ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
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仕事フュージョンが産むイノベーション
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    JUGEMテーマ:ビジネス

     

    2週間前からシンガポールの調理師学校に通っています。

    昔から料理が好きで40年近くいろいろな料理を作ってきましたが、自己流の家庭料理とプロがお金をもらって作る料理はここまで違うのかと驚きの連続で、若いクラスメートに混じって毎日必死で勉強しています。

     

    移民国家シンガポールにあるだけあって学校では、フランス料理やイギリス料理などの西洋料理はもちろん、中華料理、マレー料理、インド料理、タイ料理などアジア各国のさまざまな料理を教えてくれます。インストラクターを務めるシェフもバラエティに富み、タイ人シェフが英語でフランス料理を教えるというちょっと不思議なシチュエーションに遭遇することも。

     

    このように作る料理はさまざまですが、勉強の基本はフレンチの「ミザンプラス」。調理にかかる前の下ごしらえのことをこう呼ぶのですが、例えば2个虜戮いみじん切りはブルノワーズで、2僂梁腓さの角切りはダイスの大。フランス料理だけでなく、学校ではマレー料理でもタイ料理でもシェフからこう言われれば学生は言われた通りの大きさに材料を切ります。

     

    シェフ曰く、アジアでは学校で調理方法を教育するという伝統がなく基本はすべてフランスから輸入した、とのこと。確かにちょっとかじっただけでもフランス式の調理教育は非常に合理的でよくできていると感じます。

     

    そして日本でこのようなフランス式調理方法を広く普及させたのは、日本を代表する調理師学校である辻調グループの創設者、辻静雄さんです。

     

    辻静雄さんは日本におけるフランス料理教育の基礎を築かれた方で、実際的な調理法の研鑽のみにとらわれず、調理にまつわる理論を広く研究・紹介し、海外から高名な料理人を招聘して日本のプロの料理人に教育の機会を与えたり、出版やテレビを通じて広く一般にも調理方法の普及を図るなど、斬新な教育方法を導入して日本人のフランス料理技術の向上に多大な貢献をされました。

     

    興味深いのは辻静雄さんが大学で調理とは関係ないフランス文学を専攻し、卒業後は新聞記者として働かれていたこと。まったく違う世界からこの世界に入っただけに、従来の調理人の徒弟制度の枠にとらわれずに自由な発想でさまざまなアイディアを実現できたのではないでしょうか。

     

    辻さんの功績にみるように、同じビジネスであっても、他の仕事では普通に行われているがその業界では行われていない手法を用いて成功した例は意外と少なくありません。

     

    シンガポールの料理界では、いろいろな国の料理や材料を組み合わせたフュージョン料理が非常に多いですが、他業界のビジネスメソドや視点を持ち込むことによって生まれる仕事のフュージョン効果こそが、これまでにない新風をそのビジネスに吹き込むイノベーションになるのだと思います。

    | 後藤百合子 | 企業経営 | 22:19 | - | - |
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