ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住7年目。
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キャッシュフロー重視は持家派、自己資本重視は賃借派。
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    ブロガー、イケダハヤトさんの昨日のブログ「35年ローン」とか意味不明すぎて笑えるwwwが、ご本人が「戦う」と宣言した通り話題になっています。高知に移住して情報発信を続けるイケダさんのブログ記事には、私が13年間の都会暮らしをやめて静岡にUターンして思ったことと多々共通するところがあるためいつも興味深く読んでいますが、今回は長期ローンを組んでの持家購入を徹底的に批判しているので、実際に住宅を買って住宅ローンを支払っていらっしゃるだろう方々からの多くの反論が寄せられているようです。

    ツィッターで反論されている方々のご意見を読むと、昨年大幅に減税額が上がった住宅ローン減税による10年間の減税メリットを強調されている方が多いようです。この制度について詳しく知らなかったためネットで調べてみたところ、国土交通省のHPに非常にわかりやすい説明が載っていました。このモデルケースですと、団体信用生命保険の掛け金を差し引いても、おおまかに10年間で250万円の節税ができるようですので、月々2万円超の節税になります。ボーナス込で1か月の手取り平均が48万円程度とすると、節税効果は5%となり、確かに大きい金額だと思います。

    気になったのは、このモデルケースで10年たっても最初に借りた4208万円のうち835万円しか返済しておらず、残高が3373万円もあること。35年ローンなので当然といえば当然なのですが、仮に35歳でローンを組んで返済を始めたとして10年経つ頃には45歳。子供の進学費用の貯蓄をそろそろ考えると同時に、自分の仕事の将来も見えてくる年齢です。11年目から繰り上げ返済を開始したとしても、さすがにこれだけの負債を抱えているとなると、精神的なプレッシャーは相当のものではないかと思います。夫婦2馬力で働いているならまだしも、このケースのように夫1人が収入源である場合はことさらでしょう。(実際、私の友人の中には、このくらいの年齢で親に援助してもらいかなりの金額を繰り上げ返済した、という人たちもいます)

    私自身は住宅ローンを組んだことはありませんが、30代半ばで経営者になり、当時会社が借り入れていた負債の保証人になりました。当初はそれほど悪くなかったのですが、その後急激に会社の業績が悪化する中、数億円の負債を死ぬ思いで返済しました。現在は会社も無借金となり、自己資本比率は90%以上をキープしていますが、当時味わった「いま会社が倒産したらこの借金を一生かかって返済しなければならない」という恐怖は忘れられません。ですので、これからも一生借金はしたくないと思っていますし、自分の家もずっと賃貸でこつこつ貯金し、40代後半になって初めてキャッシュで中古マンションを買いました。

    いっぽう、同じ経営者仲間には借入がとても好きな方々もいます。銀行には「専用当座貸越」という融資制度があるのですが、これは、最初に審査を通っていればいつでも好きなときに借り入れを起こすことができるもので、この枠をいくつももっている会社があります。また、これ以外にも「証書貸付」といいい、月々の返済は必要ですが、返済し終わると特に資金需要がなくてもまた継続して借り入れを起こす方も少なくありません。こういう経営者の方々が一様におっしゃるのは、「万が一何かあったときに銀行はすぐにお金を貸してくれない。だから多少の金利負担はあっても、日頃からキャッシュを潤沢にもっているほうが安心」という言葉です。いわゆる「キャッシュフロー重視経営」で、自己資金かそうでないかにかかわらず、手元にキャッシュが潤沢にあるほうがいいという考え方です。

    このような方からすると、私がとっている自己資本比率をひたすら高める経営方針は「投資金額に対してリターンが少なすぎるからNG」となります。実際、同じ利益率であれば、企業の収益率の指標であるROE(株主資本利益率)は借金が多ければ多いほど高くなります。これは投下した資本がどれだけ利益を生んでいるかを見るものですから、自己資本は小さく、借入が多くなればなるほど高くなるのです。借入が多い会社では、ROA(総資本利益率)の数字は低くてもROEの数字が大きくなります。逆に、我が社のような無借金経営を続けているとROAとROEの数字がほぼ同じになり、上場企業では「株主資本を有効に活用して利益を出していない」とマイナス評価されかねません。持家派が「節税効果があるにもかかわらず、もっている資本を資産となる持家に投資せず、収入を有効に使っていない」と賃借派を批判するのはこれと似ているように思います。

    このように、持家と賃借どちらがいいかは、キャッシュフロー重視か自己資本重視かと同じく、やはり個々の考え方の違いに尽きると思います。ただ一つ確実に言えるのは、持家の場合、あくまでも「投資」という考え方に基づき、イケダさんが指摘しているような想定外のことが起こったときに換金しやすい=売りやすい家を持つことを重視したほうがよいのではないかと思います。
    | 後藤百合子 | 家計管理 | 22:28 | - | - |
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