ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
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    日本のデフレ状態をH&M子供服の値段で知る。
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      JUGEMテーマ:経済全般

      来週末から日本に帰国するにあたり、小3の娘の服をH&Mのネット通販で買うことにしました。

       

      もちろんシンガポールでも同じものは買えるのですが、こちらから持っていくと荷物になりますし、まとめて新しく買うことによりくたびれた服を捨ててワードローブを新調できます。去年は途中立ち寄った香港でまとめ買いをして「さすが消費税がない国はシンガポールより若干安いわ」と思ったものですが、サイズ感もわかったので今年はすべて日本のネット通販にしたところ、驚くほど日本の価格が安いことに気がつきました。

       

      比べてみたのは、10種類以上のバリエーションがあってシンガポールでも人気の「ジャージーノースリーブワンピース」。

      日本で買うと内税で599円。消費税8%ですので、商品価格はわずか556円です。

       

      これを各国のウェブサイトで比べてみると価格はばらばら。(税込み価格()内は日本円、消費税率、日本円での商品価格の順)

       

      シンガポール $8.95(737円)7% 689円

      香港 $49.9(702円) 0% 702円

       

      香港は安いと思っていましたが、消費税分を控除すると商品価格はシンガポールより高くなっています。不動産価格が高く販売経費がかかりますから、当然かもしれません。

       

      他のアジアの国々もみてみました。

       

      台湾 $199(736円) 5% 701円

      韓国 W9000(900円) 10% 818円

      中国 ¥39.9(690円) 17% 590円

      マレーシア RM24.9(692円) 6% 653円

      タイ B199(685円) 7% 640円

       

      なぜか台湾は香港、シンガポールと同じくらい高く、韓国は断トツでアジア一の高さ

       

      中国、マレーシア、タイでは税込み価格はほぼ横並びですが、やはり日本より高い。賃金を考えると中〜高級品の位置づけだと思います。また、消費税分を引くと中国の商品価格はだいぶ安くなっています。それでも日本より高い。

       

      一般的に世界の物価を比較するときに引き合いに出されるのは「ビッグマック価格」ですが、食品の場合、国によって農産物価格が違うためあまり参考にならないケースもあります。その点、ファストファッションの衣料品は生産コストはすべて同じですし、海上運賃も世界中それほど変わらないので、価格設定のキーになるのはその国の人々の購買力&販売コストに絞られてきます。

       

      そして上記の結果をみる限り、アジア主要国で一番物価が安いのは日本ということになります(アジアで人気のユニクロや無印良品もアジア各国では基本、日本国内よりかなり高い価格設定です)。

       

      アジア人観光客が買い物天国の日本をめざすのは当然ですが、このようなブランドと価格競争していかなければならない日本国内メーカーの利益が出ない→従業員の給料が上がらない→購買力が下がってさらにデフレに、というデフレ・スパイラルが解消されていないどころか、さらに悪化している現状にも目を向けざるをえません。

       

      もう一つ気がついたのは、欧米では日本並みの低価格だということ

       

      米国 $4.99(550円) ※州により税率異なり決済時に付加  550円

      スウェーデン Kr49.9(633円) 12% 565円

       

      恐らく世界最大の市場であろう米国とH&M発祥の地であるスウェーデンでは、日本と商品価格がほぼ同じ。

       

      しかし、これらの国ではGDPも順調に伸びており、特にスウェーデンは2015年4.52%、2016年3.24%、2017年2.4%と非常に高い成長率をキープしています。つまり、物価も賃金も下がっていくデフレ・スパイラルとは無縁な経済状況であるということです。当然、この成長にはH&Mの企業業績も寄与しているでしょう。

       

      「日本にはユニクロがあるじゃないか?」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、スウェーデンの人口は990万人。日本の人口の10分の1以下で、H&Mの売上はユニクロの1.4倍。

       

      また、この表を見るとわかりますが、アパレル業界4位以下には米国企業が多数入っており、日本の約2.6倍の人口をもつ米国企業の売上合計は約3倍。順位を下げればこの差はさらに広がっていくでしょう。

       

      結論を言うと、日本の経済低迷最大の問題は、ユニクロやMUJIのような世界で稼げるブランドが人口規模に比して非常に少ないということではないでしょうか?

       

      私はアベノミクス第三の矢はここにこそ的を当てるものと考えていましたが、そうでなかったことが明確になった現在、早急に経済対策の抜本的見直しが必要だと思います。

      | 後藤百合子 | 高齢化社会とビジネス | 12:43 | - | - |
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