ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
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社長の住む街トレンドに見る、地方と都心二極化の未来。
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    ■高級住宅地から都心への回帰が鮮明に
    821日付の日経新聞電子版「田園調布→赤坂社長の住む街、都心シフトのワケ」という記事を興味深く読みました。
     
    東京商工リサーチが行った調査に基づき、2003年と2014年を比較して全国の市町村で社長が住んでいる街のランキングを掲載。これによると、田園調布(大田区 20031位→201418位)、成城(世田谷区 1位→13位)、奥沢(世田谷区 7位→15位)など、いわゆる東京の高級住宅地が大きく順位を落とし、代わりに赤坂(港区 20位→1位)、代々木(渋谷区 16位→2位)、西新宿(新宿区 100位圏外→3位)など、都心の、これまでなら住宅地というよりはオフィス街だった地域が上位に躍進しています。
     
    ■職住接近のメリットにいち早く気がついた社長たち
    記事中では、地価下落により都心の地価が下がったこと、都市部の再開発が進み交通アクセスがよくなったこと、居住性に優れた高層高級マンションが増加したことに加え、繁華街や文化・商業施設にも近く、職住接近のメリットを享受できる都心に社長たちが回帰しているのではないかと推測しています。
     
    確かに、戦前は都心の「山の手」といえば高級住宅地の代名詞。2003年ランキング上位の田園調布や成城などはどちらかというと新興高級住宅地というポジションで、再び高級住宅地の流れが都心に向かっているのかもしれません。このところChikirinさんやイケダハヤトさんなど著名ブロガーの方々が「長時間の通勤時間はムダ」と職住接近のメリットを力説されていますが、コスト感覚が発達した社長たちがいち早くそのトレンドを実践しているともいえるでしょう。
     
    ■社長居住地も東京一極集中に
    もう一つ気になるのは、2003年のランキングには入っていた東京都以外の街がすべて消え、2014年はすべて東京23区の街になっていること。
     
    神栖町(茨城県 20036位)、竜王町(山梨県 8位)、府中町(広島県 9位)、葉山町(神奈川県 11位)、神辺町(広島県 15位)、那珂川町(福岡県 17位)がすべて20位圏外に。n数が2003年は106万社、2014268万社とだいぶ違いますので単純に比較はできないとはいえ、それでも地方都市がゼロという結果は、いかに経済の東京一極集中が進んでいるかを如実に示す結果ではないでしょうか。
     
    この傾向は、「社長の住む市区郡」という別の表を見ても明らかで、2003年のベスト10の中に東京の区は世田谷、太田、練馬、杉並の4区しかありませんが、2014年は10位までをすべて東京の区が占めています。
     
    ■交通至便、低コストの穴場、東京イーストは地方の社長に人気?
    もう一つ意外なのは高輪(港区 20146位)や新宿(新宿区 8位)に交じって、大島(江東区 7位)や亀戸(江東区 9位)という、東京東部の下町がランクインしていることです。
     
    実は我が社も2009年に江東区の清澄白河に東京営業所を構えました。当時はブルーボトルコーヒーもお洒落なブティックもなく、お客様が多い日本橋から浅草にかけての問屋街に近く、下町らしいのどかな雰囲気が気にいって決めたのですが、実際ここを拠点にしてみると、地下鉄が何路線も使えたり、羽田や成田へのアクセスが非常によいことに気がつきました。東京の玄関口である東京駅までも車で15分程度、ちょっとがんばれば歩けない距離でもありません。さらに、東京ビッグサイトや幕張メッセなどの展示会場にも近く、便利なことこのうえありません。にもかかわらず、地価は東京駅から中央線で30分以上かかる西荻窪あたりとほぼ変わらないのです。
     
    また、最初の頃は、近くのビジネスホテルなどに宿泊していたのですが、だんだん東京での仕事が増加し過ごす時間が長くなっていくのと同時に、外国人観光客増加の影響かホテルの予約が難しくなり、数年前から営業所近くのマンションから通うようになりました。東京の地元採用スタッフの話によると、江東区(といっても豊洲近辺のタワーマンションではなくあくまで下町)には私のような地方企業の社長が増えているそうで、このところの新築マンションが売り出しと同時に完売という状態に一役買っているようです。
     
    ■会社も東京と地方の2本の軸足をもつ時代に
    繊維業界では最近、YKKが東京勤務の一部社員を富山本社へ異動させることを決め、話題になりました
     
    生産拠点がある地方に東京の優秀な人材を還流させ、また、地方ならでこその社員の生活の質の向上をめざすという意味で素晴らしい試みであると思いますが、かといってビジネス情報が集中する東京抜きですべてを済ませることは現実的に不可能です。繊維業界でも、地元の生産や物流機能はそのまま残し、東京に営業や情報収集の拠点を作る中小企業が増加しています。また、本社は地方のままで、社長は東京の拠点に常駐、という会社も少なくありません。
     
    地方と東京都心、この2つに軸足をもつ企業がこれからさらに増えていくのではないかと、この記事を読んで改めて考えさせられました。
    | 後藤百合子 | 日本経済 | 01:48 | - | - |
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