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    無印良品の本質とは? ~ 堤清二が作った究極の「日本」ブランド
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      <会場となったSOTA(School of the Arts Singapore)も独特の建築>

       

      チャンギ空港に新しくオープンしたショッピングモールJewelへの出展記念イベントとして、MUJI(無印良品)シンガポールが開催したパネルディスカッションを聞いてきました。

       

      一番のお目当ては小池一子さん。

       

      無印良品の立ち上げ当初からコピーライター&コンセプト・ディレクターとしてブランド構築に関わってきた大御所。伝説のアート・ディレクター田中一光さんと並び、無印文化の中核を担ってこられた人物です。

       

      このところ、堤清二と西武や無印などのセゾン文化に関して集中的に本を何冊か読んだため、直接お話が聞ける機会を逃すまじ、とこのイベントを知ってすぐに予約を入れました。

       

      まずは小池さんの基調講演から。

       

      スーパーマーケット西友のプライベートブランドとしての無印良品のコンセプトが、堤清二の「その時代にどのくらい実質的に良いものを消費者に手渡せるのかを考え、最も基本的な品ぞろえをしなさい」という一言で始まったこと、「物作りに参画する小売業」をめざしたということ、ロゴが独り歩きして物の価値を決める時代へのアンチテーゼだったとこと、などなど。

       

      40年前だったとは信じられない、現在でもじゅうぶん通用する革新的なブランド作りのコンセプトと、それを実際に製品や広告という形に昇華していく作業の様子が、小池さんのてらいのない独特の口調で語られました。

       

      まさに期待通り。

       

      特筆すべきは、1991年に最初のMUJI(海外の無印良品のブランド名)1号店をロンドンに出展したときに、アート・ディレクターの田中一光さんがデザインしてノベルティとして配ったという風呂敷

       

      風呂敷という伝統的な日本の商品でありながら安直な日本趣味をまったく感じさせない、ブランドロゴと同じインパクトのある太ゴシックの書体を配置し、意味がわかるようにそれぞれの漢字に英訳もきちんと入れるという凝った作りです。

       

      これ以外にも広告の随所に見られるフォントへのこだわりは、スティーブ・ジョブズのアップルを想起させました。

       

      小池さんのお話の後は、こちらも4月にオープンした銀座旗艦店キュレーター鈴木潤子さんによる新店舗紹介。さ来月に東京に行く際には閉店までここで過ごしたい!

       

      続いて、シンガポールのデザイナー&アーティストたちとのディスカッション。それほど期待していなかったのですが、実際にはこのパートが最大の山場でした。

       

      小池さんの「MUJIのイメージは?」という質問に対し、3人のシンガポール人パネルは「私たちがイメージする日本そのもの!」と口をそろえて返答。

       

      え??? MUJIって日本だったの???

       

      大学進学のために1982年に上京してからというもの、阿佐ヶ谷の西友、吉祥寺の西友、地元静岡県にできた西友ショッピングモール、有楽町旗艦店、そして現在はシンガポールのMUJIと、無印良品詣でを欠かしたことがなかった私にとっての無印良品とは、

       

      アメリカのミニマリズムのデザイン雑貨とか、北欧のモダンデザイン家具みたいにお洒落だけど、学生や若い会社員でも手が届く外国の香りがするブランド

       

      だったのですが…。日本というイメージとはかけ離れています。

       

      しかし、彼らのこの感想に対して小池さんが応えたのは「affordable(手が届く価格)」というキーワードでした。

       

      素材もデザインも機能もよく吟味されて洗練されているけれど、普通の庶民の日常使い品として手が届く値段であること。これこそが無印のコンセプトであって、まさにトヨタをはじめ「日本」が戦後、経済成長の原動力としてきた力であったのではないか?

       

      そして、堤清二がブランド創設にあたって最初に命じた「その時代にどのくらい実質的に良いものを消費者に手渡せるのかを考え、最も基本的な品ぞろえをしなさい」という命題こそが、彼らが感じとった「日本」の本質だったのではないか?

       

      その意味で、同じ元セゾングループの中でも、百貨店の西武カルチャーが往時の輝きを失ってしまったのに対し、スーパーマーケットの西友から出発した無印良品が、堤清二亡き後も世界中の人々からの支持を広げている、という事実はたいへん象徴的だと思います。

       

      真の「日本ブランドのもつ力」とはこれだったのかと、目からウロコが落ちるような思いがしました。

       

      小池さんがたいへん気にいっていると紹介してくれた、英The Guardian誌のWilliam Gibson記者のMUJI評。

       

      If MUJIland exists anywhere, it's probably not in Japan.  If anywhere, it may actually be here, in London.

      もしMUJI国というのがどこかに存在するとしたら、それはたぶん日本ではなく、ここ、ロンドンにあるのかもしれない。

       

       

      上っ面だけの「ジャパン」を押し出すことなく、世界のどこでも通用するユニバーサルな商品であり、同時にどこまでも「日本」の価値を失わないブランド。これが無印良品の本質なのです。

       

      改めて無印良品を生み出した、堤清二という希代のイノベーター、そして小池さんや田中さんを中心としたチームの人々の素晴らしいクリエイティビティに敬意を表するとともに、彼らと同時代を生きてこられた私自身の幸運をかみしめた2時間でした。

      JUGEMテーマ:海外進出

      | Yuriko Goto | 日本経済 | 01:20 | - | - |
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