ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
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老後に備え「サステイナブル」に働くための自己管理法
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    ■日本橋で見たノー残業デーの過ごし方

    8月下旬の水曜日、お客さんと日本橋で待ち合わせをして食事に行きました。

     

    地下鉄日本橋駅とJR東京駅に挟まれた一角はサラリーマン向けの繁華街になっていて、大手チェーン店から個人経営の店まで飲食店で埋め尽くされています。お客さんが焼肉を食べたいというので、6時半くらいにここで焼肉屋さんを探し始めました。

     

    特にこだわりはないので行き当たりばったりで入ってみましたが、どの店でも即座に断られます。お店はがらがらで人っ子一人いないのに、予約で満席だというのです。4軒目でやっと「予約で埋まっているけど1時間半くらいなら」と条件つきで店に入ることができました。時間はすでに7時ちょっと前。この店もお客は最初、私たちだけでした。

     

    7時を回った頃からやっとぽつぽつお客さんが入り始め、8時前には言われた通り店は満席になりました。たまたま一番端の店全体を見渡せる席に座ったので客層を見ていたのですが、中年の男性ばかりの6〜10人くらいのグループが3組、20代男女の6人グループが1組、そして女性ばかり、いわゆる女子会の8名グループが1組でした。男女ともほぼ全員が白いシャツか薄い色のブラウスに濃色のズボンかスカートという同じような服装で、一見して近くで働いているサラリーマン&サラリーウーマンだということがわかります。裏原系インディーズブランドのデザイナー兼社長のお客さんと私の存在は、服装からして明らかに店の中で浮いていました。

     

    最初に言われた通り、8時過ぎにはラストオーダー、8時半には「もう時間なので」と言われて店を出されましたが、他のグループのサラリーマン&ウーマンたちはまさに宴たけなわ状態で、その後1〜2時間くらいは店にいたのではないかと思われます。逆に私たちはそのままお開きで、私は9時過ぎには家に着きました。

     

    水曜日は多くの企業でノー残業デーに指定されているため飲み会も多いのでしょうが、この晩の様子を思い起こすと、どう考えても週の半ばに早く帰宅して家族と過ごしたりゆっくり休養して疲れをとる、というノー残業デー本来の目的が達成されているとは思えません。百歩譲って飲み会でストレスを発散するとしても、スタートが遅すぎます。会社が5時から6時の終業時間であれば、遅くとも6時から6時半までに飲み会を開始すれば、一次会は9時前にはお開きになるでしょう。しかし、7時すぎから7時半のスタートでは最低でも9時半、二次会でも行こうものなら終電コースです。これではせっかくの充電日である水曜日も睡眠不足に陥り、週の半ばですでに疲れ切ってしまうこともじゅうぶん考えられます。

     

    ■「気力を起こすための体力」を支える睡眠時間

    元トリンプジャパン社長で、就任してから19年連続増収増益、売り上げを5倍にするという偉業を達成した吉越浩一郎さんは、私がたいへん尊敬する経営者の一人です。吉越さんが提唱してこられた「ノー残業」や「がんばるタイム」など、私の会社でもマネをして実践していることは少なくありません。

     

    その吉越さんの近著『気力より体力』では、日本人がなぜ長時間労働に陥り労働生産性が低いのか、という問題を、「気力では補えない体力が根本的に不足しているから」という切り口で語っておられます。やるべきことが山積している責任感の強いビジネスマンが何とか仕事を終わらせようとして睡眠時間を削って長時間残業をする、また、家に仕事を持ち帰ってまで仕事をする。これにより、仕事を完璧な状態で行う能力がじゅうぶん発揮できず、生産効率が下がってさらに長時間にわたり作業をしなければならなくなる。何とか「気力」で乗り切ろうとするが、「気力」を支える「体力(運動)・体質(食事)・体調(睡眠)」管理が欠けているため、ツルハシで穴を掘っているような状態になり、満足のいく仕事ができるどころか、仕事は中途半端になり、ますます自分自身の体力を消耗する悪循環に陥る、という主張です。

     

    上記の自己管理の中でも、これまで特に吉越さんが強調してこられたのが「8時間睡眠」です。

     

    睡眠は疲労から体と心を回復させるための最善の方法です。

     

    以前の記事にも書きましたが、睡眠時間6時間を切る日が続くと、脳の機能が低下し、酎ハイ数杯を飲んだ後と同じような状態になってしまうという研究があります。また、わずか5日の睡眠不足でも抑うつ状態に陥りストレス耐性が低くなるそうです。さらに、自殺する人の7割以上は睡眠時間が不足していることを自覚しており、寝つきが悪かったり、いったん寝ても途中で目が覚めてしまったりすることが多いというデータもあります。

     

    仕事をしていれば当然、ストレスもありますし、仕事量が一度に大量に増えることもあります。それを平常心でムリなく乗り切るためには、日頃から睡眠をしっかり取って、ストレスや疲れから自分自身を守る習慣をもつことが必要なのです。

     

    ■「バリバリでなくさくさく」仕事をし「サステイナブル」な生活を送る

    「残業は『百害あって一利なし』」と吉越さんは言い切っておられますが、気力だけで長時間労働をして時間あたりの生産効率を下げるより、労働時間をできるだけ短くし、体と心に余裕のある状態で仕事を「さくさく」こなす。がむしゃらに精神論で働く「ばりばり」ではなく、スマートに、軽やかに仕事をすることの重要性がこの「さくさく」という言葉につながっています。

     

    また、吉越さんは「サステイナブル(持続可能な)」という言葉を使われていますが、仕事は毎日が真剣勝負でありながら、スポーツの試合と違い、それが何十年にもわたって続いていきます。当然「サステイナブル」に長期にわたり真剣勝負を続けるためには、じゅうぶんな精神的、体力的な余裕をもたなければいけません。

     

    特に、少子高齢化社会で65歳まで、今後は67歳や70歳まで働かなければ引退して生活できるだけの年金を受け取れない時代にあっては、効率の悪い働き方や生活習慣で自分自身の体や心を損なうのではなく、いかに働くためのコンディションを整えて職業人としてサステイナブルな生活を送るかということを一人ひとりが真剣に考えなければならない時期にきていると思います。

     

    「老後を過ごすのにじゅうぶんなお金がないから死ぬまで働かなくてはならない」ではなく、「60代になっても生きがいをもって毎日楽しく充実して働くことができる」とポジティブに考えられる将来を迎えるために、まだ若いうちから、このような意識で自分自身を管理する習慣を身につけることこそが必要なのではないでしょうか。

    | 後藤百合子 | ワークライフバランス | 13:30 | - | - |
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