ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
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    増え続けるシンガポールのインド人
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      JUGEMテーマ:シンガポール

       

      イースト・コースト・パークはチャンギ空港付近から島の南真ん中に位置する植物園ガーデンズ・バイ・ザ・ベイまで続くシンガポール最大の公園です。

       

      週末ともなればローラースケートやサイクリング、ジョギングやウォーキングをする人であふれ、公園内に点在するバーベキューピットやキャンプサイトも人気。シーフードレストランやカジュアルレストラン、フードコートもあちこちにあり家族連れや若い人たちで賑わっています。

       

      この公園に惹かれて我が家のマンションも徒歩圏内の場所に決めたのですが、ここ数年はあまりにも人が増えてしまったため人混みを避けるようになり、週末の散歩も住宅地から近い公園中心部ではなく、車で空港の近くの周囲に何もないところに行ってから駐車しては歩いていました。

       

      たまたま先週末は最寄りのショッピングセンターで買い物のついでだったことと土砂降りの雨の後で人が少なそうだったので、久しぶりに住宅密集地に近い場所を散歩してみました。

       

      そこで驚いたのが、インド人の多さ。

       

      シンガポール人の人口比率は、華人74.3%、マレー人13.4%、インド人9.1% とインド人はもともと少ない部類。にもかかわらず、公園内で行き交う人の半分近くがインド系なのです。逆に以前は非常に多かった白人の姿がかなり少なくなっています。

       

      どうしてしまったのだろうとよく観察してみると、言葉や服装などから判断するにどうもシンガポール生まれのインド系シンガポール人ではなく、インドからやってきた人々のよう。といっても、旅行者ではなく住んでいる様子。

       

      一緒に散歩していた夫に聞いてみるとやはり同意見。IT関連企業を筆頭としてシンガポールで働くインド人の数がここ数年非常に増えているといいます。

       

      そういえば、先月娘の学校帰りに出会った同級生の一家もインド人でしたし、知り合いの銀行員のシンガポール人女性も最近インド人と婚約したと言っていました。有名どころではシンガポール最大の銀行DBS銀行のCEOもインド人(現在はシンガポールに帰化)。

       

      一時はお金持ちの中国人がマンションをはじめあらゆるものを買い漁っている印象が強かったシンガポールですが、現在は静かにインド化が進行している様子です。

       

      なぜそうなったのか? 今日の午後お茶をした友人に聞いてみたところ、2005年に締結されたシンガポール/インド間CECA(Comprehensive Economic Cooperation Agreement 包括的経済協力協定)に話が遡るとのこと。

       

      この協定、メインの内容は関税の撤廃や二重課税防止、投資保護協定などですが、見逃せない点として二国間の人的交流の促進があります。

       

      The cross-border movement of natural persons plays a central role in initiating and supporting trade and investments in goods and services. This chapter enhances trade and investment flows by facilitating easier temporary entry for 4 categories of business persons from India and Singapore:

      国境をまたぐ人の活動は物およびサービスにおける貿易と投資を開始および促進するための中心的役割を果たす。この条項ではインドとシンガポールの4領域におけるビジネスパーソンの一時入国手続きを簡便にすることによって貿易及び投資の流れを拡張するものである。

       

      と、短期滞在や特定業種などのビザ発行を容易にする旨が記されていますが、特に気になるのはインド-シンガポール間の企業内転勤を認めるという項目。シンガポール企業がインドに法人を作ってインド人を雇用すると、容易にシンガポールに転勤させることができるわけです。

       

      常にほぼ完全雇用の状態が続いており人手不足に悩むシンガポール企業にとっては願ってもない労働力供給源になりますし、インド政府にとっても中間層が技術先進国シンガポールで働くことにより、これらのホワイトカラー労働者が国に技術を持ち帰ることを期待できます。

       

      問題は人気職種を巡ってシンガポール人と外国人間の競争が激化し、シンガポール人の就職機会が奪われること。

       

      ここ数年、シンガポール国民からこの点についての不満が高まり、一定の割合でシンガポール人を雇用する義務を雇用者に課すクォーター制の拡充や、外国人への雇用ビザ引き締めなどが行われてきました。そのため日本人や欧米人など外国人がビザを申請しても時間がかかったり取りにくくなっている、という話を聞くようになりましたが、インド人に関してはCECAの手前なかなか表立って規制できていないのが現実のようです。

       

      前述の友人によると「もしインド人ホワイトカラーのビザをシンガポールが規制したら、今度はインド政府が建設労働者をシンガポールに出さなくなるでしょう。そうなるとシンガポールの不動産業が立ち行かなくなる。だからインド人は増える一方なのよ」だそう。

       

      2024年には中国を抜いて世界最大の人口をもつ国になると言われているインドですが、東南アジアの小国シンガポールの公園でも、そのプレゼンスが無視できないものとなりつつあります。

      | 後藤百合子 | グローバルビジネスと人材 | 00:28 | - | - |
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