ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
<< 1970年代のシンガポールを象徴する建築Golden Mile Complex | main | メートル法を使わない世界唯一の国、アメリカ >>
性的マイノリティや隠れた障がいをもつ人が実はマイノリティでないという話
0

    JUGEMテーマ:自分探し

     

    現在私が通っている専門学校では座学の時間と実技の時間があり、インストラクターによっては座学に使うスライドを学生に読み上げさせることがあります。

     

    それで初めて気づいたのですが、どうも同級生の1人がディスレクシア(難読症)という学習障がいをもっているようなのです。

     

    彼女は私の隣に座ることが多いので横から助け舟を出すのですが、長い単語は途中でつかえて止まってしまいますし短い単語でも飛ばして読んだりします。小声で読んであげるとそれをそのまま繰り返すことはできますし、実技のときにも指示通りきちんと作業をこなしていくので知的障がいがあるようにも見えません。

     

    たまたま昨晩、学校でADHDの娘の指導をしてくれているカウンセラーの先生と話す用件があったため彼女のことを話してみたところ、ディスレクシアに関する資料をメールで送ってくれました。

     

    資料の一つのスライドにあったのがこれ。​ディスレクシアの人には文章がこのように見えるそうです。これでは普通に文章が音読できないのも頷けます。

     

    表意文字の漢字を使っている日本のような国では比較的少ないとも言われますが、シンガポールも含めアルファベットを使用する言語圏でディスレクシアの障がいがある人は非常に多く、有名人では映画俳優トム・クルーズやイギリス人シェフのジェイミー・オリバー、スウェーデン王室の国王や王子などがいます。

     

    高名な学者や知識人にも多く、エジソンやアインシュタイン、レオナルド・ダ・ヴィンチやスティーブン・スピルバーグもディスレクシアだったということで、人口の約5〜17%程度と驚くほど多くの人に何らかの症状がみられるそうです。

     

    同じく脳機能の障がいのADHD(注意欠陥・多動性障がい)は使用言語にかかわらず、人口の5〜7%がもつとされています。

     

    以前の記事にも書きましたが、ADHDの人の脳はそうでない人の脳と動きがまったく違うため、いくら口を酸っぱくして言っても大事な事をすぐに忘れてしまったり、衝動的な言動や行動をしてしまったりします。

     

    しかし逆に異常ともいえる集中力をみせたり、常人には考えつかない突飛な発想をする人もいるため社会的に成功する人も多く、有名人ではヴァージン航空創立者のリチャード・ブランソンや米国の水泳選手マイケル・フェルプス、あのスティーブ・ジョブズもAHDHではなかったかと言われています。

     

    アスペルガーを含む自閉症スペクトラム障がいは比較的少ないですが、それでも1.5%程度。

     

    このような発達障がいをすべて足していくと、少なく見積もっても人口の10%以上、多くみると25%と何と4人に1人が何らかの見えない障がいを抱えているという計算に。

     

    さらにLGBTという性的少数者の方々は人口の7%程度存在すると考えられていますので、これを足すと32%。

     

    驚くべきことに私たちの3人に1人が生まれながらに何らかの「人と違う」脳の働き方や性向をもっていることになるのです。この割合はもはやマイノリティとは呼べないのではないでしょうか?

     

    シンガポールではディスレクシアやADHDなど学習に特別な支援を必要とする子供たちへのサポート体制が整ったのはここ10年ほどどのことだそうです。おそらく日本でもそれほど変わりないと思いますが、最大の問題は冒頭の私の同級生のように、子どもの頃十分なケアを受けられずにすでに社会に出てしまっている人たちをこれからどう支援していくかではないでしょうか。

     

    これまでは「ちょっと人と違う変わった人」や「仕事があまりできない人」という評価をされながらも、捨てる神あれば拾う神ありでそれなりに会社の中で居場所をみつけられた人も、AI時代の到来により仕事の質そのものが変化していく時代、また100年ライフになって途中で学び直しやスキルアップを図りながら仕事人生を送らなければならない時代では、従来のまま放置されていれば排除されてしまう可能性も否定できません。

     

    マイノリティと考えられてきた人たちをもはやマイノリティと呼べない状況に、私たちは根本的に社会構成員としてのこのような人々への支援体制を考え直さなければいけないと思います。

    | 後藤百合子 | シンガポール子育て | 20:39 | - | - |
    スポンサーサイト
    0
      | スポンサードリンク | - | 20:39 | - | - |
        12345
      6789101112
      13141516171819
      20212223242526
      2728293031  
      << May 2018 >>
      + PR
      + SELECTED ENTRIES
      + CATEGORIES
      + ARCHIVES
      + MOBILE
      qrcode
      + PROFILE