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    1日15分、3,996円でTOEIC700点のビジネス英語をマスターする方法
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      JUGEMテーマ:海外進出
      最近、私の周囲でも「海外営業でどうしても英語が必要なので、英会話学校に通って必死に勉強している」と嘆くビジネスマンが増えてきました。
       
      通常の量の仕事をこなしながら何とか時間を捻出して学校に通い、家族との時間や睡眠時間を削ってまで勉強する努力には頭が下がりますが、同時に、もっと時間やお金をかけずに簡単に実践でビジネス英語をマスターできる方法があるのに、と残念に思います。
       
      ただでさえしなければならないことが山のようにあるビジネスマンが必要に迫られてビジネス英語をマスターしなければならない場合、最低限の時間とコストで、実戦で使えるビジネス英語を使えるようになるコツをお伝えしたいと思います。
       
      ■ビジネスメールに不可欠なのは読む・書く最低限の英語力のみ
      日本国内でも同様ですが、国際ビジネスのやり取りの大半はメールです。電話で会話する必要性はごく少数の例外を除き、皆無と言ってもよいでしょう。
       
      メールのやり取りで必要な英語力は「読む」力です。ただ、「読む」といってもしょせんメールですので、相手は論文のように複雑難解な文章を書いてくるわけではありません。「簡潔に」「要点を絞って」書くのが世界的な常識です。
       
      最近はビジネスメールもスマホで送る人が増えてきていますのでより短く、定型的になっています。ですからビジネスメール読解には最低限の英語力と、業界の専門用語さえわかれば読解は決して難しくありません。
       
      返信も同様です。こちらもメールの定型に則って最低限の英語さえ書ければ、必要じゅうぶんなメールのやり取りはできます。
       
      ■商談や展示会では聞く力がポイント
      外国人とのビジネスで最大の難関は、商談や展示会など実際に対面して会話をする場面でしょう。「言葉が通じなかったらどうしよう?」とずいぶん前から戦々恐々としている方も多いと思います。
       
      しかし商談は、基本的には自分の最も得意なビジネスの分野のことを話す機会です。このような場面で一番重要なのは専門知識。必要な用語さえ英語で知っていれば、相手もプロですから、多少文法や発音が間違っていても通じてしまうことがほとんどです。
       
      また品質や価格など細かい交渉が必要な件については「後ほどメールで返信する」と伝えておけば、口頭で答える必要もありません。相手が話していることをきちんと聞き取ることさえできれば、話す能力はそれほど重要ではないのです。
       
      ■ことわざやイディオムは覚える必要なし。
      ある統計によると、世界人口70億人のうち、英語ネイティブはわずか3.9億人。しかし、英語が話せる人は17.5億人もいるそうです。世界で英語を話す人は4人に1人になりますが、生まれつき英語を話している人はさらに少なく、そのうち4人に1人未満。逆に言えば、英語を話す人のうち、4人に3人は日本人の私たちと同じく、ふだんは自分の国の言葉を話している人たちなのです。
       
      当然、アメリカやイギリスなどをメイン・マーケットとしない限り、英語ネイティブと話す機会のほうが圧倒的に少なくなります。逆にいえば、英語を外国語として話す人とビジネスをする機会のほうが多いということです。
       
      その際、留意したいのが、イディオムやことわざなど。大学入試や英検の問題によく出てきますし、英語の上達本やNHKの「ビジネス英会話」などでも、「こういう言い回しを知らないとネイティブと話が通じない」的な紹介のされ方をよくされているので、ビジネス英語に不可欠だと思ってしまっている人もいるのでは。
       
      が、そもそも日本語でも、ビジネスシーンでことわざや四字熟語を使うことはあるでしょうか? 「ここは歯に衣着せず製品の感想をおっしゃってください」とか「捲土重来で売り上げのV字回復を目指したいものです」なとどという会話を、少なくとも私は商談でしたことはありません(「歯に衣着せず」は「率直に」、「捲土重来」は「もう一度」で十分です)。ましてや、外国人同士が慣れない言葉でイディオムやことわざを多用しているというのは、オタク同士でもない限りないと考えていいでしょう。
       
      米英のインテリと議論したいのなら別かもしれませんが、実践の場で使われる頻度の低いイディオムやことわざは、必死に覚えてもただの宝の持ち腐れ。最初から覚える必要はないと思います。(ただし、in terms of や for the time beingなど、ビジネスでよく使われる最低限の言い回しは必須です)
       
      ■「文法間違い」「日本語訛り」は気にしない。
      「正しい文法」「ネイティブのようなきれいな発音」を目指して勉強している方もいらっしゃいますが、これらもビジネス英語にはほとんど必要ありません。
       
      ビジネスの場で三人称単数の動詞に「s」がついていなくても訂正する人は誰もいませんし、日本語訛りなどかわいいもの。シンガポールでは世界中からやって来た人々が、それぞれのお国柄で訛った英語を堂々と話しています。また、英語ネイティブでもロンドンのホックニー訛りなどは、聞き取れない人々がたくさんいます。相手がどうしても聞き取れないようであれば、一語一語スペルを読み上げればわかってもらえます。
       
      文法や発音を気にする時間があるのなら、その分、商品のマーケティングや開発に時間をかけたほうがよほど売り上げが上がるはずです。
       
      NHKラジオ講座「基礎英語3」修了でビジネス英語はじゅうぶん。
      上記を総合して私がお薦めしたいのは、NHKラジオ講座「基礎英語3」の学習です。
       
      「基礎英語3」は、中学3年生レベルの文法と実践のコミュニケーションスキルのコンビネーションを勉強すると謳っていますが、テキストを見る限り、ビジネス現場で実際に使われるのとほぼ同程度の英語レベルです。これを115分、1年間続ければ自然に英語の構造が頭に入ってくるはずです。
       
      最初から「3」が難しいというのであれば、「基礎英語1」や「基礎英語2」から入ることもできます。ただし、こちらは中1、中2の文法レベルですので、CDつきテキストでさらっと流せばいいでしょう。
       
      「基礎英語3」だけで済むようでしたらamazonKindle版で1か月のテキスト代が333円から。途中で投げ出さずに続ければ、1日たった15分、年間わずか3,996円で実戦で使えるビジネス英語が確実に身につけられるはずです。TOEIC700点程度も楽勝でしょう。
       
      ■英語を自己満足で終わらせないために
      海外で国内と同じようにビジネスをしようと思ったら、英語は絶対に必要です。しかし、同時に、ビジネス英語では私たちの母国語である日本語と同レベルの英語力を決して求められることはありません。
       
      反対に、ビジネスの内容、つまり商品やサービスには国内とはまったく違った、場合によっては日本以上のクオリティが求められることがしばしばあります。海外ビジネスの成否はひとえにこの顧客ニーズを満たせるかどうかにかかっていますので、ビジネス英語取得にかける時間とコストは最低限に抑え、本来のビジネスに力を注ぎたいものです。
       
      | Yuriko Goto | グローバルビジネスと人材 | 14:00 | - | - |
      「ぬるいスープ」でシンガポールを席巻した日本ラーメン〜海外市場で日本商品を売るポイント
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        JUGEMテーマ:海外進出
        ■シンガポール進出の日本ファッションブランドは死屍累々
        ここ数年、シンガポールではユニクロをはじめ日本の大手ファッションブランドが大挙してシンガポールに上陸しました。
         
        現在のシンガポールは1人あたりGDPが日本を大きく上回り、居住人口は500万人超ですが、その約3倍の観光・ビジネス客の需要が見込め、市場としては「東南アジアのショーウィンドウ」的な役割を果たしています。これを狙って、日本の「カワイイ」ファッションをアピールしようと、さまざまなブランドが進出。マスコミでも大きく報道されました。
         
        しかし、2014年にはフラン・フラン撤退、昨年はローリーズ・ファーム撤退、日本とシンガポールのファッション界の架け橋として、業界関係者の大きな期待を背負って2010年にオープンしたばかりのパルコも業績不振で閉店に追い込まれました。
         
        唯一健闘しているのは無印良品くらいでしょうか(それも生活雑貨のみ)。まさにシンガポール進出の日本ファッションブランドは、死屍累々といった感があります。国内ではいくら飛ぶ鳥を落とす勢いのファッションブランドでも、そのまま輸出したのでは売れないということがはっきりしたのではないかと思います。
         
        ■「ぬるいスープ」でシンガポール市場を席巻した日本ラーメン
        それとは好対照に、今、シンガポールで一大ブームになっているのが、日本のラーメン店です。
         
        以前は、日本のラーメン店といえば中国でも有名な「味千ラーメン」くらいでしたが、「けいすけ」「まる玉」「面屋武蔵」など、日本でも人気のお店が続々とチェーン展開。雨後の筍のように日本ラーメン店が増えており、こちらの水準からしたら決してお手頃とはいえないお値段にもかかわらず、どこも行列ができるほどの人気です。
         
        どうして日本ラーメンがここまでの人気を博せたのでしょうか?
         
        私も何店か行ってみましたが、味はほとんど日本と変わらず。一番の違いは「スープがぬるい」でした。
         
        常夏の国シンガポールでは「熱々のスープをすする」という習慣がありません。そこで、日本であれば禁じ手の「ぬるいスープ」に路線変更をしたのだと思います。「ぬるいスープ」はどこの店でもたいして変わらないようで、現地在住日本人には不評ですが、この戦略がなければ、日本ラーメンのここまでの繁栄はなかったのではないかと思います。
         
        ■売れなかったブランドから学んだこと
        私はシンガポールでは、日本の若いデザイナーさんたちのアクセサリーを中心に、小売店に商品を販売するディストリビューター業を営んでいます。これまで10ブランド以上を紹介してきましたが、実際に売れたのはほんの数ブランド。
         
        残念ながら売れなかったブランドの一つは、絹やコットンの手編みニットを使ったアクセサリーでした。とても繊細で美しく、素敵なのですが、いろいろ手を尽くしてもだめ。後で聞いたところによると、シンガポールでは、アクセサリーをつけたままシャワーを浴びて、そのときにアクセサリーも洗ってしまう女性が大半だそう。ということは、服と同じくアクセサリーも「洗える」ことが必須。このブランドが売れなかった理由は「繊細すぎて洗えない」だったことがわかりました。
         
        このように、日本では考えられないニーズがあるのが海外市場です。そこを見極められなければいくら「日本で売れている」商品を投入しても成果は出ません。
         
        ■小さく投資して徐々に現地化させていく。
        いっぽう、昨年から販売していたあるブランドの商品に、先月からやっと動きがで始めました。導入から9か月、売上ゼロではないものの他ブランドの商品と比べると動きが鈍く「このままだったら近々ドロップするかも」と小売店から脅かされた矢先のこと。さっそく商品を提供してくれているデザイナーさんにも報告し「これからも一緒にガンバロー!」と喜び合いました。
         
        このブランド、最初は少量のアイテムを投入し、小売店と相談しつつ、デザイナーさんとアイディアを出し合いながら、少しずつデザインやパッケージ、価格帯(安ければいいというものでもありません)を変え、改良を続けてきました。その結果、「これは要らない」と小売店から返されるような商品がなくなり、うまく回転するようになったのです。
         
        もし最初から大々的に展開しようと思ったら、それに見合うだけの資金や人間も投入しなければいけません。しかし、少しずつマーケットを見ながら、そのマーケットの特性に合わせて商品を変えていくことができれば、上述の日本ラーメンのように大ブレークも夢ではないのです。
         
        ■メイド・イン・ジャパンを世界市場で販売するために大切な3つのポイント
        上記をまとめると、日本商品を海外市場で売るためには、
         
        ・最初は小規模で展開
        ・消費者や小売店の意見によく耳を傾ける
        ・市場ニーズに合わせて少しずつ商品を改良
         
        の3点が絶対に必要なのではないかと思います。
         
        日本に帰国するたびに、「こんなに良い商品がたくさんあるのに、輸出できないのはもったいないなー」とため息をついてしまいますが、よい商品には万国共通、必ず消費者のニーズがあります。そのニーズをどのように実際の商品に落とし込んでいくかが、これからの日本商品の海外販売の成否の要になるのではないかと思っています。
        | Yuriko Goto | グローバルビジネスと人材 | 07:33 | - | - |
        東南アジアを襲う偽装米パニック! 中国産プラスチック・ライスって本当?
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          JUGEMテーマ:国際社会
          「偽装米」といえば、日本では産地を偽ってブランド米に偽装するのが一般的ですが、先週からSNSを中心に中国産偽装米、プラスティック・ライスが東南アジア地域に流入しているという噂がかけめぐり、一大騒動となっています。
           
          19日のシンガポール紙The Straits Timesでは、シンガポールに密輸された形跡は今のところないとしていますが、近隣諸国では米の流通業者が根拠のない噂をたてられ、風評被害に遭うケースも出てきているようです。
           
          報道によると、この偽装米は、じゃがいもやさつまいもの粉と樹脂を混ぜて固めたもので、みかけは本物の米そっくり。こちらのフェイスブックページでは、実際に工場で米様のものが製造されている様子や、炊いたときに上に浮いてくる膜を燃やすと樹脂を燃やしたときのように溶けながら燃える様子が紹介されています。見分けるポイントは炊いても固いままで粥状にならないのと、プラスティックの膜が浮き上がってきて、燃やすと溶けるということのようですが、普通の米に少量混ぜられてしまったらほとんどわからないという声も。
           
          中国レストラン協会によると、この米3杯を食べるとポリ袋1枚を食べたのと同程度のプラスチックを体内に取り込むことになるとのこと。シンガポールの専門家はこのような成分のものを食べると、消化器系に深刻なダメージを与えると警告しています。
           
          いっぽう、タイの有識者からは「樹脂入りの米を作ってもコストは通常の米より割高になるため、噂自体が間違い」という声も上がっており、本当にプラスチック・ライスが出回っているのか、それともただの都市伝説なのかはまだ明らかになっていません。
           
          数年前の粉ミルク騒動や廃油販売騒動など、実際に大きな社会問題になった食品偽装が後を絶ちませんので、これまで以上に食の安全に留意しなければならない時代に私たちが生きているのは確かなようです。
           
          | Yuriko Goto | シンガポール社会 | 18:08 | - | - |
          人身売買? 政治難民? 波紋広がるロヒンギャ人問題
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            JUGEMテーマ:国際社会
            「バングラディッシュからの人身売買組織を告発」という内容でシンガポールの新聞The Straits Timesの報道が始まったのが今月頭でした。この記事によると、マレーシア国境に住む人身売買組織のリーダーのタイ人が逮捕され、監禁されていたロヒンギャ人がみつかったと報道されています。
             
            そもそもロヒンギャ人とは、ミャンマーとバングラディッシュの国境一帯に住むイスラム教少数民族で、仏教徒のミャンマー人やミャンマー政府から長期間にわたり迫害を受けてきたとされます(ミャンマー政府はミャンマー自由化に伴いバングラディシュから流入と主張)。ただ、もともとの国籍がどちらなのかも判然とせずバングラディッシュ領内にいる人々も多いようで、以前から国連などで「世界で最も迫害されている少数民族」として取り上げられることもあったようです。
             
            しかし今回、特に問題が大きくなったきっかけは、タイで地元政治家を含む人身売買を行っていた組織が大々的に摘発され、その結果、すでにボートに乗ってバングラディッシュやミャンマーを出航してしまったロヒンギャ人たちが行き場を失い、ベンガル湾からマラッカ海峡にかけての海を漂流することになってしまったからです。
             
            The Straits Timesによると、今年1月から4月までに国外に向けて出国した人々は推定25,000人、これまでに死亡が推定されたのは約300人、乗船にあたってはUS90370ドルを支払い、タイかマレーシアにぶじ到着したらUS2,000ドルと引き換えに解放される、というシステムだったそうです
             
            ただ、現在漂流している人々の中で圧倒的多数を占めるのは、出稼ぎを目的に密入国しようとした若年男性。ロヒンギャ人のみならずバングラディッシュ人も決して少なくありません。違法就労が目的の移民を入国させるわけにはいきませんので、マレーシア、タイ、インドネシア、オーストラリアなどの政府は受け入れを拒否し、バングラディシュに追い返そうとします。
             
            しかし、なぜかこのあたりから西欧メディアには「ミャンマー政府に迫害された政治難民」という報道がめだってきます(シンガポールのテレビニュースで見る限り、保護された難民の中に女性や子供たちを見ることはめったになく、ほとんどが10〜20代前後の男性)。
             
            そして、アルジャジーラも大々的に「イスラム教徒迫害」と報道するに至り、21日にはアフリカのガンビア共和国が「イスラム同胞のために」とボート難民の受け入れを表明。翌22日にはマレーシアがやっと重い腰を上げて漂流船の捜索と難民の保護に乗り出し、インドネシアも一時保護シェルターの提供に賛同しました。
             
            そもそも、この騒動、決して政治問題ではなく、人身売買という犯罪であったはずなのですが、本日のBBCニュースでは「父も国も家もなく 漂流するロヒンギャの子どもたちという人道問題になってしまっています。そしてもう一つの問題は、このロヒンギャ人がイスラム教徒であり、「アジア地域内でのイスラム教徒迫害」または、「イスラム教徒を助けないアジアのイスラム教国家」というイスラム過激派の格好の標的になりかねない側面をもっていることです。
             
            今月29日、ロヒンギャ人問題に対する国際会議には、しぶっていたミャンマー政府も代表を送ることに決定しました。 ミャンマー、バングラディッシュだけでなく、マレーシアやタイなど東南アジア地域全体に広がるロヒンギャ人問題は、今後の東南アジア地域の安定にとっても重要な問題となってくるのではと思われますので、問題の行方を注視していきたいと思います。
            | Yuriko Goto | グローバル社会と宗教 | 12:39 | - | - |
            クオリティが高い服を見分ける10のポイント
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              「本当に良い品質の服だけを着たい」と思っても選ぶのは難しいもの。特に最近はアウトレットやバーゲンでも、値下げしているように見えて実は最初から低いコストで作り、高い定価をつけているものもちらほら見受けられます。繊維業界歴20年の私が、自分自身いつもチェックしている本当に良い服を選ぶためのポイントをお伝えします。
               
              ■生地の糸は細く、目が詰んでいるか。
              最近はオールシーズン通して生地は「軽く、薄く、柔らかく」がトレンドになっています。といっても、ただ薄いだけではNG。ネットの商品レビューで、ボトムスの生地が透けて困るという声をときどきみかけますが、原因は織りが粗くて生地の目がすかすかなこと。たとえ薄さが同程度でも、よい品質の服は細い糸をしっかりと詰ませて織っています。もちろん触ったときのしなやかさも違います(目が粗い生地はごわごわします)。
               
              ■ニット生地の縫い目にバイヤステープが施されているか。
              ニット生地はストレッチ性が持ち味ですが、縫製の際、これが災いして生地が伸びたまま縫ってひきつれができたり、針穴からほつれてきてしまうことがあります。これを防ぐために使われるのがバイヤステープ。薄いTシャツ生地の首回りなどの縫い目に別布で細くテープが当てられていれば、ないものより確実にクオリティーが上がります。
               
              ■切った糸の始末がしっかりとされているか。
              良い品質の服は縫製もしっかりしています。ここを見分けるコツは最後の糸の始末。きちんと処理され、どこが糸端か見えないようならば、管理が行き届いた技術の高い縫製工場で生産されている証拠。逆に、糸端が切りっぱなしになって飛び出していたり、糸くずがあちこちについていたりする場合は、検品も手抜きの恐れがあります。縫い目が曲がっていたり、ボタンがすぐに取れてしまうような粗悪品かもしれませんのでよく見てみましょう。
               
              ■よい裏地を使い、表生地とぴったり合うように縫製されているか。
              生地はよく見ても裏地までチェックする人はあまり多くないようです。しかし、裏地こそ肌に直接当たる部分が最も多いもの。裏地の品質の差は着用時の快適さに直結します。ベンベルグなど高級品を使っていれば最高ですが、そうでなくても肌触りをしっかり吟味しましょう。また、パターンや縫製が悪いと、表生地と裏地がちぐはぐになって引きつれができたり、表生地に裏地が響いたりしますので、試着して必ず確かめます。
               
              ■テープや紐がよれよれしてないか。
              品質のよい服には、生地と同じく品質のよいテープやひもが使われます。繊維製品なのでやはりしっかりと織られているかは重要なポイントですが、もう一つのチェックポイントはまっすぐかどうか。よれよれしているものは、糸を節約するために生地を粗く織ったり、織った後の整理加工をきちんとしていない可能性がありますので、一度洗うとさらにひどくなることもあります。
               
              ■ボタンは手触りがよくバリがないか、色と形は均一か。
              樹脂や貝、木製などのボタンでは、バリやざらつきがないか、色や形が均一でそろっているかを確認します。とがったところやざらざらしているところがあると生地を傷めますのでNG。ボタンは面積こそ小さいですが、服の印象を決めるポイントになることが多いもの。ありふれたボタンでなく凝ったデザインのボタンを使ってある洋服は、きちんとコストをかけて作ったものであることが多いのです。
               
              ■金属類はとがったところがないか、メッキがきれいについているか。
              ボタン類よりさらに気をつけなければいけないのは、ホックやハトメ、カシメ、バックルなどの金属類。バリが出ていると服だけでなく肌を傷つけてしまうことがあり、きちんと固定されていないと赤ちゃんが呑み込んで事故になったりすることもありますので必ずチェック。もう一つのポイントはメッキです。きれいに均等にメッキされて表面がなめらかで、サビや曇りがないものを選びましょう。
               
              ■良い品質のホックは開閉時に「パチっ」と気持ちよい音がする。
              高品質の金属やプラスティックのホックは、開け閉めのときに「パチッ」と気持ちのよい音がするもの。こんな音が出るホックは着るときのストレスも少なく、取れてしまう事故も少ないのです。縫い付けボタンと違い、金属やプラスティックのホックは一度取れてしまうと自分では直すことができないので、しっかりと生地に打たれているかもみておきます。
               
              ■ファスナーの開閉はなめらかか。
              引手が取れてしまったり、ひどいものはムシ(テープについている小さい金属部品のこと)がばらばらと落ちてしまったり、先端が差し込み部分になかなかはまらなかったり、生地に噛んでしまったりと、ファスナーはけっこうトラブルが多いもの。良い品質の服には必ず良いファスナーが使ってあります。開け閉めしてみて、開閉がなめらかでひっかかったりしないか必ず確かめましょう。日本が世界に誇るファスナーメーカーYKK製でしたら鉄板ですが、ニセモノも多いので注意を!
               
              ■パターンは自分の体型に合っているか。
              欧米ブランドのデザインが気にいっても、実際に着てみるとどうもしっくりこなかったという経験はないでしょうか。実はこれ、パターンと呼ばれる型紙の違いが大きいのです。欧米ブランドでも日本でよく売れているものは、デザインは同じでも、必ず日本人の体型に合わせてパターンを別に作っています。ただ、同じ日本人でも人によって体型は違いますので、その服が自分の体型に合っているかどうか、必ず試着して脇、襟ぐり、ウエスト、ヒップの線など細部をチェックし、合うもののみを選びます。高品質のブランドはパターンにもお金をかけますので、体になじむ確率が高いはずです。
               
              良い服を大切に着るためには、まず、選ぶ段階から徹底的に吟味し、買いたいもの。ぜひお試しください。
               
              | Yuriko Goto | 商家の知恵 | 18:39 | - | - |
              クローゼットの中身を半分にする10のアイディア
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                衣替えの季節にいつも悩むのが、どうにもならない洋服の山。クローゼットにも入りきれず、押し入れ用クリアケースも天井まで届いている。そんな状況を解決するためのアイディアを提案します。
                 
                ■2年以上着なかった服は捨てる。
                物は使ってこそ価値があるもの。2年以上着ていない服はこれから着る可能性が限りなく低いと思い、思い切って捨てましょう。生産現場で最も大切なのは5Sですが、その中でも一番重要なのは「整理」。整理とは捨てることです。クローゼットが着ない服であふれていると本当に着たい服を毎日着ることもできません。まずは不要なものを処分しましょう。
                 
                ■フリーマーケットやネットオークションに出品してみる。
                どうしても愛着があってなかなか捨てられないものは、フリーマーケットやオークションで販売してみます。保存状態がよく上質なブランドなどは、買い手がつくことも多いもの。ちょっと手間はかかりますが、捨てることの罪悪感も減らせます。また、バザーに出品したり姪っ子や職場の同僚などにあげると喜ばれることも。
                 
                ■お直しを利用してみる。
                ちょっと頑張って買った高価な洋服は愛着もあってなかなか処分しがたいもの。ただ、流行が変わってあまりイケてないという場合も多いのでは。こんな服はお直しを利用して襟や丈などをちょっと変えるだけでもだいぶ印象が変わり、ワードローブ最前線に復活することも。大手チェーンより、いろいろ要望を聞いてくれる街の仕立て屋さんがお薦めです。
                 
                ■ブランドバッグやジュエリーは買取を利用。
                元彼にプレゼントされたり、ボーナスで頑張って買ったけれどずっとクローゼットの奥で眠っているブランドバッグやジュエリーはないでしょうか。最近、中国人観光客などに人気の中古ブランド品は、専門店の他、ベルメゾンやゾゾタウンなどで買い取ってもらえます。
                 
                ■ニット製品は消耗品と割り切る。
                Tシャツ、スエットなどのコットンニット製品はストッキングと同じ消耗品と考え、少しくたびれてきたら思い切って捨てましょう。一度にたくさん買わず、少量を着回してシーズン毎に更新していくとクローゼットもすっきり。捨てると決めたらすぐにハサミで適当な大きさに切っておくと、使い捨て雑巾代わりに使えます。
                 
                ■クローゼットはアイテムごとに並べる。
                クローゼットに服を並べるときに、シャツ、ブラウス、スカート、ワンピース、ジャケットなど、必ず服の種類順に並べる習慣をつけます。人の好みは一定なので、ついつい似たようなものを買ってしまいがち。いつもアイテムごとにきちんと並べておくと、要らないものや足りないものがすぐにわかるようになります。
                 
                ■新しく買うときは1週間考える。
                衝動買いは一時的なストレス発散にはなりますが、後悔することも多いもの。これを避けるためには、欲しいと思っても1週間待つ習慣を。ブティックではその場で買わず1週間後にもう一度行ってみる、ネットショップはカートに保存して待つ。この間、ワードローブを再点検して、どうしても欲しかったら買います。売り切れてしまったら「縁がなかった」と思い、潔くあきらめましょう。
                 
                ■アイテムごとの予算の下限を決める。
                予算というと上限と思いがちですが、シャツなら○千円以上、ジャケットなら○万○千円以上とアイテムごとに下限を決めます。アウトレットやバーゲン、ファストファッションなどついつい必要以上に買ってしまいますが、安いのには訳があります。あれもこれも買ってみたものの本当に着たいものがない「安物買いの銭失い」にならないよう、下限予算を決めましょう。
                 
                ■各アイテム数の上限を決める。
                ある程度クローゼットが整理されたら、各シーズンごと、アイテムごとにもつ服の上限数を決めます。例えば、夏物 シャツ/ブラウス 5着 セーター 3着 スカート 4着 パンツ 4着 ワンピース 4着 ジャケット3着・・・など。許容範囲を±1〜2程度にし、この範囲に収まっていないものは処分する、新しく購入した場合もやはり処分するを徹底します。
                 
                ■好きなブランドを決めてそれ以外は買わない。
                スポーティー、アーバンボヘミアン、コンサバ・・・と、雑誌や広告にけしかけられてついつい様々なスタイルを試したくなりますが、クローゼットの中身も増えてしまうもの。これを避けるには自分のお気に入りを数ブランド決めてしまうのが一番です。いつも同じブランドで買い物をすることにより、割引ポイントなどが使えることもありますし、ショッピングの時間も節約できます。
                 
                女性にとってファッションは大事な自己表現の手段ですが、お金も時間もスペースも節約するために、クローゼットの中はいつもすっきり状態を保ちたいものです。
                 
                | Yuriko Goto | 商家の知恵 | 08:16 | - | - |
                ちょっとよいものを少しずつ
                0

                  オランダとフランス、ヨーロッパの2つの国の人々の暮らしぶりを、アメリカと日本という外国人の目から書いた本を読みました。

                  ジェニファー・L・スコット著『フランス人は10着しか服を持たない』
                  と大津恭子著『オランダ式簡素で豊かな生活の極意』です。

                  ■「倹約は美徳なり」が絶対のオランダ
                  まずはオランダから。
                  ”Let’s go on Dutch”とは英語で「割り勘にしよう」という意味ですが、欧米ではオランダ人といえば「倹約家」の代名詞です。
                   
                  この本の中では、お客様をお茶に呼んでもとっても薄く切ったケーキしか出さなかったり(これは最高のもてなしで普通は本当にお茶しか出さないそう)、モノを買うときは事前にとことんまで調べ、いったん買ったらやはりとことん使い倒して、なおそれでも捨てないで工夫して使い続ける。万策尽きてどうしても捨てなくてはならないときが来ても、使えるものは丁寧に外して取っておくなど、大真面目に堅実なオランダ人の姿がこれでもかというくらい描かれています。
                   
                  確かに、モノが氾濫して置き場に困るような現代の私たちの生活の中で、このオランダ人の知恵と質実剛健な暮らしぶりはとても魅力的。ただ、いきなり日本人の私たちがそのままマネをするにはちょっとハードルが高すぎるような気がします。
                   
                  ■よいものを普段遣いのフランス
                  もう1冊は、アメリカ人ブロガー、ジェニファーさんが学生時代のホームステイ先、パリで学んだ素敵なフランス人の生活の知恵が詰まった本です。
                   
                  「マダム・シック」と本のタイトルにもなっているパリ女性は、貴族の血をひく5人の母親で、パートで働きながら、ご主人と成人した息子さん1人とパリの高級住宅街にあるアパルトマンで3人暮らし。お掃除、お洗濯はもとより夕食も毎日デザートまで手作りという完璧な主婦なのですが、ジェニファーさんが感動したのは何より、毎日、朝からいつお出かけしてもいいようなお洒落をしていることだったのです。
                   
                  ただ、お宅のクローゼットはどれも信じられないほど小さく、たくさんの服をかけておくスペースはありません。きちんとアイロンをあてたワンピース、スカート、ブラウスなど10着程度の良質な服を着回して、すぐに高級レストランに行っても恥ずかしくないような身だしなみを整えておくことが、マダム・シックから学んだことでした。
                   
                  ■愛着があっても要らない服は処分する
                  そんなマダム・シックに「私の洗濯が悪かったの?」と言わせてしまったのが、まだホームステイ間もない頃の格好。お気に入りのよれよれのTシャツに穴のあいたスェットパンツをパジャマ代わりに着ていたジェニファーさんは猛反省してこれを捨て、本物のパジャマを買いに走ります。
                   
                  ジェニファーさんの卒業した南カリフォルニア大学はお金持ちの子弟が通うことで有名。彼女自身も決して苦学生だったわけではないはずですが、アメリカ西海岸のとりあえず何を着ていてもいい風潮や、とっかえひっかえ流行のファッションに身を包む風潮に決別して、ジェニファーさんは良質の服を少しだけもち、毎日それを着回すライフスタイルに目覚めたのです。
                   
                  ■ちょっとよいものを少しずつ
                  ジェニファーさんのブログ、The Daily Connoisseur(日常生活の達人)では、そんな彼女自身が実践するライフスタイルのアイディアがたくさん。ビデオでは、「2015年の春夏で着る10アイテム」(そのうち半分近くは去年のものとかぶっています)が紹介され、ちょっとよいブランドのアイテム(決してハイブランドではなくちょっと頑張れば手が届く)を中心に、アクセサリーなど小物でアクセントをつけたり、仕立て屋さんで袖などをお直ししてリニューアルしたものなど、着回しのこつも教えてくれます。
                   
                  ファストファッションの台頭で、流行のものが簡単に手軽に手に入る時代になりましたが、いくら安くても見境なく買っていたらクローゼットはパンパンになり、着ない洋服だけがどんどん増えてしまいます。そのうち流行も変わって、結局数回しか着なかったか一度も着ないままタンスの肥やしにしてしまったという経験をもつ人も多いでしょう。
                   
                  私たちの体は1つしかなく、1日は24時間しかありません。いつも気持ちよく着られるちょっといいものを少しずつ買い足し、惜しまず毎日着て、十分に楽しみ尽したら思いきって捨てることこそ、これからぜひ学びたいライフスタイルではないでしょうか。
                  | Yuriko Goto | 商家の知恵 | 10:40 | - | - |
                  子どもNISAは子どもの未来を拓くのか?
                  0
                    5日、子どもの日の日経新聞オンラインに『1.2兆円流入も 子どもNISA が未来開くという記事が掲載されていました。2016年から始まる子どもNISA(投資金額年間80万円までキャピタルゲイン非課税)により、多くの子どもが自分で投資できるようになるという趣旨の記事ですが、非常に違和感を覚えました。
                     
                    記事によると、子どもNISAによって投資に関心をもつ子供が増え、その結果1.2兆円が投資市場に流入するということで、母親に薦められて10歳から株式投資を始めたお子さんや、8歳で投信セミナーに父親と参加するお子さんなどが紹介されています。セミナーの講師は「お金を増やすには自分が働く、お金に働いてもらうという2つの方法があります。後者が投資です」と語っていますが、まだ前者の「自分が働く」こともよくわかっていない子供に投資教育をすることに疑問を感じるのは私だけでしょうか?
                     
                    断っておきますが、私は大人が金融市場で投資をすることに決して反対ではありません。世界的な低金利が続く中、私自身も老後に備え、いくばくかの蓄えを株や投資信託で運用していますし、投資の神様バフェットが言うように、効果的なリターンを得ようと思うのならばなるべく早いうちから投資を始めるというのは理に適っています。
                     
                    しかし、自分自身が働いて得るお金の大切さを知る前から「お金に働いてもらう」教育をするのは少し違うと思うのです。
                     
                    ■「お金に働いてもらう」教育で起こったバブル経済
                    1987年、NTT株の一次放出がありました。11197千円だった取引価格が2か月で300万円以上にもなった現象は、今もバブル経済のあだ花として語り継がれています。
                     
                    この頃私は社会人として働き始めたばかりでしたが、世の中には「投資をしない奴はバカだ」という声が吹き荒れていました。新聞や雑誌、テレビには毎日のように当時まだ珍しかったファイナンシャルプランナーが次々と登場し、どの株式銘柄を買うべきか、どのように手元資金を増やすかを熱心に指南していました。当時、大学1年生だった私の妹は、そんな声に背中を押されるように、なけなしの貯金をはたいてNTT株を1株買ったのです。
                     
                    彼女がどのタイミングでこの株を売ったのか、今もまだ持っているのか、聞いたことはありません。しかし、まだ社会のことが何かもわかっていない妹までがこの株を買ったことで、私はバブル経済の崩壊を直感し、その後、いっさい投資には手を出しませんでした。
                     
                    そして予想通りバブルは崩壊し、投資に失敗して全財産を失った人や、倒産した会社などが私の周囲にもあふれました。短期的に儲けるための投資はギャンブルであることがこれほど明らかになったときはなかったと思います。
                                                                                                         
                    ■実業の教育が子どもの職業観を作る。
                    私が子どもの頃、「はたらくおじさん」というNHK教育テレビの番組がありました。
                     
                    農場、工場、工事現場、商店などさまざまな職場で働く人々を紹介する番組で、家で観る以外にも学校の社会科の授業でもときどき視聴していました。私はこの番組が大好きで、自分も早くおじさんたちのように働きたいといつも思っていました(この嗜好は現在も続いていて、いまだに工場見学が大好きです)。
                     
                    確かに金融業界はさまざまな実業の世界を支える、なくてはならない産業です。しかし、間接金融の役割はあくまでサポートであり、まず実業の世界があって初めて存在意義がある産業ではないでしょうか。
                     
                    金融はあくまで「働いてお金を稼ぐ」を助けるためにあるものであって、助けてもらったお礼として投資家はお金をもらえるはずです。ですから、お金自身が働くのではなく、実際に働いた人たちからお裾分けとして投資した人に与えられるものがキャピタルゲインなのです。
                     
                    子どもたちがこうしたことをよくわかってから始めるのが、本当の投資ではないかと私は思います。
                     
                    ■金融市場に資金を流入させたいなら、まず大人のNISA枠拡大を。
                    記事によると、NISA枠を子どもにまで拡大する理由は、現在、60歳以上が7割を所有する有価証券市場の主役を、下の世代に裾野を広げていきたい、という思惑のようです。
                     
                    しかし、戦後世代から団塊世代の60歳以上がもつ資産のほとんどは、「お金が働いてきた」お金ではありません。70年前の敗戦からこの世代の方々が必死に働き、こつこつと貯蓄や投資してきたお金が現代の日本に存在する金融資産なのです。このことをまだ年端もいかない、働くことも知らない子供たちが理解できるとはとても思えません。
                     
                    もしも若い世代に本当に金融市場に入ってもらいたいのなら、子供枠ではなく、現在の大人のNISA枠を広げて1人200万円にしたらどうでしょうか? 最近の経済政策では「孫になら祖父母も喜んで貯金を差し出すだろう」という目論見があちこちで透けてみえますが、大人が責任をもって金融市場に投資をするのであれば私も大賛成ですし、わざわざ子供をだしに使う必要はありません。
                     
                    ■信託財産は子供が成人するまでプロが運用していた。
                    欧米の近代小説を読むとときどき「信託財産」というものが出てきます。これは、お金持ちの子どもが成人するまで、信頼できる信託会社に財産を預け、一定の年齢になったら子どもがその後の生活に困らないように財産を渡す、それまで信託会社がしっかりと投資をして預託された財産を守る、というシステムです。まだ社会経験のない子どもに大金を渡したら見境なく使ってしまうので、一定の年齢までは渡さないようにする、という前提で考案されたものであったのだと思います。
                     
                    信託会社には投資をする会社を選び、数十年という長いスパンでクライアントの期待に応えられるよう、プロとして財産を管理することが求められました。
                     
                    翻って現代では「ミセス・ワタナベ」に象徴されるように個人投資家があふれていますが、投資の世界で全員が勝つことはありえません。長期的にみれば少しずつ蓄えを増やしていく人もいるでしょうが、そのときは物価も上がっていきますから、ほんの一部のセミプロたちを除けば大多数の人々は物価上昇に対してトントンか多少増やせれば良しとする程度でしょう。
                     
                    一番良いのは、インフレに対して応分の金利が払われ、少しずつでもしっかりと貯蓄をしていく、余裕があれば少しずつでも投資市場で長期的視野にたった投資をすることだと私は思います。
                     
                    そして個人の短期投資はあくまでもギャンブル性が高いことを忘れず、子どもたちにも良識ある大人がしっかりと教えてほしいと思うのです。
                     
                    | Yuriko Goto | 日本経済 | 17:50 | - | - |
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