ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住7年目。
<< The Straits Timesの「新年に取り入れたい9つのお金の習慣」にみるマネーリテラシー先進国のシンガポール | main | モディ首相のインドが着実に力を蓄えてきている様子をシンガポールで垣間見る。 >>
スポンサーサイト
0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    | スポンサードリンク | - | | - | - |
    新たなビジネスモデルが続々登場するシンガポールのネットビジネス
    0

       

      JUGEMテーマ:ビジネス

       

      ■いつ行っても閉まっているジュエリーショップ

      数か月前シンガポールの自宅近所の、お店は数軒あるものの比較的静かな通りに、1軒の素敵なアンティークのジュエリーショップができました。

       

      「オープンしました」と書けないのは、このお店、いつ行っても閉まっているのです。看板もなし。

       

      しょっちゅうこの店の前を通るのですが、朝行っても、午後行っても、夜行っても開いていない。でもガラス張りなので中は見えます。お店の中にはうっとりするようなアンティークのアクセサリーや絵などがセンスよくディスプレイされていて、作業台のようなものもあります。

       

      何度か覗いているうちに夫が小さな表示を見つけ、この店が予約制で事前にアポイントメントを取らなければ入れないことがわかりました。表示に書かれていたウェブサイトコンタクト先を確認して連絡を取り、先日、やっとお店に入ることができました。

       

      見立て通り、近くで見るアンティークアクセサリーはすべてパラナカン(マレー半島に古くから住み着いている華僑の文化)独特のモチーフや材料がふんだんに使われており、美しいのはもちろんのこと、現在ではもう作ることのできない工芸品ばかり。夫におねだりして翡翠とダイヤモンドをあしらった小さなイヤリングを買ってもらうことにしましたが、デザインはアールヌーボーで100年は経っているということでした。

       

      それにしても、せっかく実店舗があるのにあえて開けない、というのは初めて知ったビジネスモデルです。オーナーの30代と思われる女性に聞くと、昼間はウェブサイトの問い合わせの返信をしたり商談をしたり、配達をしたりするのに忙しく、ウェブサイトやインスタグラムのページを作成したり、アンティーク商品の修理をしたりの作業はほとんど深夜とのこと。

       

      恐らく常に店を開けておくための人件費やスタッフ教育コスト、それに割かれる自分の時間を考えると、合わないと考えたのではないでしょうか。主として倉庫兼作業場として使用されているようでした。

       

      実際、店に置いてある商品にはまったく値段がついておらず、聞くとコンピュータのデータベースに入っている値段をみて教えてくれる、といった調子で、店舗として機能していないのは明らかでした。(ちなみにいくつか聞いた価格は、品質と希少性を考えると驚くほどリーゾナブル!)

       

      ■服飾商品の40%がネット販売に

      ある業界関係者から聞いた話ですが、現在、シンガポールの服飾関連商品の売り上げは、すでに約40%がオンライン販売になっているそうです。

       

      ファストファッションはまだまだ店舗依存率が高いため店舗数も増えていますが、上に紹介したショップのように特に嗜好性が高い商品を扱う店ついては、圧倒的にネットのほうが効率がよく、また、そこまではいかないけれど一定の顧客を掴んでいるローカルブランドも、実店舗を運営しながらも着実にネットでの売り上げを増やしているといいます(それなりの知名度を誇るローカル人気ブランドやセレクトショップも多店舗戦略を採用しているところはほとんどありません)。

       

      ただでさえ家賃が異常に高い(東京の約22.5倍くらいの感覚です)のに加え、どうしても集客範囲が限られてくる実店舗よりも、マーケティングさえ確立できれば、シンガポールにとどまらず東南アジア各国、英語でサイトを構築することにより世界中の国々、中国語で中国や香港・台湾などからも集客できる可能性も高いのです。

       

      昨年度、日本のインターネット広告費が初めて1兆円を超えたのが話題になりましたが、日本と同じく、従来は新聞、雑誌、テレビなど既存の広告メディアを基本としていたシンガポールのマーケティングも、日本以上のスピードでオンラインマーケティングにシフトしつつあります。

       

      ■シニア起業は若年層にはできない手間ヒマかかる商品で勝負

      こちらもやはりネット起業したのが、すでに還暦を超えた夫の従姉。

       

      50代初めに長く勤めた職場をリタイアして自宅で母親の介護をしていたのですが、先日、とある(シンガポールにしては)大規模なファッション・マーケットでいきなり声をかけてきたお洒落な女性がいて、それが彼女でした。

       

      昨年春に彼女の母親が亡くなるまでは、介護の傍ら動物愛護団体から引き取ってきた猫や犬を何頭も自宅で世話しており、いかにも「主婦」という感じでしたので、流行色の細身のパンツとシャツをすっきり着こなした女性に声をかけられてもすぐには気づきませんでした。今やすっかりキャリアウーマンの風貌です。

       

      そんな彼女が選んだのは、シンガポールでブームの兆しがみえるCold Brew Coffeeという水出しコーヒー

       

      抽出に16時間以上かかるというほど、とにかく手間暇がかかり、とても大量生産には向きませんが、彼女はリタイアの身ですので時間はたっぷりありますし、自宅を作業場にしているそうなので家賃を払う必要がありません。ネットショップの他、法人営業もしているそうですが、営業関係はパートナーに任せているようです。

       

      彼女のようなシニア起業では、まず、当面の生活費や運転資金を稼ぐために無理な仕事をしなくていいこと、これまでの経験からある程度ビジネスの目途も見当がつきやすいため短兵急に利益を求めなくてもいいこと、大手や既存の企業には難しいニッチな市場で手間ヒマかけた商品を作ることができることなど、ビジネスをスタートする上で優位性を確保できるメリットがたくさんあると痛切に感じました。

       

      ■ネットで新しいビジネスモデル展開へ

      シンガポールは国土が東京23区程度の都市国家であり、起業に必要な環境がよく整えられているため、テスト的な多様なビジネスを始めることが可能です。

       

      もちろん、スタートアップの9割は失敗に終わるという通説にもれず、現れては消えていくビジネスも決して少なくありませんが、特にネットビジネスでは、低いコストで実験的なマーケティングができるという意味で、今後の日本でのビジネスモデルを考えるうえで参考になることが多いように思えます。

       

      店舗があるのに予約でしか開けないジュエリーショップ、シニア女性が起業したネット限定のコーヒー飲料店など、まだまだ日本ではなじみの薄いビジネス形態が今後どう成長していくのか、楽しみに見守りたいと思います。

      | 後藤百合子 | 高齢化社会とビジネス | 00:13 | - | - |
      スポンサーサイト
      0
        | スポンサードリンク | - | 00:13 | - | - |
              1
        2345678
        9101112131415
        16171819202122
        23242526272829
        3031     
        << July 2017 >>
        + PR
        + SELECTED ENTRIES
        + CATEGORIES
        + ARCHIVES
        + MOBILE
        qrcode
        + PROFILE