ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
印僑の時代
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    JUGEMテーマ:シンガポール

    シンガポールでインド人人口が増えている事情を前記事でご紹介しましたが、人口増加の一因に家族の移住が挙げられます。

     

    若いIT技術者が最初は独身でやってきても、お年頃になるとインドに休暇で里帰りしたついでにお見合い結婚。まず妻がやって来て、次に自分の両親もやってくる。子供が生まれる頃には兄弟も呼び寄せて同居を始め、さらには親戚もやってきてどんどん家族が増えていく...、というようなことが決して珍しくないそうです。

     

    華人系の友人に言わせると「インド人は血縁、地縁の結びつきがとても強いから、一人シンガポールにやってくると村中まるごと移住しちゃうのよ」だそう。

     

    ある小売店のオーナーも、インド人は本人だけでなく家族全員でお店にやって来ることが多く、1つのものを買うにも家族がそれぞれ違う意見を言うのでまとまらず、数時間接客しても何も買わずに帰ってしまうことが多々あり本当に大変、と嘆いていました。

     

    確かにイースト・コースト・パークを散歩していたインド人も家族連れが非常に多かったです。

     

    中国人は古くから世界中にチャイナタウンを作り世界に散らばってたくましく生き抜いてきましたが、インド人もやはり同じ歴史をもち、華僑に対して印僑と呼ばれます。インド経済が勃興する中、今後さらにインド人の世界進出が加速しそうな雰囲気です。

    | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 17:54 | - | - |
    シンガポール中学生の定番ボランティア
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      毎週土曜日の午前からお昼過ぎにかけて、シンガポールのショッピングセンターや公団住宅のマーケット近くには必ず制服姿の2人組が立っています。

       

      中学生のチャリティー募金ボランティア。募金缶に募金を入れると、こんなかわいい子たちが胸にシールを貼ってくれます。

       

      募金の場合は金額の多寡で成果がはっきり出るので、まじめにやる子は目つきも真剣。気づかないうちにいきなりシールを胸に貼られて募金缶をぐっと押し付けられた経験もあり。

       

      そういえば、昔住んでいた香港でもよくやってました。イギリス統治時代の名残なんでしょうか?

       

      以前の記事にも書きましたが。シンガポールでは草の根ボランティア活動がとても盛んです。

       

      やはり子供のうちからの教育が重要ですね。

      | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 14:49 | - | - |
      シンガポールの屋台が衛生的な理由
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        JUGEMテーマ:ビジネス

        シンガポールではホーカーという屋台の他、カジュアルレストランでも壁がなく開放的な設計の店が多いのが特徴です。

         

        一年中夏なのでこのようなデザインは理にかなっているのですが、衛生面で二の足を踏んでしまう外国人や観光客もいると聞きます。

         

        逆に、シンガポールでは一年中夏なのにもかかわらず、ほとんど食中毒のニュースを耳にしたことがありません(以前住んでいた香港では最低でも年数回は食中毒が発生していました)。あまりに多くてニュースにもならないのかとずっと思っていたのですが、最近、食品衛生責任者講習をシンガポールで受けてその理由がよくわかりました。

         

        実は私は昨年、日本でも食品衛生責任者講習を受けています。

         

        食中毒の種類や防止方法など、講義の内容はほぼ同じですが、違うのは下記の通り。

         

        1.日本では講習受講だけで免許をもらえるが、シンガポールではテストがある。

        2.日本は保健所の立ち入り検査は問題が発生しない限り基本的にないが(開業時を除く)シンガポールは定期的にある。

        3.シンガポールの検査項目は具体的で、非常に厳しい罰則がある。

         

        1.は文字通りそのまま。日本の講習は1日でしたが(シンガポールは2日)、学生さんなどの中にはほとんど寝たきりの人もいました。

         

        2.も同様。検査はポイント制で減点ポイントが多いほど評価ランクが下がっていきます。飲食店では検査後の営業許可証と一体化した評価ランク表示が義務づけられており、写真のようにレジ横などに貼ってあります。写真の店のような「A」評価は食べ物を出すところでは珍しく(飲み物屋さんは多いです)、検査が非常にシビアであることがわかります。

         

        3.の検査項目は減点法+シンガポール政府十八番の罰金です。例えば、営業許可証を提示してないと罰金200ドル、従業員の服が汚れていたら減点4+罰金300ドル、調理済の食品をカバーなしで放置しておくと減点4+罰金300ドル、調理済みの食品を素手で触ると減点6+罰金400ドル、施設内で虫や害虫がみつかると減点6+罰金400ドルなどなど。トイレの衛生状態に関する項目も少なくありません。

         

        12か月以内に減点が12点以上になると、2週間の営業停止処分に。ということはたとえば、ゴキブリやハエが2回みつかると営業停止になるということです。どうりで熱帯気候にはつきものの害虫を滅多にみないわけです。

         

        このように非常に厳しいスタンダードが課されているため、飲食店は害虫やネズミ駆除業者との定期契約が普通だそう。特に政府管理下の公営ホーカーでは施設全体が契約しており、トイレ掃除や食器類の片付けも屋台の調理人が直接行うことはないため、人を介して感染する食中毒は逆に少なくなるだろうと感じました。

         

        シンガポール観光の際は、このライセンスを目安にぜひ屋台も楽しんでいただけるといいと思います。

        | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 17:02 | - | - |
        シンガポールの巨大コミュニティー・センター
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          JUGEMテーマ:シンガポール

          昨日の記事で図書館でのアート・ワークショップについて書きましたが、本日はその図書館があるタンパニース・コミュニティー・センターについてお話ししたいと思います。

           

          このセンターは2017年8月にできたばかりの巨大統合型地域コミュニティー施設。もともとスタジアムがあった場所をリノベーションし、ありとあらゆる住民のニーズに応える設計になっています。概略は下記の通り。

           

          ・スポーツ施設

          サッカー場(5,000席)、スイミング・プール(6個)、多目的体育館(1,500席)、テニスコート、フットサルコート、ホッケー場、ジョギングコース他

          ・文化施設

          公共サービス窓口(公団など12政府機関)、公共図書館(6F建て)、映画・コンサートホール(400席)、児童公園、エコ・ガーデン、総合ギャラリー、キッチン・スタジオ、会議室他

          ・医療・介護施設

          ヘルス・センター、家族向けクリニック、デイ・ケア・センター他

          ・その他

          催事場、バーベキューピット、フードコート、スーパーマーケット、ショッピングモール、飲食店街、ボーリング場(30レーン)、ロッククライミング練習場、学習塾、バレエ教室、音楽教室他

           

          オープン初日には10万人の地域住民が来場。

           

          あまりにも色々な施設がありすぎて、また、ワークショップを含め至る所で面白そうな催しが開催されており、半日ほどいましたが、とてもすべて見ることはできませんでした。

           

          こちらの記事では、シンガポール人と日本人など外国人駐在員の日常生活が全く違う事実をご紹介しましたが、家族で週末を過ごす娯楽施設も同様。

           

          同じ巨大施設でも、観光客や駐在員に人気のマリーナ・ベイ・サンズのようなカジノや高級店が軒を並べる巨大施設には、仕事で必要な場合を除いて一般のシンガポール庶民が頻繁に訪れることはまずありません。

           

          逆にこのような政府が運営する施設では、あまりお金を使わずに家族で一日遊べるため、堅実なシンガポール市民に大変な人気が高いのです。

           

          今後シンガポール政府はこのような統合型の地域センターを徐々に増やしていく予定だそう。

           

          日本でも今後少子高齢化が急速に進行していく中、地域中核都市に住民を集中させて都市計画を推進していく際には、このような統合型のコミュニティー・センターをぜひ併設して街作りをしてほしいと思います。

          | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 19:04 | - | - |
          シンガポール的継続ボランティア育成方法
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            昨日の日曜日は午後からシンガポール東部地域の図書館で行われたワークショップのボランティアをしてきました。

             

            ワークショップのタイトルは「自分の絵本を作ってみよう」。

             

            シンガポール・アート・ミュージアム(SAM)とシンガポール国立図書館の初コラボ・プログラムで、幼稚園から小学生の子供たちが15人ほど参加。私もSAMのワークショップ・ボランティアとして、事前の材料準備とアーティストのサポートのお手伝いをしてきました。

             

            写真は、幼稚園年長組の女の子が作った絵本をアーティストが製本しているところ。あまりにも見事な出来上がりに息を飲みましたが、彼女に限らずとにかく子供たちがみんな個性的で才能豊か。

             

            身体に麻痺障がいのある男の子も1人参加しており、車椅子に寄りかかりながら、毛糸とフェルトを使って立体的なヒーローが登場する楽しい絵本を作って見せてくれました。

             

            さて、話は変わりますが、シンガポールではボランティア活動が非常に盛んです。

             

            私がSAMのボランティアに登録したのは1年ほど前。これまで不定期で、アーティストの展示準備や、今回のようなワークショップのお手伝いをしてきましたが、「今週末手伝ってほしいんだけど」というような急なボランティア募集が多いのにもかかわらず、いつも必ずそこそこの人数のボランティアが集まります。

             

            中でも多いのがアジア系の外国人とシンガポール人の学生さん(欧米人や日本人ボランティアには展示案内ガイドボランティアが人気で、サポート・ボランティアはほとんどいません)。

             

            どうしてなんだろうと不思議に思っていたのですが、外国人ボランティアの1人に聞いてみたところ謎が解けました。永住ビザや市民権申請をしたとき、ボランティア歴がポイントになるそうなのです。

             

            学生さんも同じ。高校生は大学入学時にボランティア歴が加味され、技術系短大でも自分の専門に関係のある機関でのボランティア歴は単位の一部として認められるとのこと。

             

            言われてみたら、活動終了時には必ずSAMの担当者がやってきて、名前とICというマイナンバー、実際にボランティアした時間を書かせられます。どのくらいの時間何のボランティア活動をしたかが客観的に記録に残るようになっているのです。

             

            そういえば、子供の小学校入学の際も、希望する学校で親が規定時間以上のボランティア活動したことがあるのも入学可否を決定する条件の一つでした(シンガポールは入学を希望すればどの小学校でも応募でき、人気の高い学校は競争率も高くなります)。

             

            私の友人たちが多く参加しているのは「コミュニティー・センター/コミュニティー・クラブ(C.C.)」と呼ばれてシンガポール中どこにでもある公民館ボランティアで、施設の運営やプログラムサポートからチャリティー、選出議員とタイアップした地域コミュニティーへの働きかけなど、さまざまな活動をしています。

             

            そして、ボランティア活動を続けているとご褒美として、政府から表彰されたり、人気のある政府プログラムに優先的に参加できたりと、いう機会もあるようです。

             

            個人的には楽しんでボランティアしているだけなのですが、やはりこのようなインセンティブがあることを知っていると「ひょっとしたらいつか何かいいことあるかも」という希望もわきますし、もっと頑張って時間を増やしてみたり、他のボランティアもやってみようかな、という気にもなります。

             

            社会に貢献したいという純粋な気持ちで始めるボランティアでも、シンガポールのように「いい事をしてるとそのうちご褒美もあるかもしれないよ」と誰もが思えるようになると、継続の大きな力になるのではないでしょうか。

            | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 20:49 | - | - |
            シンガポールが世界一高コストな都市である理由
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              JUGEMテーマ:シンガポール

              ■世界一生活コストが高い都市、シンガポール

              シンガポールが5年連続で世界一生活コストが高い都市に選ばれました

               

              2位はパリとチューリッヒがタイ、4位香港、6位ソウル、10位シドニー。東京は前回7位から11位に。ドル安の影響でニューヨークも13位と順位を下げました。

               

              そんなものなのかなとも思いますが、シンガポールで日常暮らしている身からすると、シンガポールと東京の生活費にそれほどの違いがあるとは思えません。それどころかシンガポール人には、東京は何でも高くてとても旅行になんか行けないと主張して譲らない人が少なくありません。

               

              このギャップはどこからくるのか? 

               

              シンガポールで最もコスト高なのは、記事中にもある車の価格。

               

              シンガポール政府が台数を厳しくコントロールしているため、マイカーをもつには関税や登録料、車をもつ権利などの費用を支払わなければならず、日本と比べるとだいたい3〜4倍の費用がかかります。

               

              我が家も8年前に4年落ちの中古日産サニーを購入しましたが、約450万円もしました。

               

              もう一つは住居費。

               

              東京23区内ほどの面積しかない国に世界中から人が集まってきますので、土地は貴重な資源です。シンガポールはアジアでは香港に次いで不動産価格が高いと言われますが、私の感覚ですとだいたい東京の2倍くらい。

               

              例えば、日本人駐在員にも人気のオーチャード通りに近い新築マンションですと、3LDK90屬1億7千万円くらいから。ちょっと郊外でダウンタウンまで1時間弱程度のマンションでも1億円くらいから。田園調布に似た高級住宅街の一戸建てになると、20億円、30億円の物件はざらにあります。

               

              外食や買い物も同様。

               

              不動産価格が高いので家賃も高く、ショッピングモールや飲食店などのテナント料も当然高くなります。家賃分は商品やサービスに転嫁されますので、いま人気の日本のラーメン店でもラーメン1杯食べるだけで1,000円以上します。日本からの輸入食材には運賃もかかるので割高なのはわかりますが、さすがに明治屋でみかけた400円のおかめ納豆には手がでませんでした。

               

              このように見ていくと、シンガポールで東京と同じような暮らしをしようとすれば非常に高くつくことがわかります。それもそのはずで、この調査は外国人駐在員がその都市で暮らした場合のコスト比較をしているのです。

               

              駐在させる会社も事情はよくわかっていて、例えばある欧州企業では、アジア統括部門をシンガポールとマレーシアにおき、一定ランク以上の管理職はシンガポール勤務になるけれど、それ以下は同じ部署でもクアラ・ルンプールに駐在という規定だそうです。

               

              ■駐在員とシンガポール人の生活コストはこれだけ違う

              ところが、一般のシンガポール人の生活コストはとなると、まったく話は違います。

               

              まず、住居。

               

              シンガポール人の8割が住むHDBという公団住宅はシンガポール人であれば購入できます(高級マンションに住んでいるシンガポール人もほとんどがマンション以外にHDBを所有しています)。

               

              その価格はというと、90〜93屬裡LDKで約2千万円〜3千万円程度といっきに東京より安くなります。

               

              HDBには、ホーカーという屋台のフードコートが必ず併設されています。政府の持ち物なので家賃は安く、ここでローカルなラーメンなら300円もあれば食べられます。フードコートの隣にはウェットマーケットと呼ばれる市場もあって、朝は魚や肉、野菜などを買う人でごった返します。

               

              また、大規模なHDBの中心地(ハブと呼ばれます)には地下鉄の駅や大きなバスターミナルがあり、公共交通機関は格安。地下鉄であれば片道100円前後、バスで短距離であれば2,30円で乗れますので、HDBに住む人の多くが通勤や通学に利用しています。

               

              さらに駅ビルにはたいていFairPriceという政府傘下のスーパーマーケットがあり、シンガポール家庭料理に必要な食材はたいてい日本より安く(お隣のマレーシアやインドネシアからの輸入品が大半ですが、野菜や魚、調味料などシンガポール産も少なくありません)手に入ります。主食の米の価格も政府がコントロールしているので、いつも安定しています。

               

              同様に、HDBハブの駅ビルやショッピングモールなどには個人営業のテナントが多く入っていて、食品以外の日用品や衣料品、その他の商品やサービスも手頃な値段で手に入ります。衣料品の価格はユニクロなどのファストファションよりも安い店が大半です。

               

              要約すると、駐在員のような生活をすればシンガポールは世界一高コストな都市になりますが、公団住宅に住むシンガポール人の生活コストは東京よりもずっと安くあがるというのが実態なのです。

               

              ■外国人にお金を使わせて国民に還元するシンガポール方式

              なぜこのようなダブルスタンダードがシンガポールで可能なのか?

               

              それはひとえにシンガポール政府の政策のおかげです。

               

              車の取得や維持にかかわる税金、土地のリース代(シンガポールはイギリス植民地でしたのでほとんどの土地が政府による99年リースになります)、固定資産税などなど、毎年政府には莫大な税収が入ります。外国人が高級マンションのテナントになれば、オーナー(たいていシンガポール人ですが外国人がマンションを買う場合には取得税が非常に高額)の家賃から所得税が入ります。

               

              外国人がシンガポール国内で働くと所得税が納付されますし、外国人用のスーパーで買い物をしたり高級レストランで食事をすれば、お店の利益からも税収があります。

               

              このように政府は所得が高い外国企業の外国人を呼び込んでシンガポールで働いてもらい、かつお金を使ってもらうことにより、国内産業を発展させかつ税金も得ているのです。そうして得た税金をもとに、政府は公団住宅や地下鉄などを整備してシンガポール国民に安価に提供。

               

              つまり、外国人にとっては非常に生活コストが高いシンガポールでも、一般庶民にとっては物価が安くて暮らしやすい街になっているのです。

               

              シンガポール国民の人口は2017年で344万人。これに対して、建設労働者やメイドなどを除く外国人労働者は37万人。

               

              シンガポール国民の1割程度の数の外国人がシンガポールで働いて生活することにより、シンガポール国民の生活向上に貢献しているという非常に興味深いシステムの結果が、「世界で一番生活コストが高い都市シンガポール」の実情です。

              | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 18:18 | - | - |
              2018幸福度ランキングでシンガポールと比較した日本の「寛容度」のレベルアップ法
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                JUGEMテーマ:国際社会

                 

                先週、2018年度の世界幸福度ランキングが発表されました。

                 

                フィンランドが1位になった他、北欧の国々が上位を占めましたのは既報の通りで、全体的な傾向をみると大まかに、

                 

                ・北欧の国々と一部ヨーロッパの国々

                ・オセアニアとカナダ

                ・その他ヨーロッパの国々とアメリカ+中東のお金持ち国

                ・南米の国々+台湾と一部ASEANの国々

                ・ロシア含む東欧の国々+日本と韓国

                ・中国、インド含むアジアの発展途上国

                ・紛争国とアフリカの国々

                 

                というグループ順になっています。

                 

                日本は昨年の51位から54位に順位を下げ、お隣の韓国57位、ロシア59位、中国86位と、東アジア地域は全体にふるいません。

                 

                シンガポールもやはり26位から34位に下落しましたが、台湾26位、マレーシア35位、タイ46位と、アジア地域でそれなりに経済発展している国は日本よりもかなり順位が高くなっています。

                 

                こちらの記事では、順位の基準になった下記の条件ごとのポイントを詳述しています。

                 

                (1)人口あたりGDP(対数)
                (2)社会的支援(または困ったときに頼ることができる親戚や友人がいますか)
                (3)健康寿命
                (4)選択の自由度(あなたの人生において何らかの選択する自由に満足していますか)
                (5)寛容さ(過去1か月の間に慈善団体に寄付をしたことがありますか)
                (6)腐敗の認識(政府や仕事上で腐敗が蔓延していませんか)

                 

                日本とシンガポールを比べてみると、(1)はかなり日本が低いですが(シンガポールはアジア地域1位で、17位のルクセンブルグ、32位のカタールなどに続き世界トップクラス)、(2)と(3)はほぼ同じ。ヨーロッパの国々ほど高福祉ではないけれど、そこそこ社会的な支援を受けられて健康寿命も世界トップレベルなのがわかります。

                 

                反対に大きく差がついているのは、(4)から(6)の3項目。

                 

                (4)の選択の自由度はシンガポールは北欧の高順位国並み(タイもシンガポールとほとんど変わりません)なのに対し、日本はドイツやフランスなどその他の欧米諸国並みにとどまり、中国より低くなっています(韓国はこの項目が極端に低くフィンランドの半分程度にとどまっているのも目を引きます)。これは日本で拡大する貧困層の固定化や女性の地位が低いことなどが原因ではないかと思います。

                 

                (6)の腐敗の認識は、日本はタイはもちろん、韓国やイタリアと比べてもポイントが低く悪くないのですが、シンガポールはフィンランドを抜いて断トツの1位で、政府をはじめいかにクリーンな社会かがわかります。

                 

                そして、最も違いが際立ったのが、(5)の寛容さ。

                 

                シンガポールの指数が0.12に対して日本は-0.22(韓国は0.00、中国は‐0.19、インドは-0.05)と他国に比べて極端に低くなっており、寛容さに大きく欠ける社会が幸福感を押し下げていることがわかります。

                 

                シンガポールもイギリスの0.28やタイの0.2という指数と比べると、決して寛容さの項目がずば抜けて高いわけではありません。それどころか、もともとシンガポール人気質を表わす「Kiasu(キアス)」=自分だけが良ければ他は気にかけない、という言葉に代表されるような利己主義的な風潮が強いお国柄。

                 

                これに対して日本人といえば、震災のときの行動を見てもわかるように、上から命令されなくても困難なときには自然に助け合い支え合う国民性が印象的で、当時はシンガポール人も非常に感銘を受けていました。

                 

                しかしそれが仇となり、苦難の時期を通りすぎてしまうと、自然に自分や自分の身うちだけが良ければいい、という風潮に戻ってしまうようです。

                 

                少し前に小さいお子さんがいるシンガポール駐在日本人妻の方と話をしたのですが、「一人で外国で子育てするのって大変じゃないですか?」と聞いたら、「いや、こちらの人はみな赤ちゃん連れのお母さんに優しいですし、東京だとベビーカーで地下鉄に乗っただけで舌打ちされたりするので怖いです」とおっしゃっていたのが印象的でした。

                 

                この違いは何かといえば、やはり社会の寛容さであり、その基礎は教育や政策の違いによる、「意識された」寛容性の涵養にあるのではないかと思います。

                 

                その最たるものが、草の根運動。シンガポールでは市民ボランティアによるグラスルーツ・アクティビティ(草の根活動)は、役所の仕事に準じた評価を受けています。

                 

                例えば、学校のカリキュラムで休日の寄付集めなどのチャリティが義務化されていたり、コミュニティでのボランティア活動が点数制になっていて報奨制度があったりと(外国人がシンガポール永住権や国籍をとりたい場合、ボランティア実績は評価の対象になります)、政府の生活保障、国民の自助努力、そして国民同士の互助努力が3つの柱として社会を支えているのです。

                 

                シンガポールは1人あたりGDPベースで見るとアジアで最も豊かな国ではありますが、反面、日本と違い最低時給やキャピタルゲイン課税、相続税がなく所得税も低いため、貧富の差は拡大傾向にあります。また、移民政策によって自国民だけでなく外国人との競争プレッシャーにも晒されています。

                 

                そんな厳しい日常の中でも他人への寛容さや思いやりを忘れないよう、政府も国民も協力して活動するというコンセンサスがあるために、シンガポール人の幸福度は高水準にとどまっているのだと感じます。

                 

                日本人が本来もち続けてきた寛容さへの社会的な回帰こそ、日本人として生まれて良かった、という幸福感を感じる近道ではないでしょうか。

                | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 12:34 | - | - |
                政府財政が健全だといいこともあるよ、という話。
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                  JUGEMテーマ:シンガポール

                  先週後半からの旧正月疲れと、あちこちで新年会がありまだまだお正月ムードが続いたおかげで、今週はなんとなく終わってしまいましたが、そんな中でもシンガポール政府のみなさんは精力的にお仕事されていて、2018年度予算が発表されて財務大臣はその説明にあちこち駆け回っていました。

                   

                  2017年の世界的好景気を受け、シンガポールのGDPは前年比3.7%増。税収も大幅に伸びて、来年からと大方が予想していた少子高齢化対策に伴う消費税増税(現行7%を9%に)も、2021年から2025年の間に景気動向をみながら行うということに。

                   

                  いっぽうでたばこ税は即日10%増税のほか、地球温暖化対策の一酸化炭素税の導入や過熱気味の不動産購入税などの増税の他、国境を越えたゲームダウンロードや音楽ストリームなどへの新たな課税も公表されました。

                   

                  大幅な予算措置としては地下鉄システムの整備や公団住宅の新たな建設費など、インフラ関係がメインで「まだまだ成長するぞ」との強い決意がにじみ出る内容。教育にも力を入れていて、昨年から本格的に始まったリカレント教育予算継続の他、貧困世帯の教育補助も大幅に増額するとしました。

                   

                  中でも羨ましいなーと思ったのは、21歳以上のシンガポール国民全員にSG$100〜$300(約8,000円〜24,000円)の特別ボーナスを配るとの発表。以前も選挙前などに実施していたこともあるようですが、今回のように「大幅にお金余ったから」と国民に還元するのは私が知る限りでは初めてです。

                   

                  財政が健全で、必要なところにしっかりと予算配分ができ、その結果経済もうまく循環している状況がよくわかり、国民も「いろいろ言いたいこともないではないけど、この政府だったら安心して政治を任せられる」と信頼している様子。私は国民ではないのでボーナスもらえませんが、ずっと税金を払ってる日本政府にも将来ぜひこんな政策を期待したいものです。

                  | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 18:56 | - | - |
                  シンガポール国民の職を確保し給料を押し上げる外国人労働者クォータ制
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                    JUGEMテーマ:シンガポール

                     

                    昨日のブログ記事に、シンガポール人の叔母が80歳過ぎても飲食業で働き続けているという話を書きましたが、シンガポール人が高齢でも比較的簡単に職をみつけられるのには理由があります。

                     

                    それは、約3割の外国人労働者(実際には人口の4割が外国人ですが、私のようにシンガポール人と結婚したり長年シンガポールで働き続けて永住ビザをもつ外国人が1割おり、この層はシンガポール国民に準ずる扱いを受けます)の雇用に際し、シンガポール国民の雇用を義務づけるクォータ制をとっているからです。

                     

                    シンガポールの労働ビザは、高度人材ビザから家政婦ビザまでいろいろな種類がありますが、この中で最も多いのが「Work Permit」と呼ばれる比較的単純な労働に従事するためのビザで、昨年6月時点で975,800人の外国人がこのビザを支給されています。

                     

                    うち、建設労働者が約3割を占めますが、その他にも、ホテルや運輸、ビジネスなど就業職種は多岐にわたっており、叔母の働いている飲食業界も含まれます。

                     

                    特に飲食などのサービス関連業種につける労働者は出身国も決まっており、マレーシア、中国、北アジア(香港、マカオ、台湾、韓国)限定。中国人についてはビザ延長の年数も最初から決められています。

                     

                    もともとサービス業、特に小売店員や飲食店店員などはシンガポール人に人気がある職種ではありません。そのためマンパワーを外国人ワーカーに頼らざるを得ないのは日本のコンビニなどの現状と同じですが、大きく違うのは、政府によってシンガポール人の割合が一定以下にならないようクォーター制が強制されていることです。

                     

                    このビザでは、外国人労働者は職場での全体人数の40%を超えられないため、より多くの外国人労働者を雇うためには、さらに多くのシンガポール人労働者を雇う必要があります。また、外国人の割合が多くなればなるほど税金が上がりますので、雇用者としてはシンガポール人を多く雇ったほうが得なのです。

                     

                    とはいえ、ほぼ完全雇用状態のシンガポール。シンガポール人求職者の供給は限られているため、高齢者でも採用されやすく、賃金も決して悪くないという状況が続いています。

                     

                    私と同い年のあるシンガポール人の友人(独身女性)は、長年ホテルの客室係として働いていますが、趣味の旅行を楽しむためにときどき勤務先を辞めたり、数年前に母親を自宅で最期まで介護していたときはパート勤務になり、容体が悪くなる度に仕事を辞めていました。それでも次の仕事に困ることはなく、すぐにみつかるため、30代で買った公団住宅のローンもすでに払い終えたようです。

                     

                    日本では建前上は外国人労働者を受け入れていないことになっていますが、外国人就学生や研修生など、実際には外国人労働者なしでは一部の産業は成立しないのが現状です。この日経の記事によれば、リーマンショック後に増えた就労者の4人に1人は外国人というところまで外国人労働者の数が増えています。

                     

                    少子高齢化社会で外国人労働者に労働力を頼るのは仕方ないと思いますが、それにより、真剣に働きたいと求職している中高年層や高齢者の働き口が少なくなったり、外国人労働者に比べて賃金水準が低くなってしまうのであれば本末転倒だと思います。

                     

                    日本国民、特に求職弱者である中高年以上の就職率をどのように向上させ、賃金を上げるのか、シンガポールの国民クォーター制は一つの参考になると思います。

                    | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 14:28 | - | - |
                    「高木ラーメン」で考えた、炎上してしまったビジネスの活かし方
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                      JUGEMテーマ:ビジネス

                       

                      ■本格的日本ラーメンを手頃な価格で、を掲げる高木ラーメン

                      今週、所用でシンガポール老舗の工業団地Ang Mo Kioを訪れた際、かねてから気になっていた「高木ラーメン」に行ってきました。

                       

                      シンガポールではここ数年、日本のラーメンが大ブーム。

                       

                      草分けの味千ラーメンはもとより、麺屋武蔵、らーめんけいすけ、らーめんまる玉、一風堂など日本の有名ラーメン店が大量に出店してしのぎを削っています。もちろんシンガポール在住の日本人だけでなくシンガポール人にも大人気で、人気店にはお昼時に長蛇の列ができるほど。

                       

                      この高木ラーメンも「本格的日本ラーメン」が売りですが、他店との最大の違いは、最初から日本人を客として想定しておらず、メインターゲットを「平均的なシンガポール人」に絞っていることです。

                       

                      この戦略は、現在ある3店舗が、南洋工科大学、南洋理工学院、シンガポール国立大学に近い立地で若者が立ち寄りやすいこと(シンガポール国立大学はキャンパス内にあります)、また、価格が他の日本ラーメン店の税・サービス料込価格に比べて半分程度、替え玉に至っては日本円にして50円以下など、徹底した低価格戦略からも明らかです。

                       

                      私が立ち寄ったのは月曜日の13時過ぎでしたが、学生さんはまだ授業中のせいか、比較的年齢層が高い30代から50代くらいの男女が多く、女性1人だけで食事をしている人も4,5人みかけました。Facebookページによると、週末には長蛇の列ができることもあるようですが、この時間帯としてはまあまあの客入りと回転率。

                       

                      肝心の味はというと、スープは豚骨ベースのこってり系でいまどきの日本ラーメンっぽいのですが、自慢の自家製麺はかんすいが入っておらずコシがない中国の拉麺に近いもので、本格的日本ラーメンと呼ぶには少し躊躇するところ。私がリピートするかどうかは微妙ですが、もし店の近くの学校に通う学生だったら気軽に立ち寄れる価格とボリュームだと思いました。

                       

                      ■高木ラーメン、オーナー夫妻の前ビジネスとその挫折

                      さて、ここまででしたら「へー、シンガポールに安い日本ラーメン店があるのね」で終わってしまうのですが、このお話には前振りがあります。

                       

                      というのも、高木ラーメンの20代のオーナー夫妻、アイ・タカギ氏とヤン・カイヘン氏には、過去“The Real Singapore”というサイトを運営し、人種差別的発言やフェイクニュースを流布した「Sedition(扇動罪)」に問われてシンガポール政府に逮捕され、服役した経歴があるからです。

                       

                      2015年に逮捕され、2016年3月までかかった裁判後、10か月の実刑判決を先に受け入れた日系オーストラリア人のタカギさんは、逮捕時に若干22歳。判決が下りたときには妊娠8週間め(その後流産)でした(ヤンさんもその後、8か月の実刑で服役。2人とも刑期短縮で出所)。

                       

                      裁判中は、イスラム教徒のペンネームを使って多くの記事を書いていたとされるタカギさんがシンガポール人ではなくオーストラリア人であること(もともとは日本国籍だったようです)、名門クイーンズランド大学に通いながらセンセーショナルな話題でビューを稼ぎ、莫大な広告収入を得ていた事実が次々と明らかになり、連日、新聞やテレビで報道されました。

                       

                      特に、年上の夫(当時は婚約者)のヤンさんがしじゅううなだれ気味なのに対し、タカギさんは毅然とした態度でポーカーフェイスを貫徹。しかも、裁判の真っ最中に「高木ラーメン」の開店を準備してマスコミに情報を流す、というビジネスに徹した姿勢にただ者ではない感を漂わせていました。

                       

                      このインタビュー記事によれば、最初は大学の授業が少なく暇をもてあましていたタカギさん1人で始めた無名サイトは、閉鎖に追い込まれる直前の4か月には月4万オーストラリアドル(約340万円)以上をコンスタントに稼ぎ出し、その収入でヤンさんの学費の他、2人の生活費やアシスタントたちの給料を支払い、30年ローンで購入した家の購入代金もすべて払い終えていたそうです。

                       

                      さらにこれに続く記事によると、タカギさんは有罪判決を受けて収監された前歴を隠すどころか、

                       

                      “If there’s a story you can link to it, you’re more familiar with it, and you’re more likely to eat it.”

                      「もしもそのお店につながるストーリーがあったら、お店は身近なものになって、そこで食べてみたいという気が起きるわ」

                       

                      と、積極的にアピール。本来であれば消し去りたいはずの過去をオープンにすることによって、ビジネスの拡大を図り、このような取材にも積極的に応じていたのです。

                       

                      ■ネガティブな経験もビジネスのステップアップに

                      オープンから3年あまり。高木ラーメンは順調に業績を伸ばしている様子で、Ang Mo Kioの本店もこれまでのホーカー(屋台村)から出て独立したお店を構えていました。また、Facebookページの投稿を読んでみると、若い夫妻が試行錯誤を繰り返しながら経営者として着実に事業を育てている様子がよくわかります。

                       

                      ”The Real Singapore”時代には朝9時から真夜中までずっと記事を書いてはアップし続けたというタカギさんですが、現在はラーメン店の発展に全力を傾けているのでしょう。このように私がタカギさんを身近に感じるのも、前述の彼女の言葉「ストーリーがあった」からに違いありません。

                       

                      20代前半という若さにして、普通の人が一生かかってもできないようなさまざまな経験を経たタカギさん夫妻の、今後のビジネスの行方が非常に楽しみです。

                      | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 14:56 | - | - |
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