一定期間更新がないため広告を表示しています
ASIAN NOMAD LIFE2017.11.07 Tuesday
人と機械が要らなくなる、アプリ化する社会。
JUGEMテーマ:ビジネス
■ファストリが全商品に採用でわかったICタグの低価格化 ユニクロを展開するファーストリテイリングが、1年以内をめどに全商品にICタグをつける計画を発表しました。
アパレル業界では数年前からICタグが徐々に導入されてきてはいたのですが、満を持してファストリが採用に至ったことで、アパレルにとどまらず全小売業界にICタグ化の流れが押し寄せてくることになりそうな予感がします。
ICタグはタグに識別情報をもたせるという意味ではバーコードのようなものですが、違うのは離れた場所からでも複数を同時に読み取ることができ、上書きも可能なこと。また、情報量が格段に大きいことも特徴です。
ICタグの唯一のデメリットは価格が高いことでしたが、昨年、あるアパレル業界の方に聞いたところでは、最高品質の富士通製で10円程度まで下がったということでした。それから1年。印刷業をはじめその他の業種の会社が続々と参入、設備投資をし、現在ではおそらく5円前後、もしくはそれを下回る価格まで到達できているのではないでしょうか。
■小売店の人手不足には朗報、フリーターとハードメーカーには悲報 ICタグの最大のメリットは店舗の人員削減です。
以前、ユニクロがブラック企業だと騒がれた原因の一つは閉店後の棚卸と発注作業でしたが、ICタグが導入されればこの作業をほとんど自動化できます。さらに、消費者のスマホアプリと連動させて、在庫情報はもちろん、ICタグから着こなし提案などの情報も入手できますので、接客でも人員削減が期待できます。そして、消費者が購入する際のレジ作業も自動化できるのです。
この計画が本格的に実施されれば、恐らく店舗レイアウトもかなり変わってくるでしょう。
店内には実際に手に取って確かめてみるサンプルと着こなし提案用のディスプレイ。購入を決めたら購入ボタンを押してカウンターに行くと、バックヤードから自動で商品が送られてくる。現在のようにいろいろなサイズの在庫を山のように積み上げたり、スタッフが商品をたたみ直したりする手間がなくなりますし、スマホで総額を確認してから商品を袋に入れて店を出ればレジも不要。料金は自動的にクレジットカードに課金。極端にいえば無人でも店舗運営が可能です。
影響はアパレル業界にとどまりません。昨年私がICタグの話を聞いたときには、各メーカーがどうやっておでんにICタグをつけるか真剣に議論しているということでした。次に採用が広がるのは、やはりマンパワー問題が深刻なコンビニやスーパーでしょう。おでんは当分無理かもしれませんが、日用品や菓子などでしたら簡単につけられますので、残る問題は価格だけ。しかし、採用企業が増えて裾野が広がり、参入メーカーが増えれば増えるほど価格が下がってくるのは世の常です。
逆に言えば、フリーターやパートなど、小売店で働いてきた人たちの職は漸減していきます。これまで採用難であえいでいた小売店のスタッフ職が、一転して狭き門になる可能性が高くなるのです。
もう一つ、見逃してはならないのはキャッシュレジスターやPOSシステムなど、従来、各小売店に設置されてきたハード機器が大幅に見直されるということです。在庫情報が本部で一括管理されれば、各小売店で入力や発注作業を行う必要がなくなりますし、レジ回りの機器も不要になります。店舗関係のシステム機器メーカーにとっては死活問題です。
■シンガポールのパーキングシステムもアプリ化 ICタグではありませんが、すでに人やハードが要らなくなる、という現実が、シンガポールでも起こり始めました。
政府が所有する駐車場はこれまで多くがクーポン式で、コンビニなどで買った30分と1時間の紙のクーポンに自分で日付と時間のパンチ穴を開けてフロントガラスに見えるように置いておき、クーポンを置いていない車がないか、クーポンの時間が超過していないか、専門の監視員が見回るというかなりアナクロなシステムでした。
ところが最近、スマホアプリをダウンロードする方式を導入。駐車場に入るとアプリを起動してグーグルマップで今いる駐車場を選び、時間を指定して起動。超過するとスマホにアプリが通知をしてくれるので時間延長ができ、予定より早く出庫する場合は解除通知をすると、余った時間分は課金されません。
まだすべての駐車場に監視カメラがついているわけではありませんので監視員がいなくなったわけではありませんが、この職業が無くなるのは単に時間の問題です。
また、一部の駐車場ではすでに入出庫時に課金する装置がついていますが、これもアプリとカメラが普及すれば更新する必要はなくなるでしょう。店舗同様、パーキングシステムの機器メーカーも新規受注の機会が失われます。
■思ったより早く到来しそうなAI社会 スマホが出現してまだ10年ほど。このところ、AI化によって将来なくなる職業、といった特集がいろいろなメディアで取り上げられてきましたが、ICタグの本格導入や、アプリの普及、中国の国を挙げてのキャッシュレス化もあっという間に進行した経緯をみるにつけ、大方の予想よりずっと早くAI社会化の流れが加速化しそうな気がしてなりません。 |
+ PR
+ SELECTED ENTRIES
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
+ PROFILE
|
(C) 2024 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.
|
PAGE TOP |