ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住7年目。
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    貧困家庭サポートNGOが超豪華パーティー主催!? 福祉も民間主導のシンガポール
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      ■貧困家庭サポートNGOが開く超豪華パーティー
      シンガポールのオフィスにシンガポール・チルドレンズ・ソサエティという団体からDMが送られてきました。11月に開催されるチャリティ・ガラディナーへのお誘いで、場所はリッツ・カールトン・ホテルの大宴会場。シンガポール副首相も臨席。財界セレブが大挙して出席し翌日の新聞社交面を賑わせること間違いなしの豪華パーティーです。

      そんなパーティーへのご招待がどうしてわが社のような超零細企業にも送られてきたかというと、1席で1,000シンガポールドル(約8万6千円)、テーブル買いだと12,888ドル(約110万円)、VIPテーブルは30,000ドル(約258万円)というバブル時代のような超高額パーティー券販売のため。ほかにも約130万円からの広告や、「たとえ1席でもとても無理」というわが社のような会社向けに1ドルからでもOKの寄付メニューがあります。

      このNGOは1952年設立、つまりシンガポール建国以前から活動している由緒ある福祉団体で、シンガポール国内にサービス拠点が10か所あり、2013年単年度でも72,640人の貧困層の子供たちとその家族をサポートしているそうです。

      ■NGOへの寄付控除は何と2.5倍に!
      ここまで読んで「うちみたいな貧乏会社でも少しだけなら寄付できるかなー」と迷っていたときに目に飛び込んできたのが、以下の一文。

      Table sales, event sponsorships and outright donations will all be entitled to 2.5 times tax-exemption.

      つまり、このチャリティーに出席したりスポンサーになったり、寄付をしたりするとその2.5倍額が経費として税額控除になるということ。さらに、毎年表彰される社会貢献企業1000社またはシンガポール企業1000社にも自動的にリストアップされる(寄付のみは除く)という名誉つきです。

      法人所得税最高税率20%のシンガポールで、さらに経費が2.5倍額認められて、社会貢献もでき、おまけに広告宣伝効果もある企業リストにも名を連ねることができるとなれば、多少利益が出ている会社の社長だったらすぐに「1テーブル分くらい買ってもいいかな」と思うのではないでしょうか?

      ■経済効果は多方面に波及
      イベント効果はそれだけではありません。まず会場のホテルにお金が落ちますし、ガラディナーですからそれなりのドレスやスーツも用意しなければなりません(シンガポール人はふだんはとてもカジュアルですが、パーティのときはきっちりドレスアップします)。そうすると、ブティックなどでも販売が伸びてあらゆるところでwinwinになるのです。そのためかチャリティー・ガラディナーはしょっちゅう開かれています。


      ■税収が多少減っても政府にはこんな利点が
      では、2.5倍控除によって税収入が減るシンガポール政府はどうでしょうか?

      この団体のようなNGO活動(シンガポールではGrass Roots Organizationと呼ばれます)に政府は場所を無償で提供したり、多少の補助金を出すことが多いようです。しかし、NGO運営費は基本的にすべて寄付や独自事業の収益によってまかなわれます。

      つまり、政府からほとんど補助がない代わり、このような税額控除などの恩恵を受けることができるのです。結果として、政府は福祉予算に回す支出が減り、日本のお役所に散見されるような予算のばら撒きが非常に少ないように見受けられます。

      また職員として働く人はもちろん、シンガポールでは多くの人々がボランティアとしてNGO活動に参加しています。ボランティアたちにより政府はさまざまな社会的活動に関するコストを削減できるだけでなく、折にふれて彼らを国の行事に招いたりすることにより、自分たちの日々の活動が国家運営に関わっているという意識をもたせ、ひいては愛国心の向上にも貢献しているようです。

      ■日本にもこんな制度があったら経営者は絶対に寄付します
      今月末は日本の本社もちょうど決算月にあたります。日本ではもう少し利益も出ていますし毎年納税していますが、例年、その工面に四苦八苦しているのが現状です。

      もし日本にこんなチャリティー・ガラ・ディナーがあったら、1テーブルは無理でも、2席くらいは買えるのに・・・。そして43万円の経費扱いで、18万円の節税になるのに・・・とつい無駄に計算してしましたが、こんなシンガポール的発想を日本政府が採用する日はいつか来るのでしょうか? 

      もしこんな制度があれば、私のような多くの経営者は絶対に寄付するのに、と思ってやみません。
      | 後藤百合子 | シンガポール社会 | 18:06 | - | - |
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