ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
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「出戻り」転職のススメ
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    ■転職したい気持ちは止められない。
    6年ほど前に自主退職した社員から「戻って働きたい」と連絡があり、再入社が決まりました。我が社は社員、パート社員など全員合わせても30名程度の小企業ですが、この社員を入れて再入社の社員が3名になり、約1割がいったん会社を辞めて「出戻った」ことになります。そのうち1人は2年前に定年を迎えましたが、継続雇用で元気に働いてくれており、私も「あなたは大切な社員。きつくなったらフルタイムでなくてもいいから、とにかく体が動かなくなるまでうちで働いてほしい」と声をかけています。
     
    私はこれまでリストラを実施したことはなく、また「どんなに経営が苦しくても絶対にリストラはしない」と公言していますが、残念ながらそれでも毎年、数人の自主退職者が出ます。パート社員の場合は介護や子供の問題など家庭の事情が多くやむを得ないケースもあります。しかし、20代では「自分の居場所はここではないかもしれない」「もっと違う会社で自分の能力を活かせるのでは」と考えて自主退職する人が大半です。特に新卒で就職した場合は2〜3年して仕事に慣れてくると、「もっと他の世界もみてみたい」という欲求がむくむくと頭をもたげてくるようです。
     
    私自身も若いときには転職を経験したことがありますので、20代の社員が「辞めたい」と言うとき、無理に引き止めません。彼らの気持ちがよくわかるからです(ただし入社3年未満の場合は「石の上にも3年」でとにかく3年は頑張りなさい、と叱咤激励します)。経営者として大切に育ててきた得難い人材を失うのはつらいです。しかし、社員が自分の可能性を信じ、未知の世界に飛びこんでいきたいと思う気持ちを、いくら経営者だからといって無理やり抑えつけることは違うと考えるのです。
     
    ■「次の転職」を考える際に入れたい「元の会社に再就職」の選択肢
    ただ、だからといって次から次へと転職をすればいい、と薦める気持ちは毛頭ありません。以前の記事にも書きましたが、一、二度転職を経験するのはよいとしても、何度も短期間で転職を繰り返す人になってしまうと今度はいろいろな弊害が生じてきます。
     
    そこで選択肢の一つとして考えたいのが「出戻り」転職です。新天地を求めて転職をしたけれど、どうも自分の求めていたものと違う、と感じたら、新たな会社を探す前にまず、以前の会社に再就職することを検討してみたらどうでしょうか?
     
    ■「出戻り」転職のメリットはこんなにある。
    「出戻り」転職のメリットは、たくさんあります。
     
    ・仕事の内容をよくわかっているので、新しい仕事をゼロから覚えるより楽。
    ・以前働いていた経験があるので、経験がない人より給料など待遇が有利になる場合が多い。
    ・職場の人間関係を把握しているので、人間関係を新たに構築するストレスがない。
     
    逆に、職場の人間関係がもとで辞めた人は、違う部署に変えてもらえるか事前に聞き希望をききいれてもらうことも可能でしょう。在職時は難しかったとしても数年たって別の部門で空きが出ているかもしれませんし、人事担当も在職中の社員を異動させるより、新たに雇い入れた人を希望の部署に配属するほうがずっと容易なのです。
     
    ■会社にとっても「出戻り」社員は大歓迎。
    もちろん会社にとっても「出戻り」社員を採用するメリットは計り知れません。
     
    会社を離れていた数年間で多少仕事内容は変わっているかもしれませんが、何もわからない新人を雇ってゼロから教えることを考えたら、出戻り社員は即戦力になり、教育コストを抑えられます。また、本人の性格をみなよくわかっているので、人間関係の摩擦が起きる可能性が低くなります。
     
    しかし最大のメリットは、一度は辞めた会社に戻ってきてくれた、と、経営者だけでなく同僚社員の気持ちが出戻り社員を温かく迎え入れる方向に向き、社内のチームワークが強化されることです。ずっと職場に残っている社員たちは「外の世界をみてきたけれど、やっぱりうちの会社が一番いいと思ったから戻ってきてくれたんだな」と感じますし、戻った本人も「今度こそは長く勤めよう」と決意も新たに仕事に励んでくれるのです。
     
    ■辞めた社員とよい関係を維持するために
    完璧な人間がいないように、世の中には完璧な会社などありません。どんな会社も長所や短所をもっています。しかし、それを経営者も社員も互いに認め、長所を伸ばして短所をできるだけ少なくするよう努力していくことが、よい会社を作っていくためには必要です。
     
    その意味で、別の会社で経験を積み、新しい知識や方法を学んできてくれた「出戻り社員」は会社にとって得難い人材です。また、我が社では出戻り社員に限らず、退職した社員にも外注で仕事をお願いしたり、逆に退職した社員が新たに就職した会社から仕事を依頼されたりするケースもあります。このように、社員が辞めることは決してマイナスだけでなく、プラスの面もあるのです。ですから、我が社では私も社員も、ときどき辞めた社員と連絡を取り合って情報交換をしています。
     
    ■会社をきちんと辞めれば「出戻り」就職も容易に
    中小企業では「出戻り」就職はそう珍しいことではないと思いますが、私の友人の中には一度大企業を辞めて転職し、数年後に出戻って再就職した、という人もいます。「出戻り社員」に対する抵抗が一般的に少ないのは事実ですので、「辞めた会社に連絡して求人がないか聞くのはずうずうしいと思われるかも・・・」と躊躇する必要はまったくありません。また、その時は募集がなかったとしても、人事担当者に伝えておけば、空きができたときにきっと真っ先に連絡をくれるでしょう。
     
    ただ、気をつけたいのは、いい辞め方をしないとその会社と再度よい関係を築くことは難しい、という点です。就業規則に則ってきちんと引継ぎをし、同僚から「次の職場でもがんばってね!」と温かい励ましを受けて辞めた人ならば、「再就職したいけれど空きはありますか?」と元の会社に電話をかけることに心理的な抵抗は少ないでしょう。しかし、そうでない場合は、「あの人の顔は二度と見たくない」と元同僚たちから思われている可能性もなくはありません。
     
    社会人として最低のルールですので言わずもがなですが、退職の際は大人らしくきちんと残務処理や引継ぎをしてから退職することが、もしもの時に「出戻り転職」も選択肢の一つに入れられる最低条件です。
     
    | 後藤百合子 | 転職 | 16:20 | - | - |
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