ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住7年目。
<< ヨーロッパ人に学ぶ、本当に贅沢な休暇の過ごしかたとは? | main | 首相にも元首相にも国民が直接会って陳情できるシンガポール >>
スポンサーサイト
0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    | スポンサードリンク | - | | - | - |
    「義務投票」制度のシンガポールにみる国民の政治意識
    0
      JUGEMテーマ:シンガポール
      現在、選挙戦真っ只中のシンガポール 
      シンガポール建国50周年記念行事も一息ついた825日、ここぞのタイミングとばかり、リー・シェン・ロン首相がが国会を解散、国を挙げての選挙戦に入りました。前回の選挙で歴史的敗北(といっても87議席中6議席を失っただけですが)を喫した与党PAPPeople’s Action Party)がどこまで議席を守れるかが注目されています。
       
      前回の選挙時にはまだシンガポールの政治の仕組みも各政党の主張もよくわかっていなかったのですが、4年あまりが経過した現在では、私も毎日テレビやネットで選挙選のニュースや各治家の演説を毎日、非常に興味深く聞いています。
       
      投票日は911日の金曜日。当日は国民の祝日となり、約250万人のシンガポール国民が投票を行います。2011年選挙時の投票率は93.18%。投票に行けない海外在住者などを除き、21歳以上の国民のほぼ全員が投票します。それは、投票が国民の「義務」だからです。
       
      選挙に行かないと選挙人名簿から抹消
      シンガポールの「義務投票」制度では、選挙に行かないとその人の名前は選挙人名簿から抹消されます。海外在住(一部の国では在外選挙もあり)、出張、旅行、病気などでたまたま投票できなかった人は、パスポートの記録など選挙に行けなかった証拠を政府に提出し、再び選挙人名簿に登録し直してもらいます。私の夫も日本で暮らしていたときには、選挙のたびにこれを行っていました。
       
      正当な理由なく投票しなかった人については、罰金5ドルとか50ドルとかを払って再登録してもらうというネット情報もあるようですが、政府はいっさいこのような情報を公開していませんので真偽のほどは定かでありません。友人・知人に聞いてもそもそも「投票しない」ことが前提として頭にないので、知らないという人ばかり。1回でも投票に行かないと、下手をしたら永遠に投票できない可能性さえ否定できないのです。
       
      ”compulsory voting(義務投票)の意味
      では、シンガポール国民は法律で決まっているので仕方なく、しぶしぶ選挙に行っているのでしょうか? 私にはまったくそうは見えません。それを説明する鍵が、"compulsory voting"という言葉にあるのではないかと思います。
       
      Voting is compulsory for all eligible citizens.(投票はすべての有権者にとっての義務です)
       
      この言葉は、投票を促す政府広報ですが、そもそも“compulsory”という英語は、同じく「義務」と訳される“mandatory”とは若干、ニュアンスが違います。このサイトの用例を見てもわかるとおり、“mandatory”が「逃れられない」という意味合いが強いのに比べ、"compulsory”は強制ではあるが、行う人にもメリットがある重要な事柄という印象を受けます。その最たる例が“compulsory education”(義務教育)でしょう。

      このような意味を理解した上で投票をしているので、シンガポール人には選挙を「いやなこと、面倒くさいこと」と考える人が少ないのではないかと感じるのです。

       
      ■生活と政治が不可分のシンガポール選挙
      選挙戦中、毎日数十か所で開かれる議員たちの演説には大勢の人々が集まります、支持政党のボランティアをする人や、Facebookで支持政党への投票を呼びかける人も私の友人・知人の中に多くいますし、テレビやラジオでは、連日、候補者たちの演説を何時間も放送します。
       
      自然、公約や演説の内容も外交や安全保障、産業振興のみならず、保険、年金、教育、子育て支援、税制改革など具体的に数字をあげた予算や政策に直結するものが多く、「選挙結果が自分の生活に直接影響する」と考えている人が大部分です。この政治と生活の近さこそ、シンガポール選挙の特徴ではないかと思えます。
       
      そして、ここまで候補者も国民も真剣になれるのは、やはり「国民全員で選んだ代表」という意識があるからではないかと思うのです。
       
      ■日本でも「義務投票」の検討を
      投票が国民の義務となっている国は、シンガポールだけではありません。オーストラリアをはじめ、ルクセンブルグ、タイ、ブラジル、アルゼンチンなど世界10か国以上あります(罰則がどこまで厳格かは国により違うようですが)。
       
      投票率が高ければ高いほど、民主主義の精度が上がることは間違いありませんし、それだけ国の政策決定に国民が真剣になるのは当然でしょう(給料から天引きされるより、自分で税金を申告して支払うほうが税に対する意識が上がるのと同じ理屈です)。

      日本では私が知る限り、「義務投票」制度は議論されたこともないですが、
      18歳まで選挙権を拡大した今だからこそ、今後間違いなくやってくる厳しい日本の将来を見据え、有権者全員がしっかりと自分の国政考えるという意味で、「義務投票」制度導入をぜひ検討してほしいと思います。
      | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 15:00 | - | - |
      スポンサーサイト
      0
        | スポンサードリンク | - | 15:00 | - | - |
              1
        2345678
        9101112131415
        16171819202122
        23242526272829
        3031     
        << July 2017 >>
        + PR
        + SELECTED ENTRIES
        + CATEGORIES
        + ARCHIVES
        + MOBILE
        qrcode
        + PROFILE