤ちゃんが呑み込んで事故になったりすることもありますので必ずチェック。もう一つのポイントはメッキです。きれいに均等にメッキされて表面がなめらかで、サビや曇りがないものを選びましょう。
       
      ■良い品質のホックは開閉時に「パチっ」と気持ちよい音がする。
      高品質の金属やプラスティックのホックは、開け閉めのときに「パチッ」と気持ちのよい音がするもの。こんな音が出るホックは着るときのストレスも少なく、取れてしまう事故も少ないのです。縫い付けボタンと違い、金属やプラスティックのホックは一度取れてしまうと自分では直すことができないので、しっかりと生地に打たれているかもみておきます。
       
      ■ファスナーの開閉はなめらかか。
      引手が取れてしまったり、ひどいものはムシ(テープについている小さい金属部品のこと)がばらばらと落ちてしまったり、先端が差し込み部分になかなかはまらなかったり、生地に噛んでしまったりと、ファスナーはけっこうトラブルが多いもの。良い品質の服には必ず良いファスナーが使ってあります。開け閉めしてみて、開閉がなめらかでひっかかったりしないか必ず確かめましょう。日本が世界に誇るファスナーメーカーYKK製でしたら鉄板ですが、ニセモノも多いので注意を!
       
      ■パターンは自分の体型に合っているか。
      欧米ブランドのデザインが気にいっても、実際に着てみるとどうもしっくりこなかったという経験はないでしょうか。実はこれ、パターンと呼ばれる型紙の違いが大きいのです。欧米ブランドでも日本でよく売れているものは、デザインは同じでも、必ず日本人の体型に合わせてパターンを別に作っています。ただ、同じ日本人でも人によって体型は違いますので、その服が自分の体型に合っているかどうか、必ず試着して脇、襟ぐり、ウエスト、ヒップの線など細部をチェックし、合うもののみを選びます。高品質のブランドはパターンにもお金をかけますので、体になじむ確率が高いはずです。
       
      良い服を大切に着るためには、まず、選ぶ段階から徹底的に吟味し、買いたいもの。ぜひお試しください。
       
      | 後藤百合子 | 商家の知恵 | 18:39 | - | - |
      クローゼットの中身を半分にする10のアイディア
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        衣替えの季節にいつも悩むのが、どうにもならない洋服の山。クローゼットにも入りきれず、押し入れ用クリアケースも天井まで届いている。そんな状況を解決するためのアイディアを提案します。
         
        ■2年以上着なかった服は捨てる。
        物は使ってこそ価値があるもの。2年以上着ていない服はこれから着る可能性が限りなく低いと思い、思い切って捨てましょう。生産現場で最も大切なのは5Sですが、その中でも一番重要なのは「整理」。整理とは捨てることです。クローゼットが着ない服であふれていると本当に着たい服を毎日着ることもできません。まずは不要なものを処分しましょう。
         
        ■フリーマーケットやネットオークションに出品してみる。
        どうしても愛着があってなかなか捨てられないものは、フリーマーケットやオークションで販売してみます。保存状態がよく上質なブランドなどは、買い手がつくことも多いもの。ちょっと手間はかかりますが、捨てることの罪悪感も減らせます。また、バザーに出品したり姪っ子や職場の同僚などにあげると喜ばれることも。
         
        ■お直しを利用してみる。
        ちょっと頑張って買った高価な洋服は愛着もあってなかなか処分しがたいもの。ただ、流行が変わってあまりイケてないという場合も多いのでは。こんな服はお直しを利用して襟や丈などをちょっと変えるだけでもだいぶ印象が変わり、ワードローブ最前線に復活することも。大手チェーンより、いろいろ要望を聞いてくれる街の仕立て屋さんがお薦めです。
         
        ■ブランドバッグやジュエリーは買取を利用。
        元彼にプレゼントされたり、ボーナスで頑張って買ったけれどずっとクローゼットの奥で眠っているブランドバッグやジュエリーはないでしょうか。最近、中国人観光客などに人気の中古ブランド品は、専門店の他、ベルメゾンやゾゾタウンなどで買い取ってもらえます。
         
        ■ニット製品は消耗品と割り切る。
        Tシャツ、スエットなどのコットンニット製品はストッキングと同じ消耗品と考え、少しくたびれてきたら思い切って捨てましょう。一度にたくさん買わず、少量を着回してシーズン毎に更新していくとクローゼットもすっきり。捨てると決めたらすぐにハサミで適当な大きさに切っておくと、使い捨て雑巾代わりに使えます。
         
        ■クローゼットはアイテムごとに並べる。
        クローゼットに服を並べるときに、シャツ、ブラウス、スカート、ワンピース、ジャケットなど、必ず服の種類順に並べる習慣をつけます。人の好みは一定なので、ついつい似たようなものを買ってしまいがち。いつもアイテムごとにきちんと並べておくと、要らないものや足りないものがすぐにわかるようになります。
         
        ■新しく買うときは1週間考える。
        衝動買いは一時的なストレス発散にはなりますが、後悔することも多いもの。これを避けるためには、欲しいと思っても1週間待つ習慣を。ブティックではその場で買わず1週間後にもう一度行ってみる、ネットショップはカートに保存して待つ。この間、ワードローブを再点検して、どうしても欲しかったら買います。売り切れてしまったら「縁がなかった」と思い、潔くあきらめましょう。
         
        ■アイテムごとの予算の下限を決める。
        予算というと上限と思いがちですが、シャツなら○千円以上、ジャケットなら○万○千円以上とアイテムごとに下限を決めます。アウトレットやバーゲン、ファストファッションなどついつい必要以上に買ってしまいますが、安いのには訳があります。あれもこれも買ってみたものの本当に着たいものがない「安物買いの銭失い」にならないよう、下限予算を決めましょう。
         
        ■各アイテム数の上限を決める。
        ある程度クローゼットが整理されたら、各シーズンごと、アイテムごとにもつ服の上限数を決めます。例えば、夏物 シャツ/ブラウス 5着 セーター 3着 スカート 4着 パンツ 4着 ワンピース 4着 ジャケット3着・・・など。許容範囲を±1〜2程度にし、この範囲に収まっていないものは処分する、新しく購入した場合もやはり処分するを徹底します。
         
        ■好きなブランドを決めてそれ以外は買わない。
        スポーティー、アーバンボヘミアン、コンサバ・・・と、雑誌や広告にけしかけられてついつい様々なスタイルを試したくなりますが、クローゼットの中身も増えてしまうもの。これを避けるには自分のお気に入りを数ブランド決めてしまうのが一番です。いつも同じブランドで買い物をすることにより、割引ポイントなどが使えることもありますし、ショッピングの時間も節約できます。
         
        女性にとってファッションは大事な自己表現の手段ですが、お金も時間もスペースも節約するために、クローゼットの中はいつもすっきり状態を保ちたいものです。
         
        | 後藤百合子 | 商家の知恵 | 08:16 | - | - |
        ちょっとよいものを少しずつ
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          オランダとフランス、ヨーロッパの2つの国の人々の暮らしぶりを、アメリカと日本という外国人の目から書いた本を読みました。

          ジェニファー・L・スコット著『フランス人は10着しか服を持たない』
          と大津恭子著『オランダ式簡素で豊かな生活の極意』です。

          ■「倹約は美徳なり」が絶対のオランダ
          まずはオランダから。
          ”Let’s go on Dutch”とは英語で「割り勘にしよう」という意味ですが、欧米ではオランダ人といえば「倹約家」の代名詞です。
           
          この本の中では、お客様をお茶に呼んでもとっても薄く切ったケーキしか出さなかったり(これは最高のもてなしで普通は本当にお茶しか出さないそう)、モノを買うときは事前にとことんまで調べ、いったん買ったらやはりとことん使い倒して、なおそれでも捨てないで工夫して使い続ける。万策尽きてどうしても捨てなくてはならないときが来ても、使えるものは丁寧に外して取っておくなど、大真面目に堅実なオランダ人の姿がこれでもかというくらい描かれています。
           
          確かに、モノが氾濫して置き場に困るような現代の私たちの生活の中で、このオランダ人の知恵と質実剛健な暮らしぶりはとても魅力的。ただ、いきなり日本人の私たちがそのままマネをするにはちょっとハードルが高すぎるような気がします。
           
          ■よいものを普段遣いのフランス
          もう1冊は、アメリカ人ブロガー、ジェニファーさんが学生時代のホームステイ先、パリで学んだ素敵なフランス人の生活の知恵が詰まった本です。
           
          「マダム・シック」と本のタイトルにもなっているパリ女性は、貴族の血をひく5人の母親で、パートで働きながら、ご主人と成人した息子さん1人とパリの高級住宅街にあるアパルトマンで3人暮らし。お掃除、お洗濯はもとより夕食も毎日デザートまで手作りという完璧な主婦なのですが、ジェニファーさんが感動したのは何より、毎日、朝からいつお出かけしてもいいようなお洒落をしていることだったのです。
           
          ただ、お宅のクローゼットはどれも信じられないほど小さく、たくさんの服をかけておくスペースはありません。きちんとアイロンをあてたワンピース、スカート、ブラウスなど10着程度の良質な服を着回して、すぐに高級レストランに行っても恥ずかしくないような身だしなみを整えておくことが、マダム・シックから学んだことでした。
           
          ■愛着があっても要らない服は処分する
          そんなマダム・シックに「私の洗濯が悪かったの?」と言わせてしまったのが、まだホームステイ間もない頃の格好。お気に入りのよれよれのTシャツに穴のあいたスェットパンツをパジャマ代わりに着ていたジェニファーさんは猛反省してこれを捨て、本物のパジャマを買いに走ります。
           
          ジェニファーさんの卒業した南カリフォルニア大学はお金持ちの子弟が通うことで有名。彼女自身も決して苦学生だったわけではないはずですが、アメリカ西海岸のとりあえず何を着ていてもいい風潮や、とっかえひっかえ流行のファッションに身を包む風潮に決別して、ジェニファーさんは良質の服を少しだけもち、毎日それを着回すライフスタイルに目覚めたのです。
           
          ■ちょっとよいものを少しずつ
          ジェニファーさんのブログ、The Daily Connoisseur(日常生活の達人)では、そんな彼女自身が実践するライフスタイルのアイディアがたくさん。ビデオでは、「2015年の春夏で着る10アイテム」(そのうち半分近くは去年のものとかぶっています)が紹介され、ちょっとよいブランドのアイテム(決してハイブランドではなくちょっと頑張れば手が届く)を中心に、アクセサリーなど小物でアクセントをつけたり、仕立て屋さんで袖などをお直ししてリニューアルしたものなど、着回しのこつも教えてくれます。
           
          ファストファッションの台頭で、流行のものが簡単に手軽に手に入る時代になりましたが、いくら安くても見境なく買っていたらクローゼットはパンパンになり、着ない洋服だけがどんどん増えてしまいます。そのうち流行も変わって、結局数回しか着なかったか一度も着ないままタンスの肥やしにしてしまったという経験をもつ人も多いでしょう。
           
          私たちの体は1つしかなく、1日は24時間しかありません。いつも気持ちよく着られるちょっといいものを少しずつ買い足し、惜しまず毎日着て、十分に楽しみ尽したら思いきって捨てることこそ、これからぜひ学びたいライフスタイルではないでしょうか。
          | 後藤百合子 | 商家の知恵 | 10:40 | - | - |
          商家に伝わる「始末」の知恵
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            ■「ごちそうさん」のめ以子も体験した「始末」の意味
            昨年度ヒットしたNHK朝ドラ「ごちそうさん」で、大阪の夫の実家で暮らすことになったヒロインめ以子がめざめるのが「始末な料理」。この「始末」という言葉があまり聞きなれない、という声もあったようですが、関西に限らず、昔からの商家で生まれ育った方々の中には身近に感じられた方も多かったのではないかと思います。 

            私自身も明治生まれの祖母から「始末にしなさい」と言われ続けて育ちました。祖母の「始末」の意味とは、日々の生活ではできるだけつつましく質素にして倹約し、大きな出費が必要なときに備える。あるいはムダなことにはお金を使わず、必要なところには思い切ってお金を使うというものだったと思います。「あの人は始末だから」という言葉は祖母の最大の賛辞でした。

            日々の倹約でいうと、たとえば祖母は一度鼻をかんだティッシュペーパーをエプロンのポケットに入れて持ち歩き、何度も使ってから捨てていました。下着や靴下なども薄くなってくると自分で継ぎを当てて着ていました。どうしても着られなくなると雑巾にして使いました。

            高額なものはもちろんですが、どんなものでも必ず値段交渉をし、デパートで傘1本買うときもまず安くならないか聞いていました。(関西では珍しくないようですが関東地域ではデパートで値切る習慣はありません) また、「借金は嫌い」が口癖で、月賦は絶対に利用せずどんなに高額なものでも現金で買っていました。

            タクシーにはめったに乗らず路線バスを利用してあちこち出かけていました。また、食卓に一汁三菜の食事が出ると「こんなにたくさんおかずがある家は他所にはないので感謝して食べなさい」といつも孫に諭していました。

            ■「始末な人」のお金の使い方
            私の実家(祖母の婚家)も祖母の実家も明治時代から商売をしていましたので、蔵のある大きな家に住んでいました。祖母は体型の問題もあり、よそ行きの服はすべてお仕立てでしたし、旅行が好きで国内はもとより、成田空港ができる前から海外旅行にもたびたび行っていましたので、周囲からは「お金持ちの奥さん」という目で見られていたと思います。

            しかし実際には20代で3人の子供を抱えて夫に先立たれ、戦後は倒産寸前だった家業をゼロから立て直した経験から、お金の苦労は人一倍していたはずでした。それでも祖母の「始末」に悲壮さはいっさい感じられず、逆に「始末」な生活を楽しんでいる余裕さえ感じられたのです。

            いっぽうでお金を使うときは「使いっぷりがよい」の一言に尽きました。1年に1度新調するお仕立ての洋服には外国製の高価な生地を買い求めていましたし、靴やバッグ、宝石など身につけるものも量より質を重視して修理しながら長く使っていました。孫たちが成人すると、毛皮や貴金属などかなり高級なものを買い与えてくれました。また、息子や娘たちが家を建てるときには相当な額を援助していました。

            いっぽう資産運用にも積極的でした。個人の投資家に出資し、ずいぶん資金を増やした反面、相当額の損失を被ったこともあったようです。それでも決してその投資家を非難したりしませんでした。そして70代後半で亡くなった時には当時としてはかなり大きな額の遺産を子供たちに残しました。

            ■会社も個人もキーワードは「始末」で
            こんな祖母に育てられた私は曽祖父の代からの会社を継いで経営するようになり、祖母の口癖だった「始末」を身をもって経験することになります。

            会社が利益を出す鉄則は売り上げは大きく、コストは小さくです。その差が利益として残ります。「使えるものは大事に手入れをしてできるだけ長く使う」「無駄な買い物はしないで内部留保を増やす」ことが必要です。逆に、設備や人材などには思い切って投資しなければなりませんし、そこにけちけちしていたら将来が先細りです。そして万が一そのような将来への投資で失敗したとしても、いちいちくよくよしていたら次の投資ができなくなってしまいます。

            やはり、「始末」というのは古くからの商人の知恵なのだな、と感心するとともに、この知恵はめ以子のように個人の生活にもじゅうぶん活かせるのではないかと思いました。

            すべてに倹約ばかりを目的にすると息が詰まりますが、「倹約」ではなく「始末」に言葉を置き換え、将来の投資のための節約と思えば質素な生活を送っていてもずいぶん気持ちの持ち方が変わってくると思います。

            お金を使うときも、ただだらだらと使うのではなく、メリハリをつけて使うときには使う、必要のないものには使わない、というルールを作ること。時間と同じくお金も若いうちからきちんと管理する習慣をつけると、40代、50代になったときに大きな差が出てくるのではないでしょうか。

            そのキーワードとしてぜひ「始末」という言葉を多くの人に使ってほしいと思います。
            | 後藤百合子 | 商家の知恵 | 17:59 | - | - |
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