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    TVで方言解禁! リー・クワンユーイズムから脱却の兆し
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      JUGEMテーマ:シンガポール

       

      昨日はシンガポールではごくごく一般的な華人系シンガポール人&外国人カップルの我が家の言語環境をご紹介しましたが、本日はシンガポールで話されている中国語のお話です。

       

       シンガポールは様々な人種が集まる他民族国家ですが、最も大きい割合を占めるのが華人系で約75%。続くマレー系、インド系と合わせると全体の97%近くを占めます。

       

      そのため、地上波のテレビでは英語チャンネルの他に中国語チャンネル、マレー語チャンネル、タミル語チャンネルと複数の言語で番組を放送しており、多くのタレントさんや俳優さんが英語チャンネルの他に自分の民族の言語の番組にも出演し、芸達者なバイリンガルぶりをみせてくれます。

       

      また英語チャンネルも含め、音声だけでは内容が理解できない人のために字幕がついている番組も少なくありません。

       

      我が家の小3の娘もテレビが大好きで、英語チャンネルの他、中国語チャンネルをよく観ているのですが、先月の旧正月休みの昼間、娘が観ているシンガポール制作のドラマを横で観ていてびっくりするような事実に気がつきました。

       

      「華語だけじゃなく、広東語と福建語が混じってる!」

       

      ご存じの通り中国はあれだけ広い国ですので、方言が非常にバラエティに富みます。書き言葉はほぼ同じですが発音がまったく違う単語も多く、例えば、中華人民共和国の言語である北京語ベースの「普通話」を話す人と、香港で話されている広東語を話す人がコミュニケーションしても会話が成り立ちません。喩えて言えば、ばりばりの津軽弁と鹿児島弁を話すお年寄り同士が会話するようなもの。

       

      もともとシンガポール華人は中国のあちこちの地方からの移民が集まってできた国で、話す言葉もまちまち。昔からマレー半島華人に多かった福建省出身の福建語を話す人々の他、広東省や香港からの移民の広東語、リー・クワンユーやゴー・チョクトン元首相など中国北方がルーツとされる客家の人々が話す客家語、広東省の北で距離的には広州と福州のほぼ中間に位置する潮州からやってきた潮州人の潮州語など、さまざまな方言が各家庭で話されています。

       

      我が家でも、学校で標準の中国語教育を受けた義母と夫、現在学習中の娘は中国標準の華語を話せますが、義父は学校教育は英語で受けているので、日常会話レベルの福建語しか話せず、華語で私が話しかけても理解できません。

       

      そもそも中国の普通話もこのような方言の混在によるミスコミュニケーションを失くすために共通語として統一された言語で、中華人民共和国が1955年に決定。

       

      漢字を略字にし書きやすくした「簡体字」や、アルファベット表記によるフリガナ「ピンイン」が採用されて全国に広まっていきました。

       

      (台湾は蒋介石の国民党が亡命してから徹底的な北京語の「国語」教育をしたために台湾語の弾圧が行われましたが、中国本土ではそこまで方言の撲滅運動はなかったようです。ただ、学校教育も役所の手続きもすべて普通話で行われるため、新疆地域のウィグル人など少数民族も例外なく普通話を話します)

       

      シンガポールでは建国直後の1966年から英語と自分の民族が話す言葉のバイリンガル教育が始まりましたが、家庭で日常的にマレー語やタミル語を使っているマレー系やインド系の子どもたちと違い、華人系は家庭で使われている方言がばらばらで、学校で教える中国標準の普通語をほぼそのまま取り入れた中国語の「華語」と違うため、なかなか上達しないという問題を抱えていました。

       

      そのため1979年、リー・クワンユー元首相が「スピーク・マンダリン(講華語 ジャン・フアユー、北京語を話そう)・キャンペーン」を開始。方言をやめ、学校はもちろん、職場や商店、さらには家庭でも華語を話すことが推奨され、テレビやラジオはすべて華語に。

       

      広東語の香港映画やテレビ番組などもすべて北京語に吹き替えられ、韓国ドラマさえも北京語になるという徹底ぶり。1990年代にジャッキー・チェンが流暢な北京語で話している映画をシンガポールのテレビで観たときには非常に驚いた記憶があります。

       

      このような状況が40年近く続いてきたため、冒頭に書いたように、テレビから広東語と福建語が聞こえてきたときには、ひょっとして自分の頭がおかしくなったんじゃないかと耳を疑いました。しかし、何回聴き直しても間違いありません。

       

      狐につままれたような気持ちで、翌日義母に「こんなことがあったんですよ」と報告したところ、中国語チャンネルに詳しい義母が、その番組は去年から始まったもので、通常は平日の夜中に30分間だけ放送しているけど、お正月なので特番で1時間放送になって、昨日の昼間に再放送していたんだよ、と笑いながら教えてくれました。

       

      「講華語運動巳経没有了嗎?(スピーク・マンダリン・キャンペーンはもうなくなったの?」と聞くと、やはり笑いながら「なくなってはないけど、リー・クワンユーが亡くなったからそれほど厳しくなくなったんだよ」との返答。

       

      台湾では国民党一党支配脱却後、台湾語が復権されて現在では台湾語のテレビチャンネルさえあると聞きます。

       

      中国本土のみならず世界で標準語となっている「普通話=華語」教育も悪くはありませんが、シンガポールも「Mother Tongue(母語)教育」というからには、シンガポール固有の華人文化保存のためにもこの傾向が続き、それぞれの家庭のバックボーンである方言を次の世代に残してくれればいいなと思います。

      | Yuriko Goto | シンガポール | 13:35 | - | - |
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