ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
<< 「シングリッシュ」と侮るなかれ。シンガポール人が英語ネイティブの理由 | main | #MeTooムーブメントに見る清教徒的「契約」の概念とグローバリゼーション >>
スポンサーサイト
0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    | スポンサードリンク | - | | - | - |
    強気相場はこれからだ?
    0

      JUGEMテーマ:経済全般

      先週、シンガポール最大の銀行DBSの金融セミナーに行ってきました。

       

      テーマはずばり、「The Bull Ain't Done」(強気相場はこれからだ)。

       

      「Bull markets are born on pessimism and they grow on skepticism, mature on optimism, and die on euphoria. (強気相場は悲観主義の中で生まれ、懐疑主義の中で育ち、楽観主義の中で成熟し、多幸感の中で死ぬ)」という投資家ジョン・テンプルトンの言葉が紹介され、2017年には「こんな値上がり一辺倒の相場で本当に大丈夫か?」という懸念をよそに株式相場の急上昇を体験した市場参加者は、2018年には「まだまだいける」という気運が高まる楽観主義ステージに移行しつつあり、リーマンショック以降、すでに9年間続いている上昇相場が当面続く、という見通しが示されました。

       

      実際にセミナー受講中に行われた参加者アンケートでも、楽観主義が最も多く、次いで懐疑主義、多幸感という順位になり、景気や金融市場というのは、このような市場参加者のムードが動かしているのだなと実感させられます。

       

      DBSはシンガポール政府系の銀行だけあって投機的性格は比較的低く、参加者も中高年の堅実で保守的なタイプが多いと感じましたが、世界中のこのような人々が「まだまだこれから」と株式市場に資金を投入すれば、実際に今年は強気派がマジョリティを占める年になるでしょう。

       

      一方で気になったのは、現在のアメリカを中心とする好景気の中身です。

       

      セミナーの中で2006年と2017年の上場株時価総額の順位トップ5社が紹介されましたが、

      2006年 1.エクソンモービル 2.ジェネラル・エレクトリック 3.マイクロソフト 4.ブリティッシュ・ペトロル 5.Citiグループ

      2017年 1.アップル 2.グーグル 3.マイクロソフト 4.アマゾン 5.フェイスブック

      と、10年余という短期間にマイクロソフトを除いてすべて入れ替わっています。

       

      経済を牽引する企業プレーヤーが、石油や電気、伝統金融といった産業革命以降経済を支えてきた産業から、ものの見事に個人向けサービスを主要事業とするIT産業にとって替わられたのがよくわかります(マイクロソフトだけはその中間のためこの順位を保っていると考えられます)。

       

      このような状況下で、まだまだ経済全体に占める雇用のパイが大きい従来産業、石油をはじめとする一次産業や二次産業の製造業、さらには流通や金融などの三次産業がこれからどうなっていくのか? その一例として紹介されたのが、ホールフーズのレシートです。

       

      昨年8/24と8/28にホールフーズでまったく同じアイテムを5点買ったところ、たった4日間の間に最終支払額は8.5%も少なくなっていました。アマゾンがこの間にホールフーズの買収作業を終え、新価格を導入した結果です。

       

      アメリカに次ぐGDPをもつ中国市場でも同じことが言えます。

       

      昨年11月11日の独身者の日に2兆円を売り上げたネット販売の二巨頭、アリババとテンセントは、SNS、ネット販売から自転車シェアまで、個人をメインターゲットに中国という巨大マーケットで急成長しつつあります。

       

      アリババは昨年70億ドル(7,770億円)、テンセントは先週50億ドル(5,550億円)の社債を発行して話題になりましたが、中国でもアメリカと同じく、お金の流れは従来産業から個人向けIT企業の側へのシフトが進行中と言えるでしょう。

       

      このような状況下で、個人消費者を直接ターゲットにする巨大IT企業が、アマゾン哲学にならって「自社と消費者の利益拡大」を追求していけば、当然、従来産業に従事する会社やその従業員の利益の縮小という結果になるはずです。「好況で株高になっても一般庶民の生活は苦しくなる」状況が今後、さらに世界的に加速する可能性は否定できません。

       

      シンガポールでは先月から電気自動車のシェアリング実験が始まりました。一昨日、路上でそのうちの1台をみかけましたが、マイカーに混じって違和感なく走行していました。シェアリング自転車と同じ感覚で車をシェアする日がもうすぐそこまで来ています。この潮流がこれからの景気や私たちの生活にどのような影響をもたらすのか、見極めが必要だと思います。

       

      最後にもうひとつ。話題のビットコインについては「Keep away(近づくな)」の一言でした。私もまったく同感です。

      | 後藤百合子 | 世界経済 | 11:56 | - | - |
      スポンサーサイト
      0
        | スポンサードリンク | - | 11:56 | - | - |
            123
        45678910
        11121314151617
        18192021222324
        252627282930 
        << November 2018 >>
        + PR
        + SELECTED ENTRIES
        + CATEGORIES
        + ARCHIVES
        + MOBILE
        qrcode
        + PROFILE