ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
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    今こそ問われる直接民主主義の価値
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      JUGEMテーマ:政治

       

      今週月曜日の夜10時頃、シンガポールの国会議員Tan氏(43歳)がMeet-the-Peopleセッション(その地区選出の国会議員が市民と直接話す会)中に若い男に襲撃され軽傷を負う事件が発生しました。

       

      動機はまだ不明のようですが、男はすぐに周囲のボランティアらによって取り押さえられ警察に通報。Tan氏は病院で診察を受けた後セッション会場に戻り市民との面接を再開。自分自身を襲撃した男に対しても「問題を抱えていると話していたようでできるだけ今後も彼の力になりたい」と語っているそうです。

       

      以前の記事でも書きましたが、シンガポールではこのように一般市民が国会議員に会って直接陳情する機会が確保されています。

       

      私が住んでいる地域選出の国会議員にはゴー・チョクトン元首相がいますが、私が直接会って意見を言ったりお願いしたりしたいことがあれば会うことが可能。あらかじめ告知されているMeet-the-Peopleセッションの日に会場に行って列に並べばいいだけなのです。

       

      シンガポール国民の多くが政治に満足しているのは、経済成長によって国民生活が豊かになったこと(パン)や、建国記念日のナショナル・パレードを筆頭として無料の娯楽や文化行事が豊富に提供されること(サーカス)に加えて、このセッションによる直接民主主義が非常に大きいと私は考えています。

       

      そのため圧倒的多数を誇る与党PAP(People's Action Party)は、過去に数回このような国会議員襲撃事件があったにもかかわらずこのセッションを止めていませんし、今後止めるつもりもないようです。

       

      日本でもこのようなシステムがあればいいのに、と常々思っていましたが、最近、史上最年少で市長となった千葉市の熊谷俊人市長(40歳)がツイッターで直接市民と対話する会を定期的に開催していることを知りました。

       

      さすがに直接会場があるわけではなくヴァーチャル空間での対話になりますが、誰でも市長に直接意見が言えるのは非常に貴重な機会です。

       

      その効果も作用してか、熊谷市長は3期目となる前回の選挙で「過去最高の18万2081票を獲得し、81.3%という圧倒的な得票率」を実現したそう。

       

      自国の政治に期待せず選挙にも行かない人々の大半は「どうせ投票しても何も変わらない」という間接政治に絶望している人々だと思います。しかし、政治は私たち市民の日常生活に多大な影響を及ぼすだけでなく、私たちの子どもたちや孫たちの世代にも関わってくるものです。民主主義の根幹である選挙による政治を放棄していいわけがありません。

       

      選挙の重要性を取り戻すためにも、私たちが所属する地方自治体や国の政治や自分たちが直面する問題について、私たちを代表して政治を行ってくれている政治家に直接話しそれを政治に反映してもらう直接民主主義の機会がもっともっと増えてほしいと思います。

      | 後藤百合子 | 日本のこれから | 20:42 | - | - |
      いよいよ本格的審議に入るカジノ法案。「シンガポール方式」とはどういうものか?
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        JUGEMテーマ:ビジネス

        Forbsの記事によると、レディー・ガガさんがラスベガスのホテルと契約し、2年間の定期公演を行うことになったそうです。

         

        ラスベガスといえば今年10月の銃乱射で58人もの命が奪われた事件が記憶に新しいですが、その影響もさしてなかったのか、反対に落ち込んだ需要をテコ入れするためなのか、世界的大スターの起用は大きな話題になることは間違いありません。アメリカ人はもとより世界各地からの観光客もさらに増え、主要産業であるカジノ収入も増加するのではないでしょうか。

         

        いっぽう、日本でも昨年IR(統合型リゾート)推進法が制定され、来年1月から始まる通常国会でラスベガスのようなカジノを含むリゾート施設についての具体的な細則が決まる段取りになっているようです。

         

        今年6月に報道された政府方針によると、IR施設におけるカジノ施設は1か所あたり1つにとどめ、床面積に上限を設ける他、日本人や日本に定住する外国人からは入場料を徴収するなどギャンブル依存症への対策を講じるとしています。これに対し、シンガポールでマリーナ・ベイ・サンズを運営する、世界最大のIR事業会社であるラスベガス・サンズ会長のアデルソン氏は、日本がシンガポール方式のカジノ運営を検討していることに不満を述べていると言われます。

         

        こちらは、ラスベガス・サンズ社HPのQ&Aページにある「IR施設がなぜ旅行者増に貢献するのか?」という質問に対する回答です。

         

        はい、統合型リゾートが訪日外国人旅行者の増加に貢献する極めて有力な事例があります。マリーナベイ・サンズを建設した際、シンガポール政府は来訪旅行者の増加を目標の1つとしていました。シンガポールを訪れた旅行者は、2009年の970万人から2014年の1,508万人へと55%増加しました。旅行者の支出額も2009年には106億USドルであったのに対して2014年は195億USドルと83%も増加しました。シンガポールに統合型リゾートが開業したのは2010年のことです。2014年単独でもマリーナベイ・サンズの利用客は延べ4,000万人を数えました。

         

        確かにマリーナ・ベイ・サンズはカジノばかりでなくホテルやコンベンション・センター、高級ショッピングモール、美術館やシアターなどのアトラクション施設も併設され、シンガポール観光の目玉の一つになっています。私もこれらの施設に何回か行ったことがありますが、カジノに限っては、国際会議や視察旅行など企業がらみのイベントで、オフ時間に一部の人たちが遊ぶという利用が多いのではと想像しています。

         

        中に入ったことがありませんのでどういう人たちがカジノにいるのかはわかりませんが、少なくとも私の身近にいるシンガポール人からカジノに行ったという話は聞いたことがありません。

         

        シンガポールではカジノ面積は15,000屬鮠絽造箸靴討り、観光客でない国民や永住者からは1回あたり100シンガポールドル(約8,400円)の入場税の徴収が義務づけられています。もともと自国民をカジノ客として想定していないので面積は小さくてもよく、行きたいと思う人がいても入場料が高すぎて一般庶民には高値の花。その結果としてギャンブル中毒で身の破滅を招く人も非常に少ない(といっても皆無ではなくたまに負けがこんで自殺した人などがニュースになることもあります)というのが現状です。

         

        また、つい最近では「Crime Watch」というシンガポール警察提供の事件再現ドラマで、スロットマシーン詐欺の外国人3人を警察が追跡する番組も放送され、国民に対するカジノのイメージ低下を図っているのではないかと勘ぐってしまいました。

         

        シンガポール方式で政府が目指してきたカジノの方針は次のようなものであると私は理解しています。

         

        ・IR業者にはカジノを認めることによって、カジノより収益力が低いホテル、コンベンション・センター、アトラクション施設などを建設・運営させて投資を呼び込み、観光を活性化させる。

         

        ・カジノ施設面積の上限を設けて施設全体に対するカジノ依存比率を低くする。

         

        ・ギャンブル依存症を作らないために、国民にはカジノに対し悪いイメージを抱かせ、高額の入場税により行きたいというモチベーションを低下させる。

         

        カジノを売り物にした施設であってもその他の施設を充実させてイメージを高め、カジノはあくまでも外国人(中でも特にギャンブル好きで自国にカジノがない中国人富裕層)向けのものと位置づけ、同時に自国民を徹底してカジノから遠ざける戦略を「IR施設シンガポール方式」と呼んでもいいと思います。

         

        これに対してラスベガス・サンズ会長が不満を述べるのは、シンガポール方式を7年続けてきて、一時はラスベガスを超えるほどの売上になったものの、2015年からは一変して売り上げが低迷(2017年は若干持ち直しています)、アジア最大のカジノ天国マカオでも売上大幅減で苦戦を強いられる中、中国人観光客だけをあてにしていたのでは大した収益が期待できないということではないでしょうか(参考HP:http://bakuchi.simousa.com/news59/)。

         

        シンガポールはなにせ人口が少ないですから、観光客のみを対象にカジノを運営という想定でもそれほど影響は大きくありませんが、日本は1億人以上の人口を抱えているわけですから、この市場をみすみす逃したいと思う経営者はいないでしょう。

         

        しかし、写真(マリーナ・ベイ・サンズ・カジノの入口)にもあるように、カジノは「賭場」=ギャンブル場です。

         

        現在でもギャンブル依存による家庭崩壊や犯罪への関与などの悲劇が後を絶たない中、「リゾートのカジノ」というファッショナブルな仮面をかぶった新しいギャンブルによってさらなる被害者が生まれないよう、日本でもカジノ解禁はぜひシンガポール方式で進めてほしいと思います。

        | 後藤百合子 | 日本のこれから | 16:22 | - | - |
        シンガポール地下鉄事故頻発で考える交通システムの今後
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          JUGEMテーマ:ビジネス

           

          シンガポールのMRTが大変なことになっています。

           

          MRTMass Rapid Transit 大量高速輸送)は、マニラについで東南アジアで2番目、1987年にシンガポールに導入された地下鉄(一部区間は地上)システムで、毎日、300万人以上の足となっている、バスに次ぐシンガポール市民の足。シンガポール政府が建設し、運営はバス、タクシーなども経営する株式会社のSMRT社とSBSトランジット社に委託されています。

           

          積極的な移民政策により人口が急増するシンガポールにあって、MRTの果たす役割は重要です。物価と比較して非常に抑えられた運賃や、急ピッチで年々増加する路線と駅数、各駅に空港並みのオブジェなど芸術作品を配置するなど、シンガポールの周到な都市計画の中でも、国策として特に力を入れていることがわかります。

           

          ところが、数年前からこのMRTに異変が起きています。遅延が頻発し、乗客が車内に閉じ込められたリ、通勤時間帯に駅に人があふれて身動きできなくなったりという状況が日常茶飯事になりつつあるのです。そんな中、昨年にはメンテナンス職員が電車に轢かれるという死亡事故も発生。

           

          遅延は最初のうちこそ大きく取り上げられましたが、あまりに数が多いため多少の遅延では最近ではニュースにさえならなくなりました。市民のほうも慣れてきたようで「通勤には2時間余裕をもって」などブラックジョークまで飛び出しています。

           

          これを重くみたシンガポール政府は今月、運営会社の社長以下、経営陣を国会に呼んで運輸大臣が延々と説教する(証人喚問ではなく説教をひたすら聞いているだけ)という前代未聞のパフォーマンスまで行いましたが、その成果といえば、先週15日に発生した駅での電車衝突事故。乗客29人が負傷しましたが、この中にはマレーシア人も含まれており、国際問題に発展しかねない状況です。

           

          事故の原因は現在のところ、フランスの軍需産業大手タレス社が納入している信号システムにあると考えられており、真偽のほどは定かではありませんが、頻発する遅延の原因もタレス社が契約を盾にシステムの内容を公開していないからだというSMRT社員の声を伝えるネット情報もあります。

           

          機を同じくして先週、日本でつくばエクスプレスが、電車が20秒早く発車したことに対して謝罪。欧米同様シンガポールでもニュースで大きく報じられました。度重なる地下鉄遅延や事故に相当なストレスを感じているシンガポール市民が、「やっぱり日本製はいい」と再認識したことは間違いありません。

           

          おりしも、マレーシアの首都クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道の受注会社決定時期が今年末に迫っています。

           

          中国の金にあかせた猛烈な営業活動と採算を度外視した価格の前に、次点の有力候補とされている日本は劣勢に立たされていますが、立て続けに起こるMRT事故から両政府が学んで、ぜひ日本製が採用されてほしいと思います(私の夫は「もし中国が選ばれたら絶対に乗らない」と前々から公言しており、個人的にも日本製を選んでもらわないと困ります)。

           

          いっぽうで、今後の日本経済の行方を考えると決して楽観できないニュースもあります。

           

          ウーバーやシェア自転車などシェアリング・エコノミーがすでに根付いているシンガポールで、来週から電気自動車シェアリングのベータテストが始まることが発表されました。

           

          運営会社BlueSG社は2ドア車80台でテストを開始するとしていますが、年末までには充電ポイントを30か所に設置。3年後の2020年までに電気自動車1,000台、充電ポイントを2,000か所に拡大すると意欲的です。

           

          アジア随一のお金持ち国シンガポールでは、ベンツやBMWなど高級車が街にあふれていますが、高品質で手頃な価格の日本車も根強い人気です。しかし、車はクォーター制で、購入価格は日本の3〜4倍が当たり前。電気自動車のシェアリングが定着すれば、超富裕層はさておき、これまで日本車を購入していた中流層が一気にそちらに流れる可能性も予想されます。

           

          日本の戦後を支えてきた輸送産業は、現在、正念場を迎えていると思います。

          | 後藤百合子 | 日本のこれから | 12:17 | - | - |
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