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ASIAN NOMAD LIFE2018.04.09 Monday
1970年代のシンガポールを象徴する建築Golden Mile Complex
JUGEMテーマ:シンガポール
シンガポール在住でタイ好きの方なら恐らく一度は必ず行ったことがあるはず。または、シンガポールを経由してマレーシアにバスでバックパック旅行をしたことがある方の中にも立ち寄られた方がいるかもしれません。
若者の街、ブギスから少し東に行ったカラン地区ビーチロードとニコール・ハイウェイに挟まれた場所にあるのがこのビル、Golden Mile Complex。 ビルの前にはタイ仏教の祭壇があり常にたくさんの色とりどりの花が捧げられています。
前面にずらっと軒を連ねるのは小規模な旅行社のお店。マレーシア各地へのバスチケットが格安で手に入ります(先月訪ねてくれた友人が1,000円ほどでクアラ・ルンプール行きのチケットをゲットしてここから旅立ちましたが、あちこち立ち寄って客を拾い9時間以上かかった上に途中でバスが故障したということなので、時間がない方にはもう少し高いバスをお勧めします)。
中に入ると、こんな様子。 タイ料理屋やタイスーパー、タイ薬局、タイカラオケととにかくほとんどの店がタイ関連。中にいる人も半分くらいタイ人な感じです。
そして、ニコール・ハイウェイ側から見たこのビルの景観がこれ。 ショッピングセンターの上が住居地区。テラス式のベランダをほとんどの家が勝手にリノベーションして部屋にしているためこのような景観になっており、まるで往年の香港の九龍城(カオルーン・シティ)の再現のよう。
2006年にはある国会議員をして「縦型スラム」「シンガポールの恥」とまで言わしめました。
しかし、これだけではこのビルの真価はわかりません。
これは住居部の共用通路部分の画像です。
一度エレベータに乗ったところたまたま間違って住居部分に出てしまったのですが、それがここ。あまりの美しさに思わず息を飲みました。
住居部では最上階まで(16階建て)吹き抜けになっており採光がトップにあります。ショッピングアーケードからつながった柱が構造体を支え、外観のカラフルな様相とはまったく違いすべて白と黒のモノトーンでまとめられています。この写真ではよくわかりませんが、各戸のドアにも重厚な木製の扉が使われていました。
1973年に完成したこのビル、Wikiによると戦後ヨーロッパのブルータリズムや日本のメタボリズムの影響を受けているということですが、この内部を見る限りバウハウス建築に非常に近いと感じます。
外観やショッピングセンターのある公共部分は非常に雑然としておりアジア的カオスを実現しているにもかかわらず、いったん閉じられた居住空間に入ると外からは想像もできない洗練された機能美をもつこのビル。1970年代高度経済成長時代のシンガポールを象徴する建築物だと思います。
しかし現在、オーナーの間ではすでにこの建物を売りに出す話がまとまっており、いつ消えてしまうかわからない運命に。建築に興味のある方はぜひまだこのビルが存在しているうちにご覧になってはいかがでしょうか。 |
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