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    『フォーチュン』誌「最強女性50人」にみる2014年の米女性経営者像
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      ■話題性ではなく実力が問われるアメリカの女性経営者
      米フォーチュン誌10月号で恒例、アメリカを代表する女性経営者をランキングする「最強女性50人」が発表されました。

      7位までの顔ぶれは以下の通りです。

      1位(前年1位) ジニ・ロメッティ(IBM CEO 57歳)
      2位(前年29位) メアリー・バラ(ジェネラル・モーターズ CEO 52歳)
      3位(前年2位) インドラ・ヌーイ(ペプシコ CEO 58歳)
      4位(前年4位) マリリン・ヒューソン(ロッキード・マーティン CEO 60歳)
      5位(前年3位) エレン・クルマン(デュポン CEO 58歳)
      6位(前年9位) メグ・ホィットマン(ヒューレット・パッカード CEO 58歳)
      7位(前年6位) アイリーン・ローゼンフェルド(モンデレツ・インターナショナル CEO 61歳)

      アメリカを代表する堂々たる企業の最高責任者に、50代から60代前半にかけて、気力も経験もじゅうぶんな、貫禄ある女性たちが選ばれているという印象を受けます。

      もう一つ共通しているのは、現在、彼女たちが率いている会社が決して順風満帆な状態ではなく、経営の道は困難に満ちているという点です。

      ■苦悩するIBMとGEのトップをつとめる2人の女性
      2年連続トップにランキングされたロメッティ氏は、1981年にシステムエンジニアとしてIBMに入社した叩き上げ。CEO2期目に入っていますが、IBMは現在も9四半期連続で売り上げを落としています。アメリカ経済をけん引してきたこの巨大企業を率い、不採算部門の売却や業務の効率化(契約書を30ページから4ページに削減など)の大胆な業務改革を行うと同時に、積年の宿敵であるアップル社と組み、i-OSでのソフトウェア開発などに乗り出しています。

      北欧系の血をひくすらりとした長身にブロンド、碧眼。若い頃には人目をひく美女だったと推察しますが、アップルのティム・クックCEOをして「恐ろしく頭がいい」と言わしめた頭脳とずば抜けたコミニケーション力で「ガラスの天井」をはねのけてきたと言われています。

      2位のGMバラ氏は史上初の大手自動車製造会社女性CEOになったものの、就任直後にやはり史上最悪のリコールに直面。せっかく回復していた株価も急降下するという苦境の中、それを逆手に取って悪名高いGMの企業風土改革に取り組んでいます。こちらも父が39年間GMに勤務したワーキングクラスの家庭に育ち、18歳からGMで働き始めてMBAまで取得。2人の子供をもつワーキングマザーです。

      逆境にもめげずにGMの大企業病と闘う彼女は率直で飾らない人柄が持ち味で、あのウォーレン・バフェットも「彼女こそ適任」とGM株を買い増しているそうです。

      ■10万人のスタッフの頂点にたったジャマイカ出身のアン・マリー・キャンベル
      いっぽう、昨年マスコミで大きく取り上げられてワーキングウーマンのアイコンともなったIT系の「絵になる」若手経営者たちは順位を下げているか変わらずで低迷。

      10位(前年5位)シェリル・サンドバーグ(フェイスブックCOO 45歳)
      16位(前年8位)マリッサ・メイヤー(ヤフーCEO 39歳)
      19位(前年19位)スーザン・ウォシッキー(グーグル、ユーチューブCEO 46歳)

      このランキングを見てもアメリカの女性経営者は、イメージ先行からじっくりと腰を据えて働き続けてきた実力重視のフェイズに突入したといえるでしょう。

      もう1人CEOではないですが注目したいのが、38位にランキングされたアン・マリー・キャンベル氏。

      アフリカ系アメリカ人でジャマイカ出身の彼女は、ウォルマートに次ぐ世界第2位の小売店であるホーム・デポの南部地域トップに。大学在学中にレジ係としてキャリアを始め、15州にまたがる690店舗、10万人のスタッフを率いる地位につきました。まだまだ女性差別と人種差別が残るアメリカ南部地域で巨大チェーンのトップに立つというのは、並大抵の努力ではできなかったことだと思います。

      ■日本の女性経営者もぜひ登場を!
      この他にも「女性起業家10人」の中に幼児・家庭用品の小売り会社「オネスト・カンパニー(正直な会社)」を2012年に立ち上げて1億2,200万ドルを売り上げ、「顧客と真摯な関係を築いていきたい」と語る女優ジェシカ・アルバが選ばれていたり、まだまだ太子党(共産党幹部の子弟)系女性経営者が闊歩する中国で、学校の先生から転身したというアリババの2人の女性重役が紹介されていたり、と非常に読みごたえがありました。

      ただ一つ残念なのは、世界第3位の経済大国でありながら、アジア太平洋地域で日本人が1人も選ばれなかったこと…。

      ぜひ来年は素晴らしい日本の女性経営者が世界のビジネスマンに紹介されることを期待しています。
      | Yuriko Goto | 女性の働き方 | 18:16 | - | - |
      マタハラ、逆マタハラにならないためにできること
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        ■広島マタハラ事件判決で問題とされているのは何か?
        先週、いわゆる「マタニティ・ハラスメント」問題で降格・減給された女性が職場を訴えた裁判で、最高裁は高裁での審議やり直しの判決を出しました。公開されている判決文を読んでみましたが、ちまたの「マタハラは違法」というセンセーショナルな見出しの、何がマタハラなのかさえもよくわからない一般報道と違い、問題点がかなりクリアにわかりました。

        1. 理学療法士である原告女性は、平成16年4月、訪問リハビリチームから病院内リハビリチームに異動となり、リハビリテーション科副主任となって病院内リハビリチームの取りまとめを行う業務についた。

        2. その頃第1子を妊娠した原告女性は、平成18年2月に育休後職場復帰し、訪問リハビリチームに異動し副主任として訪問リハビリチームの取りまとめを行う業務についた。

        3. 病院側は平成19年7月、リハビリ科のうち訪問リハビリチーム業務を別組織である介護施設Bに委託し、原告女性は介護施設Bの副主任となった。

        4. 平成20年2月、原告女性は第2子を妊娠し、身体的負担が軽いとされていた病院内リハビリチームに異動を希望し、病院は3月にBからリハビリテーション科への異動を行った。この際、原告女性は副主任職をはずされた。

        5. 当時、病院側は原告女性に副主任職をはずすということを手続き上のミスにより伝えず、3月になってからリハビリ科長が説明し、原告女性はしぶしぶ承知したが、自分自身のミスによる降格とは思われたくないので、4月付ではなく3月付にしてほしいと本人が申し出た。

        6. 原告は平成20年9月から平成21年10月まで産休及び育休を取得し、職場復帰後Bの訪問リハビリ業務に異動となったが、そこには原告女性より6年キャリアが短い副主任がいて業務のとりまとめを行っており、原告女性は副主任に戻ることができなかった。

        7. 副主任手当は9,500円である。(原告女性には降格後この手当が支払われなかった)

        今回の判決で大きな問題になっているのは、主に4〜5です。

        ■妊娠中の降格じたいが最大の問題ではない。
        判決要旨の中で述べられているのは、妊娠や産休・育休を理由に降格を行うことはならないが、本人が別のポジションを希望した場合、降格・減給などデメリットがあるのであれば、雇用者側はきちんと説明し、本人が納得した上で降格を行わなければならない。それを雇用者側のミスにより伝えてなかったのならば、たとえ本人が後で了承したとしても雇用者側に責任が発生する、というものです。

        つまり、妊娠により降格や減給などは基本的にしてはならないけれど、本人がすべてを了解したうえで希望する場合には認められる、今回はその義務を雇用者側が怠ったので、再度精査すべきである、という判決内容なのです。

        ■原告女性に配慮しつつも訴えられた雇用者
        原審は,上告人が配置されるなら辞めるという理学療法士が2人いる職場があるなど復帰先が絞られ,軽易業務への転換前の職場であったBが復帰先になったところ,Bには既に副主任として配置されていた理学療法士がおり,上告人を副主任にする必要がなかったのであるから,均等法等に違反するものでも人事権の濫用に当たるものでもない旨判示する。 (裁判官櫻井龍子の補足意見)

        降格時に「自分がミスしたから降格になると思われるがいやだから日付を1か月ずらしてほしい」と本人が希望したり、「原告女性が配置されるなら辞めるという理学療法士が2人いる職場があるなど復帰先が絞られ」とあることなどから、原告女性は職場の中でもかなり処遇が難しい人物であり、病院側としても腫物に触るような扱いをしてきたのではないかと想像できます。また、原告女性の2回の長期間の産休・育休後にも職場復帰が自然に行われていることからも、いわゆる「マタハラ」な雇用者ではなく、真剣に従業員のことを考え、対応してきた真面目な病院ではないかと思えるのです。

        ■逆マタハラ濫用の中国
        これは以前、私が経営していた中国の会社で実際にあった話です。

        出納係にAさんという女性がおり、入社後半年ほどしてから妊娠を告げてきました。またその頃から彼女はしきりに勤務時間中に外出するようになりました。もちろん、妊娠検診など理由のはっきりしたものはわかるのですが、銀行に行ってくるとか、文具を買いに行くとかと言って、ほぼ毎日2〜3時間も外出するのです。

        不思議に思っていると、他の社員が「Aさんが他社でアルバイトをしている」と密告してきました。出納係には経理の資格が必要で、どの会社も必ずその資格をもつ人を2人以上置かなければならないことが法律で決まっています。しかし、小さい会社では2人も雇う余裕がないため、アルバイトを頼むことがあるのです。Aさんはそのアルバイトを数社掛け持ちしていたようでした。

        さっそくAさんを呼んで追及したところ、「絶対にそんなことはしていない」と言い張ります。「では今後、銀行や買い物は他の人にしてもらって、あなたはいっさい外出しないでください」と命令したところ「では辞めます」と言って辞職してしまいました。ここでやれやれと思った私は浅はかでした。

        数日後、労働局から電話がかかってきました。Aさんが「妊娠を理由に会社を解雇された」と労働局に訴えたのです。もちろん担当者には「妊娠が辞職の理由ではなく、こういうことがあって」と事情を説明しましたが、「事情はわかるけど法律だから」と聞き入れられませんでした。その結果、会社はAさんがとっくに辞めてしまっているにもかかわらず、1年間の育休期間も含めた2年弱の給料と保険等一切を払い続けなければならないことになったのです(中国では育休中も100%給料が雇用主から支払われます)。もちろん、Aさんがこの間もアルバイトを続けていたことは言うまでもありません。

        後で中国人の経営者に憤ってこの話をしたところ「中国じゃそんなの当たり前。Aさんは確信犯で、最初からそのつもりだったんだよ。だから僕たちは子供がいない女性はまず雇わないよ(一人っ子政策のため一人子供がいればそれ以上産めない)」と返され驚きました。まさに「上に政策あれば下に対策あり」です。この話を聞いてから、私も中国では必ず面接時に子供の有無を聞いて、子供がいる女性だけを雇うようにしました。

        ■雇用者はマタハラのみならず逆マタハラにも注意が必要
        妊娠・出産という女性の人生の大イベント時に職場で差別があるというのはあってはならないことです。今回の判決でも男女雇用機会均等法の精神に鑑み、不当な扱いがなかったかどうか、という点について判決文の非常に大きな部分が割かれています。

        しかし、私が経験した中国のケースのみならず、妊娠・出産を武器に特別扱いを求め「自分の希望する部署で賃金や待遇も変わらず」勤務したいというのは、少し違うのではないかと思うのです。今回の判決でも、雇用者側は女性の希望に沿って処遇したのにもかかわらず、降格・減給をきちんと説明・了承を得なかった説明責任を果たさなかったために差し戻し判決となったものであり、降格・減給が間違っていたとは言明していないのです。

        ■雇用者はもっと説明責任を果たそう。
        もちろん、世の中には妊娠したと伝えただけで退職勧告をするような信じられない雇用者もまだまだいると聞きます。このような雇用者は言語道断ですが、それよりもっと気を遣わなければならないのは一緒に働く同僚たちでしょう。ワーキングウーマンの妊娠・産休・育休取得で一番影響を受けるのは、実は彼ら(彼女ら)なのです。

        妊娠中仕事をフォローしたり、休暇中は臨時社員にその仕事を教えたり、場合によってはその社員の仕事を肩代わりしなくてはいけません。そのときに「私のためにみんなありがとう」という感謝の気持ちではなく、「妊娠・出産するのだから当然」という態度で接せられたらそもそも職場内で浮き上がってしまうでしょう。雇用者にとっては本人以外の周囲の同僚たちも大切な従業員なのですから、やはり困ってしまいます。ここをきちんと説明し、本人からも同僚たちからも同意を得ていくプロセスが非常に大切なのではないかと思います。

        ■ワークライフバランスに対応する政策を!
        現在の法律では、従業員が妊娠・産休・育休中の職場でのフォローはすべて雇用者側の負担となっています。育休中の給与は支払義務がありませんが、通常、1年以上になる産休・育休時には派遣など代わりの社員を雇用してもいっさい国からの補助はありません。1年強という短期間ではなかなか職場に合うような方からの応募も少ないことから、中小企業ではこの期間を他の社員たちの協力で何とか乗り切ることが少なくありません。

        少子化対策、女性のワークライフバランス対策を真剣に考えるのであれば、育休3年間など浮世離れした政策をぶちあげるのではなく、まず、妊娠・出産・育児期間の女性社員の代替をどう確保し、その財源をどうするのか、すべて企業に丸投げするのではなく、国として役割分担をするしっかりと政策をたててほしいと思います。それにより、今回のような事件も未然に防止できるのではないかと考えます。
        | Yuriko Goto | 女性の働き方 | 18:15 | - | - |
        上川陽子新法相にみる女子校力
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          ■本当に実力ある女性議員が入閣していなかった第2次安倍内閣
          山谷えり子前法務大臣(臨時代理)の辞任に伴い、今月、静岡1区選出の上川陽子さんが新たに法相に就任しました。

          「女性の積極登用」を掲げて小泉政権時代並び過去最多の5人の女性閣僚を入閣させた安倍第2時内閣でしたが、組閣当初から私の頭の中には「?」マークがよぎっていました。世襲の小渕議員を筆頭として、爽やかイメージ、知名度が高い、安倍首相と政治信条が同じなど、実際の大臣職に求められる政策立案・実行能力とは関係ない側面が評価されて入閣された方ばかりという気がしていたのです。

          新法相の上川陽子議員とは以前、1度だけでしたが直接ゆっくりとお話しする機会があったこともあり「なぜ上川さんのような経験も実力もある実務肌の女性が大臣にならないのだろう?(第一次安倍内閣では少子化/男女共同参画特命大臣)」と疑問に思っていました。

          ■政治家になるべくしてなった上川さんのキャリア
          改めて上川さんの経歴をみるとまさに筋金入りのエリートです。

          東大教養学部国際関係論専攻、シンクタンク三菱総研の研究員となった後、パン国連事務局長やシンガポールのリー・シェンロン首相も学んだハーバード大学ケネディスクールで修士号を取得。アメリカで上院議員の政策秘書を勤めてから帰国し、最初は無所属で衆院選に立候補します。

          初出馬こそ惨敗でしたが、自民党大御所議員のいる選挙区で自民党から公認を受けたり無所属だったりしながら政治活動を続け、現在4期目のベテラン。政治家になるべくしてなった人生と言えるでしょう。しかしその政治家人生は決して順調なものではありません。私がお会いしたときも落選直後でしたが、後援者とともにミニ政治集会を重ねる生活を続けていらっしゃり、子供の脳死問題、福祉問題について熱く語っておられた上川さんの真剣なまなざしが今でも強く印象に残っています。

          ■七転び八起きの政治家人生を支えた女子校力
          これだけのエリートでありながら、波瀾万丈の上川さんの政治家人生を支え続けてきた強い信念はどこからきているのでしょうか? 大手シンクタンクのエリート研究員としての安定した会社員人生にも、銀行員の妻という地位にも安住せず、子育ても実家の母親と二人三脚で政治の世界で孤軍奮闘してきた上川さんを見ていると、世襲議員の家業感覚でもなく、靖国参拝議員にみる愛国思想でもなく、もっと本質的な「社会を改革したい」という強い欲求があるのではないかと感じざるをえません。
           
          私自身、中学から高校とのんびり6年一貫教育の私立の学校できたから、わりと人が考えないことでもやってみようとか、何かおもしろそうだなとか、そういう夢を自分の中で大切に育てることができたような気がします。ここに行きたいなあと思うと、どうしたら行けるかなあと考えるでしょう。ちょっと勉強してみようか、浪人してもやろうかとかね。

          ハーバードヘの留学だって、いちばん行きたいところへ行こう、そのためにはどうしたらいいのかな。でも、行きたいという熱意は、やっぱりレポートに出てくるわけだし、自分の言葉で書くわけだから。そういうのは相手に伝わるんじゃないですかね。何よりまず自分の中に意欲がないと。いやいやながら、ほどほどになんて思ってたら、自分を生かすことはできないですよね。

          まずは自分の可能性を信じて---。
          (上川陽子公式ホームページより)


          ■女子校で思春期の6年間を過ごすということ
          実は上川さんが通った中高一貫教育の女子校は私自身の母校でもあります。

          現在では信じられないことですが、当時の静岡県の高校には厳然として男女差別があり、男子枠と女子枠というのが決められていて、例えば私の出身市で最も偏差値の高い旧制中学の流れをくむ県立高校では、女子は全体の1〜2割までの人数しか入学が認められていませんでした。公立中学の進路指導で男子と同レベルの学力があっても、多くの女子学生は受験することすらできなかったのです。

          そのため、ある程度勉強ができて多少金銭的に余裕がある家庭の少女たちは、こぞって私立中学・高校を受験して入学しました。そこでは人生の進路を決定する思春期の6年間、異性の目をいっさい気にすることなく、のびのびと自分たちの好きなこと、したいことに専念できる環境が整っていたのです。

          ■“We can do it!”が自然に身につく女子校
          戦時中、男性たちの代わりにアメリカの軍需工場で働いた女性を鼓舞するために作られた“We can do it!”という標語入りポスターがあります。ダンガリーシャツを着てドットスカーフを頭に巻いた若い女性が力こぶを作って「私たちにもできる!」と強い意志をみなぎらせるこのポスターは、独立独歩のアメリカ女性のアイコンとして今もあちこちで使われています。

          しかし、女子校では“We can do it!”は当たり前すぎて、誰もそんなことは言いません。

          なにせ女子しかいないのです。生徒会長も、体育祭の応援団長も、文化祭の実行委員長も、卒業式の総代もすべて女子。母校では毎年卒業生を送る会で学年別にお芝居を企画・上演していましたが、男役はもちろん、脚本も演出も、そして大道具も照明もすべて自分たちで行うほかありません。その中で育ってきた少女たちには社会に出ても「女だからできない」「女だから特別」という発想がないのは自然なことでした。

          ■上川陽子さんに続く女性たちを輩出する社会に
          しかし、そんな女子校力をつけてもまだまだ旧弊な日本社会の荒波にもまれると、せっかく素晴らしい能力をもっているのに途中で挫折してしまう女性たちが決して少なくありません。

          法相として政治家としての新たなスタートラインについた上川さんのように、強い意志力をもって最後までやり抜く力、圧力を跳ね返して進んでいく生命力をもった女性たちが女子校のみならず、共学高からもどんどん育っていくことを願ってやみません。そんな女性たちのロールモデルとして、ぜひ上川陽子議員にはこれからも政治の第一線で活躍してほしいと思います。
          | Yuriko Goto | 女性の働き方 | 18:11 | - | - |
          転職をすると給料が下がる理由
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            ■アジアで一番転職が多い日本女性
            前回経営者が転職を繰り返す人を雇いくない理由を書きましたが、転職、特に女性の転職についてリクルートワークス研究所が重要な研究成果を公表しています。

            この論文、荻原牧子氏の「彼らは本当に転職を繰り返すのか」は、アジア8か国と日米の20代、30代のビジネスマンの転職に関するアンケート結果をもとに書かれています。これによると、日本でもアジアでも、転職を繰り返す人は一部で、彼らが何度も転職を繰り返すために全体としての転職率が上がっている、という結果が出ています。日本は終身雇用制度があるけれど、海外では転職でステップアップが当たり前、という通説は実は間違っていて、海外でも転職をまったくしない、ほとんどしない人が多いことがわかります。

            逆に注目すべきなのは、30代日本女性の転職率が調査対象国中最も高いことです。転職経験がまったくない人はわずか22%にとどまり、インド女性の50.4%、アメリカ女性の41.7%、韓国女性の39.4%と比べると約半分しかいません。また、転職を繰り返す人が多いタイ(25.4%)、インドネシア(24.1%)、マレーシア(27.9%)の女性と比べても日本女性の転職率の高さが目立ちます。

            ■転職で給料が下がっていく現実
            転職の理由は何でしょうか?

            発展途上国ではインフレ率が高いことが多いため、生活のために少しでも給料が高い会社に転職する人が絶えません。日本を除くアジア8か国とアメリカの転職理由の一番は「賃金への不満」で、インドの37.1%を筆頭に中国、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムでほぼ30%前後、比較的割合が低いアメリカ(18.1%)や韓国(14.8%)と比べても、日本ではわずか5.1%にすぎず、突出して低くなっています。つまり、給与に不満がないのに転職する人が非常に多いということです。

            逆に日本人の転職理由で多いのは、「人間関係への不満」(10.2%)です。他国は1.8%〜5.2%ですから一番低い国の5倍、高い国とも2倍の開きがあります。

            私が最も問題だと思うのは、他国では半数以上、特に中国女性では約85%が転職により給与が増えたと回答しているのに比べ、日本女性では転職して給与が10%以上減った人が平均で41.4%と非常に多く(10%以上給与が増えた人は28.3%)、特に転職2回目以上では増える人よりも減る人のほうが圧倒的に多くなることです。

            ■妊娠・出産の好機を転職で逃す可能性も
            もう一つ気になるのが、転職する人のほとんどが6年以内に最初の会社を離職していることです。6年以上勤めてから転職した人は全体のわずか10%に過ぎず、大卒ですと23歳〜29歳という、仕事を一番覚えていく時期、また女性にとっては妊娠・出産の一番望ましい時期に転職していることになります。

            この時期に転職することのデメリットは何でしょうか?

            20代というのは職業人としての基礎を作る非常に大事な期間です。「石の上にも3年」と言いますが、3年あれば一つの仕事をだいたいマスターし次のステップに進むことができます。これを数回繰り返し、30代になってやっと学んできたことを実際に応用し自分自身の仕事スタイルを創り上げる時期に入るのです。

            しかし調査の結果では、70%近くもの女性がこの時期に転職を経験しています。会社を変われば仕事のスタイルや仕事に対する姿勢も新しい会社に合わせていかなければなりませんので、一つの会社でステップアップしていく以上の負荷がかかります。さらに同僚や上司など社内の人間関係やお客様との関係など、新しく人間関係を築いていくストレスやプレッシャーも加わるでしょう。つまり仕事そのものだけでなく、それ以外のことでも大変になるということです。

            また、転職をしてすぐの妊娠・出産を躊躇する女性も多いと思います。

            例えば6年以上勤務した会社で「妊娠しましたので育児休暇を取らせてください」と上司や同僚に伝えるのはそれほど苦にはならず、祝福されるケースがほとんどだと思います。しかし、転職して1,2年しか経たないうちに育児休暇を申請したら同僚や上司からの風当たりがきつくなるのは目に見えていますので、つい先送りになってしまうのではないでしょうか。実際、私も面接時には出産適齢期の女性に今後の人生計画を聞くようにしてますが。ほとんどの方は「数年間は子育ての予定はありません」と即答します。

            ■安心して仕事と子育てが両立できるのは長く勤めている職場だからこそ
            以前の記事にも書きましたが、女性が正社員として働くのが当たり前の北陸では、多くの女性が同じ職場で長く働き続け、転職はまれです。私が直接知っている女性たちは平均で2〜3人の子供を育てており、何度も出産・育児休暇を取得しては元の職場に復帰し着実にキャリアを積み重ねています。

            海外でも同様です。例えば私が20年ほど前に働いていた香港の会社のオフィスでは、当時の女性スタッフの8割が今も同じ職場で働いていて、その半数は仕事をしながら子育てをしています。安定した職場と仕事があれば、キャリアアップをしながらの子育てもぐんと現実味を帯びてくるのです。

            ■転職は自分のライフプランの中で慎重に考えて
            「もっと自分に合った職場があるのではないか」「自分が人生で求めているものはこの仕事ではないのではないか」と20代の女性が焦る気持ちは、私自身も経験したことがあるのでよくわかります。しかし自分の可能性を求めて転職を繰り返すことによって給与は下がり、出産のチャンスも逃してしまうのであれば、本末転倒ではないでしょうか?

            昔は男女限らず「一つの職場に長く勤め続けること」が美徳とされました。「会社を辞めたい」と親や年長者に相談したら必ず「どこに行っても同じなのだから、今の職場に勤め続けなさい」とアドバイスされたものです。

            しかし1980年代にリクルート社が発行する『とらばーゆ』が創刊されてから、転職は何かカッコいいことのように捉えられ、転職したら現在の問題がすべて解決されるような風潮が生まれてきたのではないかと思います。果たして本当にそうなのでしょうか?

            すべての転職が悪いとは言いませんが、もしも「もっと違う世界を知りたい」「ここではない違う会社で働いてみたい」というような漠然とした理由で転職を考えるのなら、もう一度立ち止まって転職によるメリットとデメリット、今の職場にとどまるメリットとデメリットをよく考えてみてほしいと思います。

            転職は一瞬ですが、人生は何十年も続きます。刹那的に会社を辞めて後で後悔しても後悔先にたたず。辞めるのはいつでもできますが、まずその前にもう一度自分のライフプランを再考し、最も自分の人生にプラスになる選択をするのが賢明な女性だと思います。
            | Yuriko Goto | 転職 | 18:08 | - | - |
            転職を繰り返す人を採用したくない3つの理由
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              9月28日付で日本版ハフィントン・ポストに経営者の安達裕哉さんが『「転職回数多すぎ」に思う。』という記事を書いていらっしゃいます。

              記事の内容は「途中入社した人は出世できないのは日本だけ」「転職回数と実際のスキルは無関係」「日本社会は生え抜きが好きなので転職の多い人は好まれない」というもので、私には全体的に転職を繰り返しても問題ない、という論旨に読めました。

              しかし経営者としてこれまで数百人の方々と面接し採用してきた経験からいうと、2〜3年以下という短い年数で何度も転職を繰り返す人を採用することはごくまれです。また、多くの経営者は同様の感覚を共有しているのではないかと思います。ここでは雇用者の立場からその理由を書いてみたいと思います。

              ■理由1:会社の方針や組織に対して批判的。
              どの会社にも独自の組織や風土、文化というものがあります。特に中小企業ではトップのカラーが組織に強く反映されるため、会社を変われば外国に行ったのと変わらないくらいの企業風土の違いを経験することもあるでしょう。転職回数が多い人は一般的に「前の会社ではこうだった」という主張をしたり、「この会社のこういうところがおかしい」と批判したりする人が多い傾向にあるように見受けられます。

              意見や批判がよい方向に建設的に働いてくれるのであれば大歓迎なのですが、往々にしてただの不平不満に終始してしまいます。こんな不平不満が耳に入ってくるのは。経営者としては決して気分のよいものではありませんし、他の社員へ悪影響も心配にもなります。

              ■理由2:会社のことや待遇をよく知らずに入社してしまう。
              転職を繰り返す人に多いのが、入社してから「こんな会社だとは思わなかった」「最初に聞いていた額の給料をもらえなかった」「上司と合わず自分のしたい仕事ができなかった」などの欠点に気がつくというパターンです。これが上記の会社批判にもつながってくるのですが、こういう話になると「どうして面接のときにもっときちんと聞かなかったのですか?」と思ってしまいます。そして実際に聞いてみると「面接のときにはわからなかった」という答えがほとんどです。

              最も気になるのは、こういう人に限って私と面接しているときに「自分はこういうことをしてきました」「こういうことができます」と自分自身についてはいろいろ話してくれるのですが、実際にこちらがどういう会社で、どんな経営理念や文化風土があるのか、仕事をするにあたって何を大切にしているのか、昇給や賞与はどのような仕組になっていて具体的にどのような状況なのか、会社の経営状態はどうか等々、とても大切なことをほとんど聞いてこないという点です。

              よほどどんな環境にもどんな労働条件でも適応できる、という自信があれば別ですが、そうでないのでしたら面接という絶好の機会に、もっともっと自分が就職しようと考えている会社のことを知る努力をする必要があるのではないでしょうか?

              ■理由3:自分の仕事の市場価値を把握していない。
              何度も転職を繰り返す人と希望給与の話をするとよく言われるのが、「前の会社でこのくらいだったからこのくらいはほしい」というものです。お役所や公益団体ならいざ知らず、営利企業であれば必ず経営者は費用対効果を考えます。

              新卒は何もできなくて当たり前ですから教育から始めなければなりませんが、中途採用の人材に経営者が求めるのは即戦力です。その場合、「いくらほしい」のではなく「これまでの経験から自分は何がどのくらいでき、その結果いくら稼げます。ですからこのくらいの額を報酬としてもらいたい」ということをはっきり要求できるくらいのコスト意識をもってほしいと思います。

              短期間で転職を繰り返す人の場合、ある程度の業務がこなせるようになったところで転職していることが多いため、このように仕事上の実績と自分の貢献度が会社全体の中で把握できる段階に至っていないことがよくあるように感じます。

              ■面接はお見合いの場、相手のことをもっと知る努力を。
              とはいえ、転職回数の多い人とはまったく面接をしないわけでもありませんし、実力はあるのに自分ではどうにもならない不運が重なって転職せざるをえなかった、という人がいることも事実です。

              私は就職は結婚と同じ、面接はお見合いと同じ、と日頃からみなさんに言っているのですが、お互いに都合のいい幻想だけ抱いて結婚したら悲惨な結末を迎えるように、就職する前にしっかりと相手を理解するのは重要です。面接はそのための絶好の機会なのですから、この機会をじゅうぶんに利用してほしいと思います。

              それでももし就職後、やはり自分の考えていたのと違っていた、ということに気づいたのであれば、できれば2週間以内、長くても3か月以内に辞職することをお薦めします。そうすれば転職を繰り返す人という評価にはなりにくいですし(2週間は労働基準法で認められた試用期間、3か月は通常「仕事や会社が合わなかった」で通せるレベルです)、会社も次の人材探しにすぐにかかれます。お互いに痛みが少なくてすむのです。
              | Yuriko Goto | 転職 | 18:07 | - | - |
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