ASIAN NOMAD LIFE

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タックスヘイブンに巣くう魔物
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    週明けの本日、日経ビジネスのスクープでLIXILグループがMBOを行って日本の株式市場から撤退、その上でシンガポール証券市場に上場を検討中と報道されました。この騒動でLIXIL株の取引きは一時停止に。LIXIL側は報道をいったん否定しましたが、さまざまな情報をみていると火のないところに煙は立たないと考えたほうがよさそうです。

     

    売上高が2兆円に迫るというLIXILグループは、昨年末にプロ経営者の社長解任で話題になりましたが、この記事によるとその前年の9月から、創業者の息子で現CEOの潮田洋一郎会長がシンガポールに持ち株会社を設立し、海外企業の買収を進めるという計画を進めていたようです。瀬戸前社長はこの方針に異を唱えたために解任されたとのこと。

     

    仰天計画の中核は本社のシンガポール移転である。これは潮田の悲願で、5年ほど前、野村証券にスキーム作りを依頼した。その野村が「本社を移す場合、どうしても移転価格税制がネックになる」と結論付けると、今度はM&AアドバイザリーファームのGCAを雇って、実現可能性を探った。

    関係者によるとGCAはこんなスキームを提案した。まずLIXILグループをMBOで非上場化する。次にシンガポールで買収する企業と合併させ、合併会社をシンガポールで上場させる。 https://facta.co.jp/article/201812002.html

     

    日経ビジネスによると、潮田会長はすでにシンガポールに移住済。

     

    着々と計画が実行に移されているのではと想像しますが、直近の決算ではLIXILの売上の75%は日本国内に依存しているそうで、その中での日本株式市場での上場廃止と、商売的にはほとんど関連のないシンガポール(シンガポールではLIXIL製のサッシやトイレには滅多にお目にかかりません)での上場というのは素人目にみてもかなり無理があると思います。

     

    シンガポール移転の最大のメリットはタックスヘイブンと呼ばれる低率の法人税や所得税、キャピタルゲイン課税や相続税がないところでしょうが、実際にこの国を拠点に国際的なビジネスを展開するのは容易なことではありません。昨日のブログ記事でもご紹介しましたが、シンガポール政府の強力なバックアップを受けたスターカンパニーでさえ、いとも簡単に経営破たんしてしまうのが現実のビジネスの世界なのです。


    また、海外に本社を移した日本企業といえば、1997年に経営破たんした静岡出身のスーパー、ヤオハンが思い浮かびます。ヤオハンは私の子供時代、地元では唯一のショッピングセンターでしたので非常に思い入れがありました。地方の中堅スーパーに過ぎなかったヤオハンが香港をはじめ、東南アジア各国に展開、さらにはアメリカやカナダにまで進出して規模を拡大していく勢いには瞠目したものです。

     

    そして香港へのグループ本社移転。日本のマスコミがこぞってこの決断をもちあげ、NHKでも大きく報道されました。

     

    しかし、まだ消費市場が成熟する前の中国に過大な投資を続けて資金繰りに行き詰まった際には、「外国企業」となったヤオハンに日本の金融機関からの救いの手は差し伸べられませんでした。たまたまこの時私は香港にいてヤオハン香港にある商品を卸していたのですが、売掛金回収のために事務所に行くと、同じような取り立て業者が受付にあふれており、経理担当の女性が困惑した顔で「(日本人の)上司がいないので支払いがいつになるかわからない」と繰り返し説明する姿が今でも記憶に焼き付いています。

     

    もちろん香港やシンガポールに商機がないわけではありません。

     

    しかし、低税率の恩恵はあくまでも本業で利益が上がってから享受できるものであり、タックスヘイブンのメリットを追い求めて重大な本社機能を海外に移すのは本末転倒ではないかと思います。

     

    潮田会長の真意がどのようなものか私には図りかねますが、きらびやかな国際都市タックスヘイブンに巣くう魔物に魅入られ、商売の基本中の基本である泥臭い日常業務を忘れたときに、破滅への一歩を踏み出すことになるのではないのでしょうか。

    | Yuriko Goto | 国際社会 | 19:36 | - | - |
    高齢化社会の星、マハティール次期首相(もうすぐ93歳)の健康の秘密は小食と生涯現役でいること。
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      JUGEMテーマ:経営のヒントとなるニュースを読み解く

       

      マハティール元首相が率いるマレーシア野党連合が、昨日行われた総選挙で勝利しました。

       

      マハティール元首相は1925年7月10日生まれなので、ちょうどあと2か月で93歳。1981年から22年間首相を務めて「Look East」政策下、日本に倣って経済政策を進めマレーシアを近代国家にした人物であり、80年代90年代を通じてマレーシアの顔だった人物です。親日家としても有名であり、三菱自動車と組んで国民車「プロトン」を立ち上げたのもマハティール元首相でした。

       

      2003年には禅譲により首相の座を降りますが、その後も活発に発言。汚職疑惑が絶えないナジブ現首相を痛烈に批判し続けて今回の選挙には高齢を押しての出馬。選挙期間中は現政権の嫌がらせを受けたり暗殺計画の噂も流れましたが、与党政権から過半数の議席を奪取する結果に終わりました。

       

      それにしても92歳といえば、たいていの人は政治活動どころか自分自身の生活をまかなうことすら覚束ない年齢です。その中で熾烈な選挙戦を勝ち抜いて激務の首相職復帰へ。並みの人間のできることではありません。マハティール元首相の活力の源泉はどこにあるのでしょうか?

       

      昨年のこのインタビューによると、マハティール元首相は自分自身の健康の秘密について、心臓病や肺炎を患ったこともあり100%健康ではないと前置きしながらも、「煙草を吸わない、お酒を飲まない、食べ過ぎない」生活をしていると話しています。過去30年間体重はほとんど変わっておらず、30年前の服が着られるとのこと。

       

      また首相を引退しても人に会って話をすることはずっと続けており、「完全リタイア」という状態からはほど遠い生活をしていることを語っています。

       

      こちらの記事は今年になり、選挙への出馬が報道されてからのものですが、ここでもやはり非常に細い食と寸暇を惜しんで選挙民に会う生活が紹介されています。実際にマハティール元首相と会ったことがある知人に聞いたことがありますが、非常に気さくで温かい人柄で、会った人は魅了されるといいます。

       

      いずれにせよ世界的に高齢化が進む社会の中、92歳で一国の首相に再登板という事実は快挙には違いありません。

       

      マハティール、もうすぐマレーシア首相、もうすぐ93歳。今後の活躍に期待します。

      | Yuriko Goto | 国際社会 | 09:00 | - | - |
      メートル法を使わない世界唯一の国、アメリカ
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        JUGEMテーマ:国際社会

        本日4月11日は「メートル法公布記念日」だそうです。

         

        私たちが普段使っているmやcmという単位は日本では1921年から使われることになり、kgやmlというような重量や容積を測る単位もすべて10進法に統一されました。

         

        日本ではこのように100年近く前からメートル法になっていたので違和感はありませんが、メートル法が確立されたのがフランスだったためか、イギリスとイギリス植民地では長らくヤード/ポンドが用いられてきました。

         

        そのため現在でも、香港やシンガポール、インドなどの旧イギリス植民地では不動産の面積を表わすのは平方フィートが一般的。価格も1平方フィートあたりいくら、となっているのでメートル法に慣れた私の頭にはなかなか入ってきません。

         

        ただし平方フィートを除けば、その他の単位はメートルであったりリットルであったりグラムであったりとメートル法の単位を日常的に使っており特別困ることはありません。特に香港では1997年の中国返還直前に「Use Metrit(メートル法を使おう)」キャンペーンを大々的に行ったため、ヤードやポンドなどの単位がほぼ根絶されました(業界によってはダースやグロスなどの単位がまだ残っているとこともあります)。

         

        問題はアメリカ。

         

        国際標準のメートル法などまったくおかまいなしで、すべてが旧世界の単位です。

         

        長さはヤードやインチにフィート、距離はマイル、ガソリンはガロン、重量はポンドにオンス、極めつけは温度の華氏。しかもハーフ(1/2)だのクォーター(1/4)だの10進法とはまるで関係ない端数の数え方をするので、さらにややこしい話に。共通する単位といえば12&60進法の時間くらいです。

         

        Wikiによると現在でもヤード/ポンドなどという単位を使っているのはアメリカと長らく鎖国していたミャンマーくらいだそうですが、ミャンマーもメートル法への移行を表明しているといいます。

         

        世界の国々が協力して国際標準のメートル法を使おうと努力してきたのに対し、アメリカという国だけはどこ吹く風。他の国と協調して変える努力をしようという気はまったくないようです。

         

        日本は戦後一貫してアメリカの影響下にあったためアメリカは日本人にとって一番身近な外国であり続けてきましたが、メートル法をまったく意に介さない姿勢をみても、アメリカという国は国際社会の中にあって非常に特殊な国だということを認識しておいたほうがいいと思います。

        | Yuriko Goto | 国際社会 | 18:45 | - | - |
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