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ドンキの海外販売拡大で日本のデフレ価格もアジア輸出へ
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    日経ビジネスオンライン2/20付の記事「ドンキがバンコク初出店、「日本飽き」に抗う3つの秘策」を読みました。

     

    記事によると、シンガポールにここ2年ほどで3店舗を矢継ぎ早にオープンさせたドン・キホーテの運営会社、パン・パシフィック・ホールディングスのシンガポール法人が、バンコクに試金石となる1号店をオープン。シンガポール店と同じく、日用品などの日本製品を数多く取り揃える他、生鮮食品にも力を入れるといいます。

     

    バンコクではすでに日本から小売り店の出店が一巡して飽きられてしまい、「本物の日本製品」というだけでは順調な販売が見こめない状況の中で、ドンキは、

     

    1.店内調理

    2.商品価格

    3.出店形態

     

    の3点で他の日系小売りとの差別化を図り、シェア拡大を狙っているそう。

    安田創業会長は「日本製品を(東南アジアで)買おうとすると3倍も4倍もする。こんなバカな話はない。日本の商品は安いということを知ってもらいたい」と話す。実際、ドンドンドンキで販売する日本の商品は日系百貨店と比べて価格が抑えられている。「日本と同じ価格か、高くても1.5倍以内だ」(大原社長)。

    と、特に2.の価格戦略には相当な力を入れている模様。これはシンガポールでも同様です。

     

    その最たるものが野菜や冷蔵品などの生鮮食品。

     

    まだシンガポールに移住してきたばかりの頃。シンガポールの日本人駐在員家庭御用達の高級スーパー明治屋に入ってみたら、ごく普通の納豆3パックセットの値段が、当時の為替レートで600円ほどでした。びっくり仰天してそそくさと退散したのを覚えています。

     

    数カ月前に行ったドンキでは、それとほぼ同じものが200円台でした。「これなら買える」(買いませんでしたが)というのが私の率直な感想。

     

    いっぽう、このドンキの価格破壊攻勢の余波で倒産に追い込まれたのが、2015年に鳴り物入りでオープンした巨大日本食マーケットEmporium Shokuhinです。

     

    まだFacebookページが残っていたのでご覧いただけるとわかると思いますが、広大な店内では菓子類や調味料、ドリンク類はもちろん、ブランド和牛やソーセージなどのブランド加工肉、生け簀スペースにはやはり直輸入の高級魚介類、そして刺身や寿司などの生鮮加工食品等々、これでもかというくらい「本物の」日本食品が販売されていました。

     

    しかし商品価格は推して知るべし。マリーナベイ地域の一等地でしたので、家賃負担も相当なものだったと推察されます。日本人客というよりローカルのシンガポール人がメインターゲットだったはずですが、いくら裕福なシンガポール人が多いとはいえ、日本人と違って「どうしても新鮮なタラバガニが食べたい」とか「今夜は絶対に松坂牛のすき焼きでないといや」という人たちがどれだけいたか…。

     

    案の定、ドンキ2号店オープンの数か月後に倒産。相当な額の家賃が未払いになっているようで、現在もこのスペースはテナントが入らず無人になったままです。

     

    さすがにブランド力のある老舗の明治屋はそこまで追い込まれていないようですが、一定の割合で日本人客もドンキに流れているのは間違いありません。

     

    いっぽう、競合は日系小売りだけではありません。

     

    ここのところ急速に数を増やしているシンガポール最大のスーパーマーケット・チェーンFair PriceのFinessという中〜高所得者層にターゲットを絞った店舗では、オーガニック野菜コーナーと並んで日本の野菜や果物を扱うコーナーがあり、日本直輸入の調味料や加工食品などの品揃えもなかなかのものです。

     

    この店の商品価格も以前は明治屋よりちょっと安いか同程度だったのが、ドンキ進出後は少しずつ価格を下げてきており、私でも買える価格にだいぶ近づいてきました。さらに最近では、あちこちのショッピンターに日本の食品を扱う小規模な小売店が増えてきており、それぞれ独自ルートを通じて輸入した商品を販売しているため、ここでも価格競争が起こっています。

     

    要するにシンガポールではドンキが起爆剤となって、日本商品が高級品カテゴリーから手軽に買える日用品カテゴリーに移り、日本商品のデフレ化が進んでいるのです。(この傾向にはドンキに先立つこと数年前にシンガポールに進出し、現在も着々と店舗数を増やしつつあるダイソーも一役買っています)

     

    少子高齢化により国内市場が縮小。ただでさえ販売量下落に四苦八苦しているのに加え、デフレによる小売店からの値下げ圧力に耐え続け、何とか現状を打しようと活路を海外販売に求めてきたメーカーや流通業者にとって、ドンキが口火を切って始めたデフレ価格の海外輸出は、販売量拡大の見返りに利益の圧迫を意味する、非常に危険な諸刃の剣になるかもしれません。

    | Yuriko Goto | 東南アジアビジネス | 08:20 | - | - |
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