ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
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日本年金機構のシステムは根本的に欠陥があるのでは?
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    日本年金機構の個人情報流出が大きな問題になっています。
     
    2007年に発覚した「消えた年金記録」問題に加え、今回は流出した125万件のうち約55万件はパスワードをかけていなかったとのこと。あまりにも杜撰な管理体制に非難が集中していますが、そもそも年金機構のシステムがまったく機能していないことは、私の個人的な経験からよくわかっていました。以下、それをご紹介したいと思います。
     
    ■外国人からぼったくりの年金
    私の夫は結婚を機に2001年に来日。シンガポールに帰国するまでの約8年間、日本でサラリーマン生活をし、厚生年金を払い続けました。年金記録によると、雇用者分と合算して合計500万円以上を納付しています。
     
    帰国後の2010年になってから、夫は「脱退一時金」を申請しました。これは年金を支払っていた外国人が帰国した場合、それまで払っていた年金の一部が還付される制度で、当時は最高で125万円程度でした(現在は最高280,620円)。この制度があることを知り、HPから必要書式をダウンロードし、日本年金機構に必要書類を郵送しました。
     
    待つこと半年以上。20112月になってやっと年金機構から返信が来ました。それによると、脱退一時金は不支給。理由は、永住許可をもち、年金を支払った期間と年金受給年齢(65歳)までの合算が300か月を超える場合は、支払わないとのことです。要するに、日本で数年以上暮らして永住許可を取得し、40歳以下で年金を払い始めればこの期間に合致しますので、一時脱退金はもらえないということ。これでは、制度自体がないも同じです。
     
    (数年以上日本に居住している外国人は煩雑なビザ更新手続きを避けるため永住許可申請をすることが多いのですが、全員が日本に定住するとは限りませんし、一定期間再入国許可の更新をしないと永住許可そのものが失効しますので、永住許可を盾にとった年金合算期間は不合理です)
     
    このため、私が夫に代わり電話をかけて抗議したところ、65歳になったら年金を支給するのだからと言われましたが、実際に受給申請する場合は、最終の居住地の年金事務所にでむき、必要書類を提出しなければいけません。書類はすべて日本語なので、私が代行しなかったら夫は自分で作成できませんし、年金の海外送金もしないと聞きました。日本人の配偶者がいる夫のような立場の外国人ならまだしも、一時大挙して南米から出稼ぎに来てリーマンショック前の日本経済を支えてくれていた外国人の方々など、わざわざ数十万円もする飛行機代を支払って再来日し、年金事務所に行って日本語で手続きし、居住もしていないのに年金用に銀行口座を開いて自分で海外口座に送金するなど、あまりにも非現実的です(私が知る限り、日本に住所がなければ銀行口座は開設できません)。
     
    要するに外国人のための年金脱退一時金給付とは、選挙権もなく、日本語が不自由な外国人から取れるだけ取って、最初からほぼ外国人には年金を払うつもりがない、ぼったくり制度だったのです。
     
    ■日本にいないのに国民年金督促状が来続ける。
    しかし、問題はこれで終わりませんでした。
     
    脱退一時金不支給決定通知書の日付は2011215日。厚生労働大臣の判子つきで、基礎年金番号、受付番号もしっかりと記載されています。この文書が交付された時点で、日本年金機構は夫が日本国内にいないことを当然、知っています。
     
    ところが、国民年金の督促通知が毎月、数か所から、夫が住民登録をしていた私の実家に届くのです。基礎年金番号をキーにした個人年金データはあるのですから、すでに日本に居住していない(=年金支払いの義務がない)ことがわかっているのであればその事実が入力されているはずです。しかし、督促通知が届くということは、夫が日本に居住しているという前提です。
     
    最初は何かのミスかと思い、督促状に書かれているねんきん専用ダイヤルや、年金事務所の電話番号に電話をかけ、すでに帰国していることを説明して督促状を送らないようお願いしていましたが、さすがに5回以上説明しても何も改善されなかったため馬鹿らしくなり、電話をかけるのをやめました。
     
    督促状は3年以上来続け、最後には「払わないのなら財産を差し押さえする」という脅迫状のような督促状まで届くようになりました。その後、しばらく来なくなったなと思ったらつい最近、今度は「マイナンバーによるサービスが始まるので、住民票の住所をお知らせください」という通知が来ました。記入しろと同封されていた「住民票住所申出書」には、夫の基礎年金番号がしっかり記入されていました。
     
    ■基礎年金番号で情報を管理できないのなら、マイナンバーを導入してもムダ。
    この経験からわかったのは、日本年金機構の基礎年金番号が、個人情報のキーとしてまったく機能していないということです。年金機構本体だけでなく、各地の年金事務所や、アウトソーシングしている年金ダイヤルでも、加入者情報をどう管理しているのか、まったくもって謎です。
     
    これでは、基礎年金番号に加え、来年から始まるマイナンバーを付け加えても、システムの効率が上がるどころか、逆に、基礎年金番号とマイナンバーが一致せず、さらなる混乱が起こる可能性も十分あります。
     
    今回の情報流出は、職員が外部とのやり取りをするPCにウィルスメールが送られてきたことが原因だそうですが、通常の会社では、基幹業務システムと、それ以外の一般業務システムのセキュリティを分けて管理することは常識ですし、それすら管理されていないとすれば、現在の年金機構のシステムには大きな欠陥があると言わざるをえません。
     
    日本からとっくにいなくなっている外国人に延々と督促状を送り続けるムダ、膨大な人件費を払って年金ダイヤルを設置し対応させても何度も同じ内容の電話を受けるムダに加え、今度は大混乱を引き起こすかもしれないマイナンバーを、現在あるデータに一つ一つ手作業で加えていく作業が加わります。これらのコストはすべて、私たちが毎月払ってきた年金の中から出されているのです。
     
    ただでさえ自分の足を食いつぶしながら生きながらえている日本の年金に、これ以上ムダな経費をかけさせないよう、根本的なシステムの見直しが喫緊の要件です。
     
    | 後藤百合子 | 日本社会 | 16:10 | - | - |
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