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積み立て型外貨建て生命保険は本当に危険なのか?
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    先月末のダイヤモンド・オンラインに「金融庁で生保への「嫌悪感」高まる、外貨建て・節税保険めぐる攻防で」という記事が掲載されていました。

     

     記事の骨子は、一部の生保会社や銀行などで販売されている貯蓄性保険について金融庁が不快感をもっており、投信なみの商品説明や自主的な販売停止を求めている、という内容です。

     

    国による前代未聞の低金利政策で存亡の危機に立たされている生保や銀行は必死の抵抗をしているようですが、ネット上の記事を拾い読みしても、どうもこの「積み立て型外貨建て生命保険」の評判はよろしくないようで、引き出したいのに円高で含み損を抱えてしまうケースや、手数料や管理費が高すぎて実際に手元に入る金額が少なくなってしまったケースを紹介するなど、恐怖を煽るようなものが目立ちました。

     

    しかし、アメリカをはじめとして積み立て型生命保険はリタイア準備の資産形成の一つとして根強い人気をもっていますし、シンガポールでも銀行から真っ先に薦められる商品の一つ。アセット・アロケーションでは1/3程度を目安にするのが一般的なようです。 

     

     私自身もセミリタイア後に口座を作ったDBS銀行でまず勧められて購入したのが、USドル建ての積み立て型保険でした(シンガポールドル建てですが夫もやはり積み立て型生命保険にかなり以前から入っています)。

     

     

    シンガポールに住んでいるんだからUSドルでも大丈夫だろう、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、事情はちょっと違います。シンガポールドルの為替変動はユーロの動きに近いため、日本円と同じく対USドルの価値は変動します。調べてみたところ、この10年だけでも最大で23%近くの変動がありました。

     

    それでもなぜUSドル(外貨建て)の積み立て型生命保険を買うのか?

     

    最大の理由は、リターンが大きいからです。

     

    レバレッジをかけているせいもありますが、銀行からもらった非公式の目論見書によると、私が買った生命保険は20年、73歳まで解約せずにおいておくと年利約6.9%になる予定です。日本ほどではないにせよ同じく低金利のシンガポールドルでは逆立ちしてもこのような高利回りは期待できません。

     

    もう一つの理由は、資産をシンガポールドルだけでもつのは危険、という感覚があるからです。

     

    私たち夫婦の資産のかなりの部分を占めているのは現在住んでいるマンションですが、これはシンガポールにあるため、いざという時に売ってもその対価はシンガポールドルです。

     

    万が一、戦争や疫病などの発生によりシンガポールドルが大暴落し、国外脱出を考えなくてはいけないような場合、マンションを売っても手元には紙屑のようなシンガポールドルしか残りません。こういう有事の際には、生命保険を解約してUSドルを入手すればいいわけです。

     

    また、為替変動があって含み損が出ることがあるといっても、変動があるということは含み益がある時期もまたあるということです。私は1994年の後半、記録的な円高を背景に香港に留学しましたが、そのわずか3年後の暮れにはアジア通貨危機をきっかけに30%を超える円安になり、手持ちの香港ドルを日本円に換金したらそこそこの利益がでました(当時香港ドルはUSドルにペッグしていました)。

     

    日本円とドルにしても、私が為替相場に注意を払うようになってからだけで、少なくとも4回以上の大幅な円安や円高の時期がありました。すぐに使う予定がなければ解約してUSドルを入手しても換金せずにそのまま持っておき、為替レートが良くなったときに日本円なり、シンガポールドルなりに換金すればいいのです。

     

    もちろん、解約しないで置いておいたまま死んでしまったら、夫や娘に死亡保険金が払われますし、解約した後為替レートがまったく好転せず、死ぬまでUSドルのままで換金できなかったら、子供にそのまま相続させればいいでしょう。シンガポールは相続税がありませんが、日本ではそこそこ節税できるはずです。

     

    リタイア後の最大の不安は、自分が想定以上に長生きしてしまうリスクだと思います。私は積み立て型外貨建て生命保険は、そのためのリスクヘッジと位置づけています。

     

    リタイア後すぐの当座生活資金として考えたら危険かもしれませんが、長いスパンで為替のリスクヘッジをしながら高利回りで運用できる金融商品と考えたら、これはかなり魅力的な商品ではないでしょうか?

     

    法外な手数料を運用益の中からむしり取るような商品は問題外として、為替リスクや金利知識が十分にある営業マンが、消費者にリスクもアドバンテージもわかり易く説明した上で購入を勧めるのであれば、積み立て型外貨建て生命保険はリタイア後の資産形成の一つとしてたいへん有益な商品であると私は思います。

     

    金融庁も一方的に締め付けを強めるだけでなく、消費者が幅広い選択肢の中から自分のライフプランに合わせた良質な商品を正しく選べる環境を整備するほうに注力したほうが良いのではないでしょうか?

    | Yuriko Goto | リタイア後の資産形成 | 13:39 | - | - |
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