ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
これから始まるであろう改憲議論に一国民として期待すること。
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    JUGEMテーマ:政治

     

    今年20歳になったシンガポール人の甥っ子が、除隊を目前に控えて11月に予定している2週間の日本旅行に備え、最近メールで頻繁に質問してきます。ディズニーランドではどのくらい予算をみたらいいのかとか、クレジットカードが使えるお店はどのくらいあるかとか、名古屋から京都に行くには新幹線より普通電車のほうがいいかとか、初めての友人たちとの海外旅行に胸躍らせている様子が伝わってきて微笑ましいことこのうえありません。

     

    この甥っ子は子どもの頃から音楽や文学などが好きな内向的なタイプで、2年間のNational Service(フルタイムの徴兵期間)をうまくやり過ごせるか義妹ともども一抹の不安はありましたが、通信関係の部隊に配属されてそれなりに軍隊生活をエンジョイし、顔つきもずいぶんしっかりしてきて大人になったなと感じます。

     

    ■国家予算の2割が国防に割かれるシンガポール

    周知の通り、シンガポールにはおおむね18歳〜20歳の間に男子が2年間の軍隊生活を送る徴兵制度があり、除隊後も通常は30代後半まで予備役があるため、成人男子は例外なく軍人としての義務を果たさなければなりません。

     

    「国を守ること」「国家のために尽くすこと」は国民の義務であり、その教育のためにシンガポール国民は小学校までは国内のインターナショナルスクール等に入学することは許されません。競争につぐ競争の勉強の傍ら、政府系の学校で徹底して国民としての「義務」教育を施されるのです(有事の際の避難訓練などもカリキュラムに含まれます)。

     

    シンガポールでは東京23区内と同程度の国土しかないのに、防衛費が約1.2兆円と日本の約5.2兆の23%程度、国家予算の19%にもなります。日本の国家予算(政府一般会計に地方自治体や社会保障基金などの歳出を加えた歳出)が約200兆円で防衛費割合が3%未満であることを考えると、いかに防衛費の比率が大きいかわかります。

     

    さらに、日本の防衛費の約43.8%が人件費と食費等であるのに対し、シンガポールの場合は2年間の徴兵期間は小遣い銭程度の給料の支給しかなく、除隊後も訓練期間中の給料は雇用している企業も一定割合を負担していることを考えると、日本に比べ人件費負担が大幅に抑えられていることは明白です。

     

    「国防」にどれだけお金がかかるか、シンガポールの制度を見ているとよくわかるのです。

     

    ■改憲には防衛費予算とマンパワーの徹底的議論を。

    衆議院選挙が終わって今日で1週間。

     

    「この国を、守りぬく」をスローガンに圧勝した安倍政権自民党は、筆頭に掲げた「北朝鮮の脅威から国民を守り抜きます」という公約の中で、外交、日米同盟に言及した後「ミサイル対応能力の強化をはじめ、国民保護を最優先に対応し、国民の生命と財産を守り抜きます」と記しています。この公約はイコール国防力強化といってもいいでしょう。

     

    違憲か合憲かを棚上げするとしても、現実に英語では「軍隊」と訳される自衛隊(Self-Defence Forces)が存在し、米国の求めに応じて海外に自衛隊員を派兵可能な日米安保関連法も存在します。国家としてのintegrityを考えれば、将来的に改憲するか、可能性は非常に低いとしても、自衛隊や安保条約の根本的見直しは不可避でしょう。

     

    しかし一方、急速に進行中の少子高齢化による、医療費や年金給付の財源をどうするのか、安倍首相が今回の選挙で棚上げにした世界一の国の借金の返済をどうするのか、具体的に数字をあげて誠実に答えている政党は皆無といっていいと思います。ましてや防衛予算を今後どうするのかもほぼ議論になりませんでした。

     

    のみならず、実際に当面の北朝鮮からの脅威から国を守るためにどれだけのマンパワーが必要なのか、具体的には全国で人手不足の問題が深刻化する中、すでに自衛官の充足率が90%程度にとどまっている状況で、「この国を守りぬく」ためにどれだけの人数の自衛官が必要とされると想定されるのか、そのリソースを国としてどうするつもりなのか、私のような一国民にはまったく見えてきません。

     

    これから国会で本格化するであろう改憲議論の中で、このような問題を国民一人ひとりが考えて選択できる情報を、議論やマスコミ報道を通じて広く公開してほしいと思います。

    | 後藤百合子 | 日本の将来 | 13:40 | - | - |
    おばさんは加計問題に怒ってるのではなく、アベノミクスに失望しているのです。
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      JUGEMテーマ:経済全般

       

      娘の学校が前期休みに入った5月末から、新しいスモールビジネスの立ち上げのために2か月強、日本に滞在していました。

       

      沖縄県の離島。シンガポールでは籠の鳥で、学校ではきゅうきゅうに詰め込み教育を受け、放課後の私立学童保育では宿題の上にさらに用意されたプリントなどの勉強を日頃させられている娘が、地域の人々の温かい目に見守られながら、海でヤドカリを集めたり、そこら中走り回っては虫取り網を振り回してバッタを取ったりする姿を見て、ああ、こんなところで子育てができたら最高だな、と最初は思っていました。

       

      しかし、その最中に加計学園問題がクローズアップされ、先月の都議選では自民党が歴史に残る惨敗。仕事をしながらラジオで国会中継を聴いていても、ますます日本の国としての行方が危ぶまれ、とてもじゃないけど、今の状況では娘を日本に連れてくることなどできないと暗澹たる思いにさせられました。

       

      ■期待してきたアベノミクスの結末は・・・

      2015年の安保法、2017年のテロ防止法など、安倍政権には国民をきちんと納得させることなく強引な政治運営がめだちましたが、それでも私をはじめとする多くの国民は、多少のことには目をつぶっても、世界最悪の少子高齢化で将来が見えないこの国の現状を根底から変えてくれるのなら、と安倍首相と安倍首相が提唱するアベノミクスに期待してきました。

       

      しかし、その結果はといえば、悲惨の一言につきます。

       

      アベノミクスの第一の矢である、未曽有の金融緩和による経済活性化策。先日の黒田総裁の記者会見では、2年で達成するとした2%のインフレ・ターゲットは4年半が経過した現在でも達成できず、達成目標は2019年まで持ち越すとされました。2年でやるといったのに4年半かけてできなかったものがあと2年でできるという根拠はどこにあるのか? 疑問をもたざるをえません。

       

      第二の矢では、政府は国債を乱発、日銀がひたすら買い続けて、今や日本国の大株主は日銀です。長期金利がひとたび上がり始めたら日本国は破産じゃないですか? 民間の推計によると、日銀はユニクロブランドのファーストリテイリングの16%近くの株をもっているそうです。ユニクロは国営企業だったんですか? (その後、ユニクロの株価が大幅に下がっていることがわかりました。もしも日銀の売りにより下がっているとしたら民間投資家はこれで大変な損失を被ったことになります)

       

      そして、私が最も期待していたのが第三の矢です。

       

      安倍首相が繰り返しおっしゃるように「岩盤規制」を取り除き、新しい産業を育成しつつ、再び日本が世界経済をけん引していくことができるような将来に大いに期待したのです。

       

      しかし、家計問題が中心議題となった先日の国会の閉会中審議では、前愛媛県知事の加戸氏が、「黒くても白くても」とか「正面玄関がだめなら通用口から」とか、田舎の支援者集会の場ならいざしらず、とても日本の最高立法府での発言とは信じられないロジックを繰り返し、5年になろうとする現在の安倍政権が、経済を刷新するどころか、従来通りの一部の人たちのなあなあで私たちの税金を使っていることが明らかになってしまいました。

       

      そして焦点の加計学園グループといえば、現在通っていらっしゃる学生さんたちには失礼かもしれませんが、偏差値や国家試験の合格率(学生数に対する)を鑑みるに、とてもこれからの日本の産業をリードする人材を輩出できる学校だとは思えません。

       

      大学の定員割れや、いわゆる「Fラン大学」運営問題が深刻になり、逆にiPS細胞のような地道な基礎研究を行っている研究室の資金不足や人文科学系学部への予算削減が議論される中、これ以上、このような大学の学部を新設してどうするのでしょうか? これがアベノミクスの第三の矢が目指してきたものだったのでしょうか?

       

      ■おばさんは失望しているのです。子どもたちのために、明るい未来像を見せてください。

      低下し続ける安倍政権の支持率ですが、中でも最も支持率が低くなっているのが、40代、50代の女性層だそうです。まさに私と同じ世代。その多くは子供の将来を案じる母親だと思います。

       

      結果も出口も見えない金融緩和や、これから社会に出ていく子どもたちに過大な負担がかかることが火の目を見るより明らかな年金の問題や、日本の産業の中核を担ってきたガソリン自動車の行く手に暗雲が立ち込めていて、それに代わって日本がイニシアティブを握ることのできる有望な産業が生まれていないことなどなど、日本の将来は難問が山積みです。

       

      それでも、母親は子どもたちが明るい未来を信じて毎日生きがいをもって働けるようになってほしいと、自分の洋服代や化粧品代を削っても子どもの教育に惜しみなくお金を使います。そのお金が加計学園のような大学の利益になっていくのだとしたら、いったい何のための教育でしょうか?

       

      ずっと期待してきたアベノミクスの馬脚が露呈してしまった今だからこそ、安倍首相でもそれ以外の方でも、ここでいったんこれまでの政策をきちんと検証し、反省すべきところを反省し、きちんとPDCAを回してもう一度原点に戻ってこの国の今後の在り方を考えてほしい。母親たちが何の心配もなく、安心して子どもを社会に送り出せるようにしてほしい。

       

      おばさんは、子どもたちのために、この国の明るい未来像を見せてもらいたいのです。

      | 後藤百合子 | 日本の将来 | 16:35 | - | - |
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