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    労働生産性は働き方の問題とはまったく関係ない理由
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      JUGEMテーマ:ビジネス

       

      労働生産性を高めるための労働裁量制度を推進する議論の前提となる資料の齟齬が大きな問題になっています。

       

      この制度については、賛否をめぐりいろいろな方がいろいろな意見をおっしゃっていますが、私は根本的にこの問題は、被雇用者の労働問題ではまったくなく(つまり、働き方の問題ではなく)、経営者の問題だと考えています。

       

      労働生産性とは、1人あたりのGDP(その国で創造された付加価値)です。それを時間で割ったら時間あたりの労働生産性(購買力平価により調整するため若干変わります)になります。2016年の日本の時間あたり労働生産性はOECD35ヵ国中21位で、平均より低くこの順位はほとんど変わっていません。

       

      では、どうしたら1人あたりのGDP≒労働生産性が上がるのか?

       

      答えは3つです。

       

      1.売上単価を上げる。

      同じスマホでもAppleのi-phoneは10万円、中国ブランドのスマホは1万円のものもあります。

       

      これを仮に100人の工場スタッフと販売・管理スタッフが1日100個作って売ったとしたら、Appleは1人あたりの1日の労働生産性は10万円、中国ブランドは1万円になります。仮にそれぞれ10時間働いたとしたら、1人あたりの時間あたり労働生産性はApple1万円、中国ブランド1,000円です(計算を単純にするため材料費やその他の諸経費はゼロとします)。

       

      中国ブランドの社員がApple社員の労働生産性に追いつくには、それまでの1万円の売り上げ単価を10万円にし、その値段でも消費者が買ってくれる商品を作り、市場を開拓することが必要です。

       

      2.1人あたりの時間あたりの生産性を上げる。

      中国ブランドがAppleほどみなが欲しいと言ってくれる魅力的な商品を作れない場合どうするか? 時間あたりの生産高や販売高を増やすことで労働生産性を上げます。

       

      具体的には、これまで1日100個しか製造・販売できなかったものを、200個にすることです。これにより、時間あたりの労働生産性は2,000円になります。

       

      しかし、人間の能力には限界がありますので、これまで1日1人あたり1個しか製造できなかったものを「カイゼン」により2個にすることはできるかもしれませんが、10個にすることはできません。

       

      ですから、この方法でApple社員に労働生産性で追いつくことは不可能です。

       

      3.人間の作業をロボットやAIに置き換えて生産性を上げる。

      人間の能力には限界がありますが、機械であれば生産性向上の可能性は飛躍的に高まります。

       

      機械は人間と違って休む必要がなく、投資するお金さえあればいくらでも増やせるからです。

       

      工場にはロボットを導入し、販売・管理部門は自動化によって工場スタッフと販売・管理スタッフをこれまでの100人から10人にします。これで100人が100個を作り販売していたときと同じ生産・売上げを上げられれば、1人あたりの時間生産性は1万円になってAppleに並びます。

       

      労働裁量制のめざす労働生産性向上はずばり、2.のタイプです。

       

      これはトヨタを筆頭にこれまでの日本企業が得意としてきた、日常業務の「カイゼン」によって1時間あたりに作ったり販売したりする効率を高め、時間あたりの出来高を上げるという発想です。

       

      裁量労働制は、これをさらに徹底して働く時間を短くするように労働者が努力するという目的なのでしょうが(表向きは)、前述したように実際にどこまで効果があるかは疑問。夕方6時から始まる会議が労働時間にカウントされなくなれば、名目上は若干1時間あたりの労働生産性が上がるかもしれませんが、年間の労働生産性に変化はありません。

       

      アメリカ経済が現在絶好調なのは、IT関連を中心に、1.の魅力ある、販売単価(もしくは販売総額)が高い商品やサービスを売っているためで、労働生産性はOECD諸国中第3位。アイルランドやルクセンブルグなど他の順位の高い国を見ても、金融やITなど販売単価や利益率が高い産業に力を入れているのがわかります。

       

      いっぽう、もともと労働力が常に不足しているシンガポールは現在、3.に非常に力を入れており、先日はホテルでコックなしでも作れる目玉焼きロボットの話題をニュースで紹介していました。

       

      従業員の労働生産性向上のために、1.か3.をとるか、従来通り2.のままでいくかは、働く人の問題ではなく、完全に経営者の経営判断です。働く人が会社が販売する商品を決めたり、機械の導入を決定したりできないからです。

       

      提出された資料云々とまったく別のところで議論が盛り上がっているようですが、裁量労働制と密接に関連する労働生産性の問題は、日本の経営者が今後何をめざすのかを問われるイシューですので、経済界への徹底的なヒアリングが必要なのではないでしょうか?

      | Yuriko Goto | 企業経営 | 15:54 | - | - |
      100年ライフでみつけるべき一生「努力できる」仕事
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        JUGEMテーマ:幸せなお金と時間の使い方

         

        ■「努力できるのも才能のうち」の言葉の意味

        長く経営者の立場からいろいろな方々を見てきましたが、その中で最も強く感じたのは「努力できるのも才能のうち」という言葉です。

         

        成功する人、結果を出す人が努力を怠らないのは言うまでもありませんが、ではなぜ彼らが努力できるのかというと、努力をしたら結果を出せるのを理解している、もしくは信じているという理由が大きいと思います。また、得意なこと、好きなことで努力するのは、例え肉体的にきつくても、精神的にはむしろ快感や高揚感を感じている時間のほうが長く、(特に年齢が若いと)苦痛を感じにくいのではないでしょうか。

         

        そして、才能がある人ほど努力を惜しまず、成果が出て、さらに面白くなって努力するという好循環が生まれるのです。

         

        いっぽう、努力できない人は、ほとんどの場合、もともと怠け者だったり、楽をしようと考えて努力をしないわけではありません。

         

        本人が何かの作業や仕事に熟達したいと思って努力をしたとします。しかし、もともとのその作業や仕事が得意でないため、なかなか上手にならない。周囲はどんどん上達していくのに、自分だけ取り残されていく。当然、気持ちが入らなくなっていき、漫然と続けるだけになってさらに効率が落ち、周囲からは「不真面目だ」と責められ、自分でもどうしていいかわからず、最後には嫌になってやめてしまう。

         

        20年近くいろいろな人を見てきて、本当に世の中にはこのような「努力できない人」が多いことに気づきました。

         

        本人たちが真剣なのは間違いありませんが、その仕事に要求される能力がそもそも低すぎるのが問題なのです(ごく稀に、そういう人の中に長く続けることによって必要な能力を獲得する人もいますが、数は非常に少ないです。昔は恐らくこのような人が圧倒的に多かったのではないでしょうか)。

         

        ■人は適性のある仕事でしか成功できない。

        これは自分自身に置き換えても同じです。

         

        例えば私はスポーツ全般、特に球技が非常に苦手で嫌いですので、もしある会社に入社して、仕事に必要だから野球のノックを毎日何時間もやれ、と命令されたら即座に辞めます。逆に、一日中席に座ってじっと動かずに本を読んでいろ、と言われたら喜んで何十年でもその仕事を続けるでしょう。

         

        人間、得意でないこと、嫌いなことはできないようにできているのです。それを無理矢理続けさせられたら、ストレスのあまり体や心を病んでしまうと思います。

         

        つまり、努力できる、成果が出せる人というのは、もともとその仕事に適性がある人(=その仕事が好きになれる人)であり、仕事で成功できるかどうかは、ひとえに自分に適性のある仕事に就けるかどうかにかかっていると私は考えます。

         

        ■「好きこそものの上手なれ」の「好き」を見つけることが最重要課題に

        しかし、従来のように就職ではなく就社という形態を取り、会社も専門職ではなく会社が必要とする仕事に社員を就かせるゼネラリストとして社員を使う限り、個人が適職に就ける可能性は非常に低くなります。

         

        また、社内での人間関係や組織の調整に関わる時間が長くなればなるほど、仕事そのものに割ける時間や労力が減ぜられ(組織マネージメントの方により適性がある人は別ですが)、適性を磨ける時間も減るか、過重労働になってしまいます。

         

        リンダ・グラットン氏著『ライフ・シフト』の中で、これからの働き方、生き方のシンボルとして登場するジェーンは「食」に興味と適性があり、大学卒業後、アルバイトやフリーランサーとしてこの仕事にかかわったり、自分で起業したり、組織に属したりしますが、首尾一貫して仕事の柱を「食」から変えません。その結果、結婚や子育てなど人生のステージに併せて就業形態は変化しても、ずっとその道のプロフェッショナルとして、80歳過ぎまで働き続けることができるのです。

         

        「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、得意なことは好きになり、好きであればつらい努力も厭わず、その結果、その道を究めることも難しくなくなります。これからの100年ライフで一生働き続けるためには、いかに自分の「好き」をみつけるかが、非常に重要な就職のポイントとなってくるのだと思います。

         

        とはいえ、「好き」をみつけるのはそれほど簡単なことではありません。私も大学卒業時には、自分に適性がある仕事は何なのかまったくわかりませんでした。ましてや、デジタル化により今後、世の中の仕事内容が急速かつ大幅に変わっていく中、これまで以上に難しくなると予想されます。

         

        そのような状況の中では、ただ子供に「自分で好きなことをみつけなさい」と突き放すだけでなく、親や教師があらゆる方向から子どもの「好き」をみつける手助けやアドバイスをする必要があるのではないでしょうか。

         

        子どもの「好き」探しを少しでもバックアップできるよう、親としても真剣に勉強し、子どもの成長を見守りたいと思っています。

        | Yuriko Goto | グローバルビジネスと人材 | 16:21 | - | - |
        中国メーカーの追い込みでEV時代はもうそこに。
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          JUGEMテーマ:ビジネス

          昨日の午後、家の近所でみかけたこのUBERの車、100%電気自動車と書いてあります。

           

          メーカーは中国西安にあるBYD社。車業界には詳しくないので初めて聞きましたが、Wikiで調べるとリチウム電池製造で世界第3位、携帯電話用では世界一のシェアを誇るそうで、あのウォーレン・バフェットも出資しているそうです。ダイムラーとEVを共同開発・販売していて、2016年には10万台を出荷。商用に強く、沖縄と京都ではこのメーカーの電気バスも導入されているそうです。

           

          おりしもシンガポール政府が先週発表した2018年予算では、来年からの炭素ガス税導入が発表されました。もともと非常にガソリンや車の維持費が高いのに加え、さらにガソリン値上がりとなると庶民としては悩みどころ。

           

          シンガポールではCOE(Certificate of Entitlement)という車所有証明書の権利をオークションで売買する制度があり、新車には自動的に10年間有効の証明書がついてきます。我が家では8年前に6年の証明書残存期間つき中古車(=4年落ちの中古車。日産サニーですが約450万円しました!)を購入。10年たったところで証明書を5年更新したので、あと3年でこの車を手放さなければなりません(売ることはできないので、いったん廃車にして業者が海外へ輸出します)。

           

          2年前には「もしかしてEVが安くなってたら、次はそれかもね」と半信半疑で夫と言っていたのですが、その可能性がかなり高まったと感じています。

           

          この記事によると、中国メーカーはEV分野で躍進しているけれど、国内市場を開放していないので中国製EVが日本に入ってくるにはまだまだ、と言われているようですが、東南アジア地域は日本車シェアが非常に高く、ブランド力もある土地柄。いっぽうで、中国との関係も非常も非常に緊密で関税障壁も低くなっています。

           

          ここにBYDのような中国EVメーカーが大増産でコストを圧縮して参入してきたらどうなるか?

           

          EVは「電気自動車」という名前でも、通常のエンジン自動車とは似て非なもので、どちらかというと家電に近いといいます。安全の問題がありますから資本力のない弱小メーカーが膨大なフィールド試験データを蓄積するにはまだまだ時間がかかるのでしょうが、このBYDのように海外メーカと提携したり、ボルボやダイムラーを買収した吉利社のように海外メーカ買収によりノウハウを入手したメーカは比較的簡単に海外市場への参入が可能になるのではないかと思います。

           

          中国2大ブランドによるシェア自転車はここ半年ほどですっかりシンガポールのインフラになってしまいましたが、一昨日は観光地のマリーナ・ベイで電動スクーターのレンタルショップができているのをみかけました(1か月前にはありませんでした)。

           

          十年一日どころか、最近は2,3年でこれまでの当たり前と信じていたことがすっかり変わってしまうような変化の速さを感じます。

           

          我が家が現在の車を手放す3年後、ひょっとしたらシェア自転車のように近所の駐車場でシェアEVを借りる時代になっているのかもしれません。

          | Yuriko Goto | 世界経済 | 18:29 | - | - |
          台湾の芸術レベルが高くなった理由
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            JUGEMテーマ:国際社会

             

            昨晩はシンガポールの国立コンサートホールEsplanadeで新春芸術祭の一環として開催された、台湾のパーカッション・グループ「朱宋慶打撃楽団」のコンサートに行ってきました。

             

            普段はクラシック・コンサートにしか行かないのですが、たまには8歳の娘にも楽しめるPopコンサートにも行ってみようとチケットを購入したのですが、予想に反してなかなか本格的な現代音楽のコンサートでした。

             

            太鼓だけでなく、マリンバや鉄琴、琵琶まで登場してメロディーラインを奏でた他、マスクをつけて扇子をバチ代わりに使うパフォーマンス性の高い演奏や、日本人作曲家櫻井弘二さんの電子音楽を使った楽曲などバラエティに富んだ演奏で、2時間近い時間があっという間に過ぎ、最後のアンコールは、テレサ・テンの名曲をサンバで演奏して会場を巻き込み大盛り上がり。

             

            いわゆる伝統音楽や、クラシック、軽音楽の垣根を越えて自由に音とリズムを追求し、しかし安易なパフォーマンス重視に陥ることない非常に高い水準の芸術レベルに驚かされました。

             

            これまで、日本やアメリカなどの太鼓やパーカッショングループの舞台をいくつか観たことがありますが、芸術レベルという意味では今回の朱楽団の演奏が頭一つ抜きん出ているといっていいと思います。

             

            ■アート分野で世界レベルに躍り出る台湾

            実は、台湾アーティストの芸術レベルの高さに驚かされたのは、これが初めてではありません。

             

            20年ほど前、台北に所用があって行った折、たまたま夜時間があったので国立劇場で京劇を観ました。

             

            私は中国の伝統芸能に詳しいわけではありませんし、京劇も初めてでした(香港に住んでいたので広東語のオウ劇はときどきTVで観ていました)が、私が観た演目は大衆劇レベルを超越し、シェイクスピアを現代風に翻案した舞台を観るような感覚で、舞台や衣装、音楽の豪華絢爛さのみならず、古典ストーリーの解釈そのものが素晴らしいと感じました。

             

            台湾映画もまた、エンタメ性が高い香港映画やインド映画と違い、文芸作品で国際的に高い評価を受ける作品が多いことで有名です。

             

            その中でも傑出しているのが『ブロークバック・マウウテン』でアカデミー賞監督賞を受賞し、最近ではとてもハリウッド映画とは思えない寓話性の高い『ライフ・オブ・ファイ』で再度アカデミー賞監督賞を受賞した、アン・リー監督。

             

            リー監督は台湾の国立芸術大学卒業後、アメリカへ渡り、イリノイ大学とニューヨーク大学で映画制作を学んだといいます。

             

            私は映画の最後のタイトルロールを見るのが好きなのですが、よく見ているとハリウッド映画の製作スタッフの中に非常に台湾出身者が多いのがわかります(中国人や華人でも出身国によって名前のアルファベット表記が違うため、おおよそ見当がつきます。例えば、広東省潮州出身者に多い「蔡」という苗字は、中国ではCai、台湾ではTsai、香港ではChoi、シンガポールやマレーシアではChuaと表記されるのが普通です)。この中から第二、第三のリー監督が出てくるであろうことは想像に難くありません。

             

            朱楽団の代表、朱氏もクラシック音楽の聖地ウィーンに留学後、台湾に帰国してからこの楽団を立ち上げており、代表の留学経験が楽団の音楽方針やクオリティに大きな影響を与えているのは容易に想像できます。

             

            ■留学生たちが作ってきた国、台湾

            正確な統計資料がないのではっきりした数字はわかりませんが、台湾では国民全体の数に比べ海外に留学する人の割合が他国に比べて多いのではないかと感じます。これは、私の大学時代にも感じたことですし(当時は中国本土からの留学生はほとんどいませんでしたが、韓国人留学生と比べても台湾人の人数が多いという感覚がありました)、また、このブログ記事のように、実際に台湾にいてもそう感じる方は多いようです。

             

            鴻海を筆頭に台湾が国際的成功を収めるビジネス分野での留学はもちろんのこと、音楽や映画といった芸術部門でも台湾人は積極的に海外から多くのものを学び、それを母国に持ち帰って磨き上げ、そのような人々が切磋琢磨しているうちに自然と国全体のレベルが上がってきたのではないでしょうか。

             

            シンガポールでも若いアーティスト育成に政府が力を入れていますが、全体のレベルからするとまだまだ日本や台湾には追い付いていないと感じます。他方、台湾のアーティストたちは政府をあてにするどころか、自分たちの力で世界のあちこちに積極的に出ていき、そこで自国にはないものをどん欲に吸収しつつ、帰国してからさらに熟成させているのだと感じます。

             

            日本人留学生の数が激減しているという話を近年よく耳にしますが、留学による費用負担が厳しいのはどの国の学生も同じ。それを恐れず新天地を開拓しようとする気概のある若者たちが、20年後、30年後のその国の形を作っていくのだと思います。

            | Yuriko Goto | グローバルビジネスと人材 | 15:21 | - | - |
            政府財政が健全だといいこともあるよ、という話。
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              JUGEMテーマ:シンガポール

              先週後半からの旧正月疲れと、あちこちで新年会がありまだまだお正月ムードが続いたおかげで、今週はなんとなく終わってしまいましたが、そんな中でもシンガポール政府のみなさんは精力的にお仕事されていて、2018年度予算が発表されて財務大臣はその説明にあちこち駆け回っていました。

               

              2017年の世界的好景気を受け、シンガポールのGDPは前年比3.7%増。税収も大幅に伸びて、来年からと大方が予想していた少子高齢化対策に伴う消費税増税(現行7%を9%に)も、2021年から2025年の間に景気動向をみながら行うということに。

               

              いっぽうでたばこ税は即日10%増税のほか、地球温暖化対策の一酸化炭素税の導入や過熱気味の不動産購入税などの増税の他、国境を越えたゲームダウンロードや音楽ストリームなどへの新たな課税も公表されました。

               

              大幅な予算措置としては地下鉄システムの整備や公団住宅の新たな建設費など、インフラ関係がメインで「まだまだ成長するぞ」との強い決意がにじみ出る内容。教育にも力を入れていて、昨年から本格的に始まったリカレント教育予算継続の他、貧困世帯の教育補助も大幅に増額するとしました。

               

              中でも羨ましいなーと思ったのは、21歳以上のシンガポール国民全員にSG$100〜$300(約8,000円〜24,000円)の特別ボーナスを配るとの発表。以前も選挙前などに実施していたこともあるようですが、今回のように「大幅にお金余ったから」と国民に還元するのは私が知る限りでは初めてです。

               

              財政が健全で、必要なところにしっかりと予算配分ができ、その結果経済もうまく循環している状況がよくわかり、国民も「いろいろ言いたいこともないではないけど、この政府だったら安心して政治を任せられる」と信頼している様子。私は国民ではないのでボーナスもらえませんが、ずっと税金を払ってる日本政府にも将来ぜひこんな政策を期待したいものです。

              | Yuriko Goto | シンガポール社会 | 18:56 | - | - |
              見えない障がいは自己責任か?
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                JUGEMテーマ:政治

                 

                ある落語家の方が、日本には貧困問題はない、というツイートをされて批判を浴びているようです。

                 

                現在の日本で「相対的貧困」ばかりがクローズアップされる風潮には私も若干疑問を感じてきましたが、日本の貧困は絶対に自己責任、という決めつけには強い違和感を覚えました。それは今、私が8歳の発達障がい(ADHD)児の子育て真っ最中だからです。

                 

                ADHDは、注意欠如・多動性障害という脳の機能障がいです。この障がいがあると、何かに集中して作業をしたり、じっと座って人の話を聞いたりすることができません。また、日頃の行動は衝動的で、かっとなってひどい言葉を口走ったり、子どもではとっさに暴力をふるうことがままあります。

                 

                我が家の娘は保育園と幼稚園を合計3回退学になり、昨年、正式に病院の診断を受けて薬を飲み始めるまでは、毎月のように親が学校に呼び出されて注意を受けていました。

                 

                ADHDは脳の機能障がいですから、精神的なものではなく、一種の身体障がいです。ADHDをもつ人の脳は前頭部がほとんど働かないため、注意力や集中力に欠け、学習や仕事に困難をきたすのはもちろん、下手をすると日常生活もままなりません(娘は小3ですが、薬を飲んでいないといまだに用を足した後トイレを流せませんし、引き算の概念もどうしても理解できません)。

                 

                例えば、生まれつき四肢に障がいがあって身体を使った仕事ができない人や、重度の知的障がいがあって通常の職場での仕事ができない人に向かって「仕事ができないのは自己責任」と批判する人は皆無でしょう。しかし、ADHDをはじめとする発達障がいの人たちは、外から見ると何ら健常者と変わらず、知的レベルも特別劣っていない人が多いため、何かにつけて「自己責任」を追及されるのです。娘も親も幼児の頃から周囲に「何とかしろ」と言われ続けてきましたが、いくら躾を厳しくしても、思うように脳が働いてくれないので改善のしようがありませんでした。

                 

                さらに問題を複雑にしているのは、このような発達障が遺伝によるケースが多いことです。

                 

                我が家の娘の生母は文盲で、自分の名前さえ書けません。読み書き計算ができないのでそもそもろくな仕事にはつけませんが、何とか定職を得てもすぐに辞めてしまい、ゴミ拾いのようなその日暮らしの仕事に戻ってしまいます。

                 

                当初は貧しく教育を受けられなかったためにそうなったのかと思っていました。しかし現在では(貧しいのはもちろんですが)、恐らく彼女もADHDをもっていて放置されたまま大人になってしまったのが主な原因ではないかと思っています。

                 

                通訳を介して話をしても彼女は決して知的レベルが低いわけではありませんし、何より「娘を私と同じような大人にしたくない。海外に出してきちんと教育を受けさせたい」と養子に出すことを決意し、つてを頼ってそれをやり遂げたわけですから、立派な意思の力を持っており、1人の女性として私は大変尊敬しています。しかし、もし彼女が娘を自分で育てていたとしたら、恐らく娘は母親と同じ人生をたどることになったでしょう。

                 

                鈴木大介さんの『最貧困女子』は、最底辺のセックスワーカーとして働く女性たちを取材した渾身のノンフィクションです。

                 

                彼女たちは、いい加減で約束を守らず、何か努力をしているようにもみえず、その日暮らしの行き当たりばったりの生活を送っており「自己責任」の「じ」の字も知らないように見えます。また、生活保護を受けたくてもどうしたらいいかわからず(わかっても申請書類の記入ができず)、中には生活保護の存在そのものを知らない女性もいます。

                 

                そんな彼女たちのほとんどが、外見からではわからない、精神障がい、知的障がい、発達障がいという障がいを抱えており、自分の力ではどうしようもなくそんな生活を送らざるを得ない、と鈴木さんは言います。そして私には、彼女たちの姿はそのまま、娘やその生母の姿と重なって見えるのです。

                 

                何らかのADHD傾向をもつ人は全人口の5〜7%を占めると言われています。また、学校で娘の面倒をみてくれているカウンセラーが担当している児童の中には、軽度の自閉症の子どもや、ディスレクシアという文字が読めない子どもも何人もいます。このような子どもたちが、障がいを克服できる技術を身につけないまま社会に出てしまい、不適応を起こして貧困に陥ったら、果たして私たちには「自己責任」と非難する権利があるのでしょうか?

                 

                もちろん、障がいがあるのだからすべて社会が面倒をみるべきだ、ということを私は言いたいのではありません。

                 

                ただ、見えない障がいをもつ人たちが世の中には一般の想像以上の数で存在していること、一見して障がい者に見えないからといって、彼らにできないことをすべて自己責任として片づけることは、逆に、社会の構成員としての私たち自身の責任を全うしていないことになるのではないかと考えるのです。

                 

                障がいをもつ人=社会的弱者の自己責任を問う前に、彼らを社会に受け入れ、彼らが自分の能力を十分に発揮できる社会を作ることこそ、私たち「健常者」の自己責任ではないでしょうか。

                | Yuriko Goto | 日本社会 | 13:58 | - | - |
                シニア婚はメリットだらけ
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                  JUGEMテーマ:幸せなお金と時間の使い方

                   

                  ■結婚したくない、相手がいない結婚適齢期の男女

                  「結婚はコスパ悪い」と考える独身男性や「結婚したいけれど相手がみつからない」独身女性が増えています。2015年の国勢調査では生涯未婚率は男性で23.37%、女性で14.06%に。

                   

                  この記事によると、女性が感じる結婚のメリットは、家庭や子どもをもったり、経済的に余裕がもてる、と答える人が多く、それが男性にとってはそのまま「家族の扶養責任」や「事由に使えるお金が減る」といったデメリッにつながっているといいます。

                   

                  身もふたもない言い方をしてしまうと、女は「カネをよこせ」、男は「カネは渡さん」と思っているわけで、こんな人たち同士がマッチングされるわけがありません。女が結婚したがるのもカネならば、男が結婚したがらないのもカネ。双方譲れないポイントがここでぶつかっているわけで、それでは非婚化が進むのも当然なのでしょう。いくら夫婦は経済活動の一単位とはいえ、あまりに世知辛い結果といえるのではないでしょうか。

                   

                  と筆者が言うように、以前は結婚について利害(?)が一致していた男女も、コンビニや便利な生活家電の普及で男性が独身でも日常生活に困らなくなり、女性は女性で子育てや家事をしながら自分も生活費を稼がなければならない生活は嫌というのであれば、結婚や子どもが減っても当然です。

                   

                  ■女性有名人のシニア婚が増加中

                  いっぽう、昨年63歳で結婚して大きな話題となった阿川佐和子さんや、57歳でやはり初婚の浅野ゆう子さんをはじめ、63歳で結婚した桃井かおりさん、58歳で結婚した小林幸子さんなど、ここ数年、長年にわたってキャリアを築いてきた女性たちがシニア婚するケースが増えてきています。

                   

                  このような年齢での結婚にはいろいろな事情もあるのでしょうが、父親の介護を体験した阿川佐和子さんの「介護が必要になったときに老後をどうするか考えた」という言葉が私は特に気になりました。

                   

                  若い頃と違い、シニアと呼ばれる年齢になれば人生の酸いも甘いも経験し、損得感情だけで結婚を考える人はごく少数になります。阿川さんのこの言葉も、ただ「将来介護してくれる人がほしい」と解釈するのではなく、(自分がするかもしれない)介護を含めた人生後半のパートナーがほしい、ということだと思います。

                   

                  そこで今回は、思いつくままにシニア婚のメリットを考えてみました。

                   

                  ■こんなにあるシニア婚のメリット

                  <老後の金銭的リスクヘッジ>

                  シニア婚では女性もそれまでずっと働いてきたケースがほとんどでしょう。

                   

                  年金や貯金など老後を支える蓄えは女性が専業主婦だった場合と比べて格段に多くなりますし、シニア世代につきもののリストラや病気などにより職を失っても、相手が働いていればすぐに生活に困ることはなくなります。定年後に転職や再雇用で給料が下がっても二馬力でしたら極端な倹約をしなくても生活可能です。

                   

                  定年後も働き続ける目的でいったん仕事を辞め、リカレント教育を受けようという決断も、相手が働いていれば生活を考えて迷うことは少なくなるでしょう。

                   

                  <介護のリスクヘッジ>

                  配偶者も子どももおらず、独身で歳を重ねる人が一番恐れるのは、病気になって体が動かなくなったり、認知症になって日常生活が送れなくなることでしょう。

                   

                  シニア婚で配偶者ができればお互いに介護できるのはもちろんのこと、入院するにしても施設に入所するにしても多くの場合、身元保証人や後見人が必要です。兄弟や甥姪などに気軽に頼める環境ならば別ですが、そうでない場合はやはり配偶者がいるにこしたことはありません。

                   

                  さらに、シニア婚した配偶者に連れ子がいた場合、円満な関係を築くことができれば、配偶者が亡くなった後でも後見人役を引き受けてもらうことが期待できます。

                   

                  <共同生活による生活コスト削減と家事労働の分担>

                  おひとり様で暮らすより、2人で暮らしたほうが1人当たりの生活コストは断然低くなります。

                   

                  特に老後に大幅収入源になった場合、月数万円の違いでも数十年に及ぶ老後の生活を考えると大きな節約になってきます。また、年金が不足という夫婦では、アルバイトなどで1人で働くより2人で働いたほうが働く時間が少なくてすみ、体力的に負担になりにくいですし、そもそも1人あたり稼がなければならない金額が減るので気持ちにもゆとりが出ます。

                   

                  また、2人ともそれまで身の回りのことは自分で行ってきた長い経験がありますので、家事スキルも相当に高いはずです。若い人たちのように家事の一方的な負担によりストレスがたまり夫婦仲が悪くなるケースも少ないと思われます。

                   

                  <孤独の回避>

                  旅行や趣味などでどこかへ出かけるとき、相手がいると楽しさは倍増します。女性の場合は友人が多く相手には困らないかもしれませんが、男性はやはり配偶者が一番でしょう。何十年も過ごしてきたので老後は別々に楽しみたいという夫婦とは違い、シニア婚では結婚してからの時間が少ないですから、2人で楽しめる時間がたっぷりです。

                   

                  また、1人で食事をする人は、独居で1.2倍死亡リスクが高まり、家族と同居では1.5倍になるそうです。独身と比べてだけでなく、結婚している夫婦と比べても、2人で過ごす時間の多いシニア婚夫婦のほうが長生きチャンスが増えそうです。

                   

                  ■人生100年時代に第二ステージの家庭生活を考える。

                  思いつくままに書いてみましたが、こう考えてみると、自立した大人同士のシニア婚にはメリットばかりのような気がします。

                   

                  人生100年時代、キャリアやお金も大事ですが、人生の伴侶とどう向かいあっていくか、独身の方は、伴侶を新たに獲得することも含めて、人生第二ステージの家庭生活を真剣に考える時代に入っていると思います。

                  | Yuriko Goto | ライフマネージメント | 14:32 | - | - |
                  シンガポール国民の職を確保し給料を押し上げる外国人労働者クォータ制
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                    JUGEMテーマ:シンガポール

                     

                    昨日のブログ記事に、シンガポール人の叔母が80歳過ぎても飲食業で働き続けているという話を書きましたが、シンガポール人が高齢でも比較的簡単に職をみつけられるのには理由があります。

                     

                    それは、約3割の外国人労働者(実際には人口の4割が外国人ですが、私のようにシンガポール人と結婚したり長年シンガポールで働き続けて永住ビザをもつ外国人が1割おり、この層はシンガポール国民に準ずる扱いを受けます)の雇用に際し、シンガポール国民の雇用を義務づけるクォータ制をとっているからです。

                     

                    シンガポールの労働ビザは、高度人材ビザから家政婦ビザまでいろいろな種類がありますが、この中で最も多いのが「Work Permit」と呼ばれる比較的単純な労働に従事するためのビザで、昨年6月時点で975,800人の外国人がこのビザを支給されています。

                     

                    うち、建設労働者が約3割を占めますが、その他にも、ホテルや運輸、ビジネスなど就業職種は多岐にわたっており、叔母の働いている飲食業界も含まれます。

                     

                    特に飲食などのサービス関連業種につける労働者は出身国も決まっており、マレーシア、中国、北アジア(香港、マカオ、台湾、韓国)限定。中国人についてはビザ延長の年数も最初から決められています。

                     

                    もともとサービス業、特に小売店員や飲食店店員などはシンガポール人に人気がある職種ではありません。そのためマンパワーを外国人ワーカーに頼らざるを得ないのは日本のコンビニなどの現状と同じですが、大きく違うのは、政府によってシンガポール人の割合が一定以下にならないようクォーター制が強制されていることです。

                     

                    このビザでは、外国人労働者は職場での全体人数の40%を超えられないため、より多くの外国人労働者を雇うためには、さらに多くのシンガポール人労働者を雇う必要があります。また、外国人の割合が多くなればなるほど税金が上がりますので、雇用者としてはシンガポール人を多く雇ったほうが得なのです。

                     

                    とはいえ、ほぼ完全雇用状態のシンガポール。シンガポール人求職者の供給は限られているため、高齢者でも採用されやすく、賃金も決して悪くないという状況が続いています。

                     

                    私と同い年のあるシンガポール人の友人(独身女性)は、長年ホテルの客室係として働いていますが、趣味の旅行を楽しむためにときどき勤務先を辞めたり、数年前に母親を自宅で最期まで介護していたときはパート勤務になり、容体が悪くなる度に仕事を辞めていました。それでも次の仕事に困ることはなく、すぐにみつかるため、30代で買った公団住宅のローンもすでに払い終えたようです。

                     

                    日本では建前上は外国人労働者を受け入れていないことになっていますが、外国人就学生や研修生など、実際には外国人労働者なしでは一部の産業は成立しないのが現状です。この日経の記事によれば、リーマンショック後に増えた就労者の4人に1人は外国人というところまで外国人労働者の数が増えています。

                     

                    少子高齢化社会で外国人労働者に労働力を頼るのは仕方ないと思いますが、それにより、真剣に働きたいと求職している中高年層や高齢者の働き口が少なくなったり、外国人労働者に比べて賃金水準が低くなってしまうのであれば本末転倒だと思います。

                     

                    日本国民、特に求職弱者である中高年以上の就職率をどのように向上させ、賃金を上げるのか、シンガポールの国民クォーター制は一つの参考になると思います。

                    | Yuriko Goto | シンガポール社会 | 14:28 | - | - |
                    老後にお金がなくても幸せな条件
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                      JUGEMテーマ:幸せなお金と時間の使い方

                       

                      先週金曜日から3日間、旧正月の三連休で普段より忙しい日々を過ごしていました。

                       

                      日本も最近は随分変わりましたが、シンガポールでは日本の以前のお正月と同じく、正月期間中には家族や親せきを呼んで食事をしたり、こちらから訪ねていくのが普通です(これは華人だけでなく、マレー系やインド系のお正月にあたる祭日でも同じです)。

                       

                      レストランやホーカーと呼ばれる屋台はほとんど休みになるか、営業しているところは非常に混雑して予約が取りにくくなるため、たいてい家で家族や来客用のご馳走を用意します。特に最近は親世代がみな80代を超えてきて大人数分の食事の準備が難しくなっているため、私もお正月用に料理したり、お菓子を作ったりと休み前から準備に励んでいました。

                       

                      夜はこうして毎日、家族(義理の父母と兄弟たち一家)と食事ですが、昼は父母の兄弟たちの家を回って、みかんを交換して近況を報告しあい、子どもはお年玉をもらいます。結婚した頃は毎年、10軒近く回っていたのですが、父方の兄弟がここ数年でほとんど亡くなってしまったため、今年は母方の伯(叔)母たちだけ。一人だけ存命の父方の叔母のところにも行こうとしたのですが、日曜日の都合を聞いたところ「その日は仕事で夜10時までいないから」と断られてしまいました。

                       

                      この叔母はちょうど80歳を少し超えたところなのですが、若いときからずっと飲食業界で働いています。

                       

                      子どもがおらず生活も余裕があるわけではありませんが、ちょっと年下の叔父ととても仲が良く、いつも大きなバイクに2人乗りで移動し、休みにはタイやベトナムなどへの旅行も楽しんでいるようです。早口でよく喋り、とても明るく元気な女性で、実際の年より随分若く(70代くらいに)見えます。

                       

                      もちろん年が年ですので体も不調なところはあるのでしょうが、同年代の他の叔母たちと比べても病気や体調不良の話を聞くことは少なく、大病をしたという話も聞きません。もし仕事を辞めてしまったらこの叔母がどんな生活をするのか、想像もつかないのです。

                       

                      昨年から今年にかけて、アメリカン・エアラインズの82歳の世界最年長客室乗務員ベット・ナッシュさんが脚光を浴びたり、シンガポールでも現役マクドナルド従業員ゴウさんが90歳で亡くなったりと、高齢ワーキングウーマンのニュースが注目を集めました。

                       

                      日本でも少し地方へ行くと、工場やお店などで70代、80代の方々(特に女性)が元気に働いているのは珍しくなくなりましたが、少子高齢化社会が進む今後はさらにこの傾向が強くなり、夫の叔母のように80代でも若い人たちと肩を並べて働き続ける方が増えていくのではないかと思います。

                       

                      お正月の親戚周りをしていて感じたのは、足が悪くなり、毎日テレビを観るくらいしかすることがなくなると、人間は一気に老けこむなということ。動かなくなるとだんだん知覚も鈍ってきますので、本人もつらいだろうと察します。

                       

                      体を動かせるうちはできるだけ動かして自分のペースで働き、社会に貢献して自分の生活も自分で賄えることのほうが、老後のためにと貯蓄に励み、早いうちから悠々自適の(何もしない)引退生活に入るより幸せなのではないかと、親世代が人生の最終段階に差し掛かってきた今年は特に強く感じました。

                      | Yuriko Goto | 老いと向き合う | 15:51 | - | - |
                      観光客は絶対行かない、シンガポールお薦めレストラン&カフェ5選(森の中編)
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                        JUGEMテーマ:シンガポール

                         

                        昨日に引き続き「観光客は絶対行かない」レストラン&カフェ・シリーズ。本日は「森の中編」。

                         

                        「大都会のシンガポールに森なんて?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、樹木好きだったリー・クワンユー元首相のおかげで、意外と街の真ん中にジャングルが残ってたり(残してたり)、軍事施設の周囲が森になっていたりと緑が多いです。

                         

                        (余談ですが、チャンギ空港からシティ・センターまで海沿いのハイウェイECPを通ると中央分離帯にブーゲンビリアなどさまざまな植物を植えた大きなコンテナがたくさん置いてありますが、これは移動可能。有事の際は全部どけてハイウェイが戦闘機の滑走路になるよう設計されているそうです)

                         

                        選択の基準は昨日の「ビーチ編」と同じく下記の通りです。

                         

                        1.人が少なくて静か。〜 私はとにかく人混みが嫌いです。満員電車に乗るのが嫌で会社を辞めてフリーで仕事を始めたくらいなので、外出時もできるだけ人が少なく静かな場所で過ごしたい。席数も少なめがベターです。

                         

                        2.価格がリーゾナブル。〜 シンガポールのレストランは驚くほど高いのが当たり前。不動産が高いので半分は家賃なので仕方ないといえばそれまでですが、商品やサービスのクオリティに比べてこの値段はさすがに…という店はできるだけ避けています。

                         

                        3.できれば散歩ができる。〜 外食はほとんど家族と一緒ですが、ただそこに行って食事をしたりお茶をするだけではつまらないので、その前後に気持ちよく散歩したり、人が少なくテナントに特徴のあるショッピングモールがあったりするとさらに楽しみが増えます。

                         

                        #1 Riders Cafe (ライダース・カフェ)

                        元競馬場の隣、乗馬クラブの中にあるカフェ。

                         

                        ここが素晴らしいのは、何といってもコロニアル建築の建物。個人的にシンガポールの二大ベスト・コロニアル建築は、こことDempsy Hillにある植民地時代のイギリス軍人向け教会だったSt.George’s Churchです。

                         

                        とにかく街中から遠いので(といっても車で30分くらいですが)人が少ない。乗馬中の人が窓の外をたまに通りかかったりするのもご愛敬。

                         

                        乗馬場の周囲は、以前住宅として使われていたコロニアル風の廃屋タウン。もちろんここも鬱蒼とした樹木に覆われていて、たまに車が通る他は人気がゼロ。シンガポールでは滅多にない我が家のお気に入りお散歩スポットです。娘は厩舎の馬を見るのも愉しみにしています。

                         

                        #2 Sunset Bay (サンセット・ベイ)

                        以前はイースト・コースト・パークにあったのですが、2年ほど前に空港近くのChangiに移転。ビーチから森の中にシフトしました。

                         

                        Changi Villageという地元民に人気のホーカーセンターから徒歩5分ほど。ゴルフ場の隣にあって人も車もほとんど通らず、お隣は最近注目株の野菜工場。

                         

                        経営者兼シェフはユーロエシアン(欧米人とアジア人の混血民族)姉弟2人。ローカルとウェスタンが混じった独特のメニューが人気で、お客さんは長年通い続ける固定客がほとんど、みんな顔見知りでリラックスした雰囲気です。

                         

                        週末にはライブ演奏も楽しめます。

                         

                        #3 Poison Ivy Bistro  (ポイズン・アイヴィー・ビストロ)

                        シンガポール農業の中心地でマレーシア国境に近いKranjiエリアにある農園、Vollywood Veggiesに併設するレストラン。

                         

                        オーナーのIvyさんはもともとインド系実業家ファミリーに産まれ、家業を継いでキャリアウーマンとして大成功をおさめた後、リタイアして華人の夫と農園経営を開始。こちらも大盛況で、週末には家族連れで賑わいます。

                         

                        この農園+ビストロは別の意味でも有名です。もともと政治活動をしていたIvyさんがリー・クワンユー元首相と犬猿の仲だったらしく、政府批判を繰り返していたたため脱税容疑で起訴されますが、長期間にわたる法廷闘争の結果無罪を勝ち取ります。最近はあまり言わないようになったようですが、一時は「Warrior Ivy」と自称して独自路線を貫いていました(今でもメニューにはやたらとWarriorがついています)。

                         

                        農園を散歩できるのはもちろん、料理教室や園芸教室も盛んに開催していますのでアクティビティもあり。ただし閉店は週末でも18:30なので注意が必要です。

                         

                        #4 Vava Bistro (ババ・ビストロ)

                        街中からほど近いMacRitche貯水池公園内にあるビストロ。

                         

                        料理には特筆するものがありませんが、ウッドデッキが広くて貯水池を見下ろしながらゆったり食事ができるのと、セットメニューやビールセットがお手頃価格で家族連れに良いと思います。

                         

                        この公園は猿が多く生息しているので有名で、よく整備されたトレイルコースをお散歩しながら(ジョギングしている人もたくさんいます)猿の生態観察をするのも楽しいです。

                         

                        #5 Picotin Express Bukit Timah@ Champions Golf  (ピコティン・エクスプレス・ブケティマ)

                        #1のRiders Cafeから車で1,2分、徒歩10分〜15分ほど森を登っていったところにあるビストロ。

                         

                        ここがすごいのは、壁がいっさいないことで、解放感あふれる屋内(というか屋根の下)から、隣接するゴルフ場が見渡せます。

                         

                        シンガポール在住中年欧米人に人気があり、週末の夜は、ビール瓶片手にスポーツ中継を観ながら遅くまで喋っています。ゴルフ場隣接だけあってお値段は街中並みですが、ちょっと飲む分にはたいした金額にはなりません。

                         

                        しっかり食事を、という場合は、ゴルフ練習場をはさんで向かい側のタイ料理レストランがお薦めです。

                         

                        #番外 Pollen (ポレン)

                        世界有数の規模を誇る植物園Gardens by the Bayの巨大冷蔵庫の一つ、フラワー・ドーム内にある高級レストラン。

                         

                        ずっと行きたいと思いつつなかなか機会がなく、次の結婚記念日ディナーに夫にプレゼントしてもらおうかなと考え中。

                         

                        お花畑の中で愉しむ食事というコンセプトはなかなかユニークだと思います。

                        | Yuriko Goto | シンガポール | 16:33 | - | - |
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