ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住7年目。
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    首相にも元首相にも国民が直接会って陳情できるシンガポール
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      JUGEMテーマ:シンガポール
      同じマンションに住んでいる70代後半のおばあさんの最近の自慢話は、ゴー・チョク・トン前首相から5年の滞在ビザをもらったことです。

      香港で生まれ育ち、パスポートも香港。インドネシア華僑と結婚したものの未亡人となり、一人息子の教育のためシンガポールに移住しました、息子はシンガポールに帰化したのですが、今は仕事の関係で香港に住んでおり、彼女は一人暮らしです。
       
      東南アジアではこのように各国を転々とする華人は少なくありません。不思議なのはシンガポールに20年以上住んでいるにもかかわらず永住ビザをもっていないこと。このため、彼女は3か月に1度ずつマレーシアに行っては観光ビザを更新していました。お金に不自由なく、健康で、マンションの住民など周囲も親切にしてくれるので日常生活にも困らないものの、唯一このビザの問題だけはいつも不満をもらしていました。
       
      そんな彼女がついに行動に出たのは、先月のこと。ゴー・チョク・トン元首相の「Meet-the-People」セッションに参加したのです。
       
      Meet-the-People」セッションとは、住民が直接、国会議員に会って陳情できる機会で、決められた場所に行って手続きをすれば誰でも参加できます。ゴー・チョク・トン元首相は選挙区のある公団住宅の1室で、毎週水曜日夜8時から深夜までこのセッションを開いています。
       
      おばあさんはシンガポール国籍ではなく有権者でもないのですが、直接元首相に会って「滞在ビザがほしい」とお願いし、いったんは「息子さんがいるのなら香港に戻ったほうがいいんじゃない?」と切り返されたものの、「シンガポールが好きだからここで暮らしたい」と粘って5年の滞在ビザを発行してもらったと、得意げに語りました。

                

      写真は、元首相の20141211日のFacebook投稿。セッションはこんな感じで行われ、この日は主に公団住宅に関する44件の陳情があったそうです。
       
      驚くのは、現役の首相のリー・シェンロンも他の国会議員たちと同じようにこのセッションを開いていることです。この記事によると、2012年に首相が直接、陳情されたケースは2,800件。1/3強が住宅関連で最も多く、次の14%が経済支援、それに続くのがビザ関連、交通・駐車場関連、教育関連だったそうです。また、2%に満たないものの医療費問題の陳情もあり、リー首相は「医療費については国民が気にかけており、今後も注視していきたい」と語っています。
       
      超過密スケジュールにもかかわらず、律儀に市民に直接会い続けることを、リー首相は「シンガポール独自の民主主義」として、外国人記者たちに下記のように語っています。
       

      "You must have policies which are in the interest of the people and you must also show to the people that you actually care for them," he added. "You have to work with them at the ground as well as at the policy level."
      One way is through the Meet-the-People session (MPS), where MPs meet and help residents facing problems, and through constituency activities. As a result, residents know MPs, who are able to hold the ground.
      市民に関心の高い政策を打ち出すだけでなく、市民のことを真摯に考えていることを示すこと。また、それを市民とともに実践すること。
      その一つの方法が「Meet-the-People」セッションで、国会議員が選挙区での活動の一環として住民と会い、抱えている問題の解決に協力することにより、住民は議員への理解を深め、議員も選挙区の基盤を固められるのです。

       

      今回の選挙戦でも、与党PAPPeople's Action Party)は、しきりに「我々ほど人々に耳を傾けてきた政党はない」と主張していますが、私の目から見てもシンガポール政府は国民の意見を聞き、それを政策に反映するのに実に熱心だと思います。その結果、何も知らない人が見たら独裁ともとれるような、長期政権の維持につながったのではないでしょうか。
       
      選挙では野党が市民から批判が多い政府与党の政策、移民、教育、低所得層への手当て問題などをついてきていますが、与党PAPがどこまで議席を守れるか、もしくはいったん失った議席を奪回できるかはひとえに、長年培ってきた与党と国民との信頼関係をどこまで守れきれるかにかかっていると思います。選挙結果が非常に楽しみです。
      | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 08:00 | - | - |
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