ASIAN NOMAD LIFE

日本、香港、中国で生活・仕事をしてきてシンガポール在住8年目。
ヨーロッパ人に学ぶ、本当に贅沢な休暇の過ごしかたとは?
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    今年の夏休み、日本から訪ねてくれた友人夫妻と、マレーシア、ティオマン島のリゾートに行ってきました。
     
    シンガポールは国土が東京23区程度の非常に狭い国なので、旅行=海外旅行です。中でも車で簡単に行けるマレーシアは手軽な週末旅行先。シンガポールに近いリゾートは、東京から伊豆に遊びに行くような感覚です。また、ティオマン島へのフェリー乗り場があるタンジョン・ガモック港は、首都クアラルンプールからもシンガポールからもちょうど同じくらいの距離で、シンガポールからはもちろん、クアラルンプール経由でも世界各国からの観光客が訪れます。
     
    今年5月にティオマン島に1泊旅行をして美しい海とサンゴ礁に魅了され、今回は2回目。前回は少し大きめのリゾートで中国人団体観光客が多く騒がしかったので、こじんまりしたリゾートを選びました。
     
    ■何もしない休暇を楽しむヨーロッパ人
    このリゾートで3日間を過ごして驚いたのは、フランス人が非常に多かったこと。オーナーの話では、フランス人が宿泊客の70%、それ以外の国も含めると約90%がヨーロッパ人で、オーナー自身も当初はこんなにヨーロッパ人ばかりになるとは思っていなかったとか。
     
    リゾートにはテレビがなく、音楽もかかっていません。Wi-Fi接続もロビーのみ。お土産を売るショップもなく、シュノーケルセットをレンタルする小屋があるくらい。近くの村へは20分ほど歩けば行けますが、大半の人は出かけることもなく、リゾートのプライベートビーチで泳いだり、本を読んだりして過ごすか、コテージの部屋でくつろいでいました。ちょうどピーク期で満室状態だったにもかかわらず、リゾート全体がとにかく静か、という印象を受けました。
     
    また、リゾートとはいえ建物や装飾はシンプルでかなり質素。宿泊代は若干高めなものの、食事はリーゾナブルな値段でボリュームたっぷり。ここでのんびり過ごす分にはほとんどお金を使わずにすみました。実際、2部屋続きのコテージの隣の部屋にはイギリス人のゲイカップルが宿泊していましたが、夕食のときも見かけませんでしたので、何か部屋に持ちこみで食べていたのかもしれません。東南アジアのいろいろなリゾートに行きましたが、ここまで宿泊客が何もしないリゾートというのは初めて見ました。
     
    ■子供のうちから「何もしない」贅沢を覚える。
    このリゾートのもう一つの特徴は、家族連れが多いこと。どの部屋にもダブルベッドの他に子供用の2段ベッドがあり、小さい子供たちからティーンエージャーまで、たくさんの子供たちが何もないリゾートライフを満喫していました。
     
    6歳になったばかりの我が家の娘も、初日の晩、さっそく同じ年頃のフランス人の子供たちをみつけて遊び仲間に。翌日、シュノーケリングツアーで子供たちの家族と一緒になったので(このツアーだけは宿泊パッケージ込のため半数くらいの人が利用していました)聞いてみたところ、シンガポールに駐在している夫婦と、訪ねてきた妹夫婦の家族だそう。4人の子供たち+我が家の娘は、いっしょに泳いだり、砂遊びをしたり、最終日はあいにくの雨だったため、ロビーで絵を描いたりして遊んでいました。
     
    テレビなし、ゲームなし、You tubeなし、ショッピングもなしだったのですが、ふだんシンガポールでどっぷりこれらに使っている娘も、裸足で砂浜を走り回り、本当に楽しそうでした。何もしないことこそが贅沢であることを、子供の頃からヨーロッパ人は教えられているのだなと、この子供たちの姿を見て改めて思いました。
     
    ■「ふなばしアンデルセン公園」にみる日本でも変わってきている休暇の過ごし方
    少し前になりますが、世界最大級の旅行口コミサイト、トリップアドバイザーの「2015日本のテーマパーク」ランキング3位に船橋市の「ふなばしアンデルセン公園」が選ばれて話題になりました。
     
    トップ2は言わずと知れた東京ディズニーランドと東京ディズニーシー、4位にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン、5位には富士急ハイランドがランクインする中、全国的にはまったく無名のこの公園が選ばれたのです。関係者からも「信じられない」という声が上がるほど意外なランクインだったそうですが、日本人の休日の過ごし方も少しずつ変わってきているのではないかと感じました。
     
    ふなばしアンデルセン公園は公営だけあって、入場料が大人900円、小中学生は200円、幼児は100円と格安です。広い敷地内には、アスレチックコースあり、水遊び広場あり、版画や染織りなどの体験プログラムあり、童話の読み聞かせプログラムありと、追加料金なしで子供たちがのびのびと1日遊べるアトラクションが多数取り揃えられています。乗馬やミニカー、ボートなど、有料のアトラクションもありますが、こちらも100~300円と手ごろ。
     
    有名テーマパークで炎天下、長蛇の列に並び、駐車料金や食事代、おみやげ代などを入れて111万円以上も使うことを考えたら、ふなばしアンデルセン公園ではほとんどお金を使わず1日めいっぱい遊べます。こんな休日を過ごす人が着実に増えていることを示すベンチマークが、今回のランクインだったのではないでしょうか。
     
    ■子供も大人も、時間を気にせずゆっくり過ごせる贅沢を。
    昨年の夏休み、我が家の娘は東京で1週間を過ごしました。お台場の観覧車やスカイツリー、お祭りなど、子供が喜びそうないろいろな観光名所に連れていったのですが、娘が一番喜んだのは何と「木場公園」。ここの無料の水遊び広場に毎日のように行きたがったのです(実際、3日連続で行きました)。
     
    1年たった今でも娘が口にするのはこの広場のこと。今年の夏、去年の夏を思うにつけ、時間を気にせず、思いきり同年齢の子供たちと遊ぶことのできるひとときこそ、子供にとってかけがえのない思い出になるのではないかと思います。
     
    いっぽうの大人も、大枚をはたいて行楽にでかけ、渋滞や行列に耐えて家族サービスをし、リフレッシュするどころか仕事に戻るとほっとするようなお休みより、観光もグルメもなく、何もしないでゆっくりできるようなバケーションスタイルで過ごす人が確実に増えている気がします。近年のキャンプ人気もこんなトレンドを象徴しているのではないでしょうか。
     
    もうすぐシルバーウィークが始まりますが、日本の休日は年々増加しており、有給休暇の取得も国をあげて取得率を上げるためのPRが行われています(10月は年次有給休暇取得促進月間)。しかし、手取り収入はなかなか上がらず、生活は苦しくなっているのに休みだけが増え、「今度の休みはどうしよう・・・」とため息をついている家庭も多いと思います。
     
    日常生活では時間に追われ、ネット情報にふり回され、洪水のように流れてくる広告で要らないものもつい欲しくなってしまうような豊かな時代に生きている私たちだからこそ、もう一度、ヨーロッパ人に見習い、本当に贅沢な休暇の過ごし方を考え直すときに来ているのではないかと感じます。
    | 後藤百合子 | ワークライフバランス | 19:07 | - | - |
    インド人に見習う、スマホラジオで、お家朝活。
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      本日は夏至。1年の中で一番太陽エネルギーによる気が充満し、人間の内なるエネルギーも高まるとそうです。朝も4時から4時半くらいには明るくなっていますので、日頃から「朝型の習慣を身につけたい」と思っている人は今がチャンス! ぜひ朝活に挑戦したいものです。

      ■インド人の朝活がすごい!
      いっぽう昨日6/21は「世界ヨガデー」。ヨガ発祥の地インドでも、モディ首相が参加して市民と一緒にヨガを実践しました。

      私は昨年、仕事で初めてインドに行ったのですが、驚いたのが会社の始業時間がとても遅いこと。ムンバイ周辺では午前10時〜11時前後(終業時刻も夜8時〜9時くらいでラッシュアワーは夜8時過ぎから始まります)。よほど夜型の人が多いのかと思いきや、意外とみんな早く寝るそうで、実は朝型の人が多いのです。

      家具メーカーIKEAが行った8都市8,292人の朝の行動についての調査によると、起きてから出かけるまでにかかる時間が最短なのは上海人(56分)、最長なのがムンバイ人(2時間24分)だそう。インド人が上海人の2.5倍以上の朝の時間を何に使っているのか取引先に聞いてみたら、お祈りをしたり、ヨガをしたり、家の片づけをしたりと朝はフルに活動するそう。ここはぜひ見習いたいところです。

      ■ヨガの代わりにラジオ体操
      とはいえ、さすがに朝からゆっくりリラックスして30分ヨガをする時間はなかなかとりにくい。そこで私が最近始めたのが、ラジオ体操です。

      ラジオ体操といえば夏休みの子供たちの日課。朝6時半から10分間、うっすらと汗ばむくらいの軽い運動をすると、体がしっかり起きてくれます。ラジオ体操はご存じの通り第一と第二がありますが、腰を曲げたり腕を回したりする運動が多く、オフィスワークの肩こりや腰痛をほぐすのにはぴったり。

      また、第一と第二の間には首を回す運動があり、こちらも肩こりに効果あり。時間がないときは第一だけにしてもだいぶ1日のすっきり感が違うような気がします。

      ■スマホでラジオが朝活に最強の味方

      私が気楽にラジオ体操を始められたのは、スマホにアプリ「らじるらじる」をダウンロードしたから。以前ラジオを聞くのは車を運転中くらいでした。でもこのアプリを入れてから、ニュースもテレビではなく、ラジオにして家事などをしながら聞くようにしたら、とても有効に時間が使えるようになったのです。また、6時のニュースが終わると自動的にラジオ体操が始まるのでテレビのようにチャンネルを変える必要もなく、自然に体操モードに。

      スマホ用では他にも民放各局のラジオが聞ける「ラジコ」というアプリもありますので、ラジオ体操の後は別のラジオ局の放送を聞いています。持ち歩けますから、ラジオを聞きながらお弁当を詰めたり、身支度をしたり、朝の時間をフル活用。気になる番組があったら、そのままイヤホンをつけて出勤時にも聞き続けられます。

      朝活のお供に、ぜひスマホを活用してみてはいかがでしょうか?
      | 後藤百合子 | ワークライフバランス | 19:00 | - | - |
      1日10〜20分、週2〜3回でウエストのくびれキープ。アラフォーからのアメリカDVDフィットネスのススメ
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        肌の露出が多くなるこの季節、10代、20代でも「痩せたい!」と切実に願う女子の声ばかり。まして新陳代謝が低くなり、暴飲暴食もせず普通に生活していてもいつの間にか脂肪がついてしまうアラフォー以上の世代では、さらに悩みは深刻です。

        ■王道フィットネスのメリットとデメリット
        理想ボディをキープするのにフィットネス運動がベストなのは周知の事実。ただ、具体的にどんな方法を選ぶのかは思案のしどころ。それぞれにメリットとデメリットがあります。

        ・ジョギング/ウォーキング  屋外を走ったり歩いたりで気分転換効果があり、消費カロリーもたっぷりで体重を落とすには最適。友人とマラソン大会やウォーキングサークルに参加するなどソーシャルな楽しみ方もあります。ただ、梅雨時などや暑い日が続いたりするとついつい億劫になってしまいがち。

        ・スイミング  水の中で重力から解放されて泳ぐのはとても気持ちのいいもの。公営のスイミングプールも増え、低料金で気軽に利用できます。面倒なのは着替え。シャワーを浴びたり髪を乾かしたりに時間がかかります。また、全身運動なので、気になる部分が集中的に痩せられないのも歯がゆいところ。

        ・ジムトレーニング  目に見えて体が引き締まるのはやはり筋トレ。マシンだけでなくトレッドミルでウォーキングやジョギングなど有酸素運動もできるので便利ですが、一般のジムはマッチョな男性が多く、女性専用ジムは中高年女性の社交場になっていて、1人で行くにはちょっと気後れしてしまうことも。

        ・ヨガ ストレス解消のリラクゼーション効果は抜群。オフィスワークからくる肩こりや冷え性の解消も期待できますが、人気のヨガ教室は予約を取るのが大変。また消費カロリーも少なめなのでヨガだけで痩せるのは難しいかもしれません。

        ■お家フィットネスなら手軽
        上記は私もすべて試してみましたが、デメリットの面でなかなか続けられませんでした。 特に仕事が忙しいと「どこかに行く」時間を作るのが難しく長続きしません。

        そこで始めたのが自宅でできるフィットネスDVD。DVDフィットネスはそれほど場所を取らないので、マットとダンベルがあれば狭い自分の部屋のパソコンでも気軽に行え、ジムに行くときのようにウェアに悩む必要もありません。 まずは、一世を風靡した「ビリーズ・ブート・キャンプ」や「コアリズム」「パワーヨーガ」など。しばらく続けましたが、難点は一つのプログラムの時間が長いこと。仕事や家事、育児をしながら最低30分以上を捻出するとなると、まず「今日はやるぞー!」という決意から始めなければなりません。体力的にきついこともなかなか取りかかれない原因の一つでした。

        そこで試してみたのが、アメリカ直輸入のDVD。さすがフィットネス先進国だけあって日本版とは比べものにならないほどたくさんのタイトルがあります。その中でも、1つのプログラムが10分〜20分程度の短いものを選んで少しずつ揃えていったら、体調や気分によって選びながら、週2,3回ペースでの自宅フィットネスの習慣が自然に身についていきました。

        輸入DVDは値段が安いのも魅力なので、少しずつタイトル増やしても出費がかさみませんし、見ていればわかるので、英語力もほとんど不要。

        自宅フィットネスを続けて10年近くになりますが、途中怠けて1か月以上お休みしても、再開するのにそれほど大変でなく、ウエストのくびれも集中して2,3回行うとすぐに戻ります。以下、私が試してみて「これはいい!」というオススメのDVDをご紹介します。

        ■カルディオ(有酸素運動)、筋トレ、ストレッチをバランスよく

        1.Violet ZakiのWeight Loss Cardio Sculpt
        知名度は低いですが、アディダス公認のインストラクターで、私が試した中では一番効果があったDVDです。カルディオと筋トレがバランスよく組み合わされていて、ハードすぎず無理なく続けられます。1プログラム20分。時間があるときはウォームアップとクールダウンもプラス。5分強のクールダウンのストレッチだけしても体調キープ効果があります。


        2.Jacki WanerのPower Circuit Training
        本場アメリカではかなりの人気で、セレブのトレーナーとしても有名だそう。筋肉を作るタイプのトレーニングで、「ここを集中的に絞りたい」と思うときにプログラムを選んでやっています。1プログラム15分。


        3.Jennifer Galardiの10 Minute Solution−Fat Blasting Dance Mix
        日本語版も出ていますが、輸入版のほうが500円以上安いです。ダンスを習ったことがない私でも何回かやっているうちに自然にステップが踏めるようになりました。カルディオ効果は抜群。この10 Minute Solutionシリーズはすべて10分のプログラムでヨガやピラティスなどいろいろなプログラムが出ているので他にも試しています。


        現在はもう日本のアマゾンでは買えなくなってしまったかとても高くなってしまいましたが、ストイックな筋トレの伝道者Jari Loveや、63歳になるフィットネス業界の大御所Cathy SmithのDVDも愛用しています。(この2人のプログラムはYou Tubeでも視聴可能)

        いくつになっても気持ちよく動ける健康を保ち、体型を気にせずお洒落を楽しむためにも、自分に合った長く続けられるフィットネスの方法を見つけるのは大切だと思います。
        | 後藤百合子 | ワークライフバランス | 16:51 | - | - |
        夫婦の55%はセックスレス! 少子化の最も深刻な原因?
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          ■セックスの回数と満足度が世界最低の日本
          世界シェアトップのコンドームメーカー、デュレックス社が継続して実施しているセックスに関する統計調査があります。最新版は2006年に世界26か国、26,000人以上にオンラインで実施されました。

          この調査では、その週に対象者がセックスをしたかどうか、また、そのセックスが満足であったかどうかを聞いていますが、イエスと答えた人が最高のギリシャで87%、満足度は51%でした。ブラジル、スペイン、スイスなどが次で70〜80%台、満足度は40%〜50%台、その後に他のヨーロッパ諸国やアジア、北米諸国などが50〜70%台で続き、日本の次にイエスと答えた人の割合が低いナイジェリアで53%、満足度は67%となっています。

          日本の結果はといえば、イエスが34%、満足度が15%とナイジェリアと20%近くの差をつけてダントツの最低。6割の人がセックスをせず、した人でも半分以上が満足しなかったと回答したのです。

          人種的な違いがあるかとも思いましたが、同じ黄色人種の中華圏の国でも、中国がイエス78%、満足度42%、香港で62%、29%、シンガポールで62%、35%ですので当たらないようです。

          ■日本の夫婦の55%はセックスレス
          同じくコンドームメーカーの相模ゴム工業が実施した「ニッポンのセックス」という調査では(2013年)、さらに具体的なセックスの回数調査があります。

          よく若い男性の草食化が話題にされますが、子育て世代の30代、40代の性生活のほうがもっと問題は深刻です。というのも、平均初婚年齢が男女とも30歳前後となった現在、出産・育児現役世代である30代〜40代の1月あたりのセックス回数が30代で2.68回、40代では1.77回と非常に低くなっているのです。

          結婚相手とのセックスの平均は1.7回とさらに下がり、既婚者の55.2%がセックスレスと回答。既婚者で浮気相手がいる人は、配偶者よりも浮気相手とのセックスの回数が多いという笑えない結果も出ているくらいで、いかに性生活に問題を抱える夫婦が多いかがわかると思います。

          ■セックス回数が多いほど1世帯あたりの子供人数も多くなる
          この調査には都道府県別の1か月のセックス回数ランキングもあります。これを国民生活基礎調査(平成24年度版 厚生労働省)の1世帯あたりの平均児童数(18歳未満)のランキングと比べてみると、かなり強い相関関係があることがわかります。

               世帯あたり平均児童数  月あたりセックス回数順位
          沖縄県      1.86人        3位
          佐賀県      1.85人        1位
          福井県      1.84人       17位
          熊本県      1.82人         4位
          鳥取県      1.81人        6位
          長崎県      1.81人       24位
          岡山県      1.80人        16位
          石川県      1.80人        33位
          福島県      1.79人        37位
          宮崎県      1.79人        10位
          鹿児島県     1.79人        11位

          当たり前といえば当たり前ですが、セックス回数が多ければ生まれてくる子供の数もまた多くなる傾向にあるといえるでしょう。

          ■セックスをしたい夫としたくない妻
          いったいなぜ日本人はこれほどセックスレスになってしまったのでしょうか?

          相模ゴム工業の調査では、セックスが少ないと答えた人の中で、セックスをしたいという男性は平均75.2%。20代では79.7%ですが、30代で81%、40代で82.7%と年を重ねるごとに逆に高くなっています。

          ところが女性は正反対の結果です。平均では35.8%ですが、未婚女性が多い20代では59.7%もあります。ところが30代になると47.5%、40代では37.5%と年代ごとに10ポイント以上も落ちていくのです。この男女差はどこからくるのでしょうか?

          30代に絞ってみてみると「もっとセックスをしたいのにできない」という人の理由で一番多いのは、「相手がその気になってくれない」で「子供や家族がいて機会が少ない」「仕事や家事などが忙しく疲れている」「仕事や家事などが忙しくセックスをする時間がない」と続きます。

          いっぽうセックスをしたくない理由は男女ともに「仕事や家事などが忙しく疲れている」「面倒くさい」が挙げられています。

          ■子供の成長につれて夫を愛せなくなる妻たち
          ベネッセ次世代育成研究所が300組の夫婦を対象に、4年間継続して行った調査があります。これは、子供が生まれた後に夫婦間の愛情がどう変化するかを調査したもので、「配偶者を本当に愛していると実感する」かどうかを毎年同じ人たちに聞いています。

          妊娠中の初年度、イエスと答えた人は男女ともに74.3%ですが、年々その割合は減っていき、4年目には夫51.7%、妻34%になってしまいます。減っているとはいえ、夫は過半数がまだ妻を愛していますが、夫を心から愛している妻は3人に1人しかいなくなってしまうのです。

          夫を愛し続ける妻の割合を、最初のデュレックス社のセックス頻度調査の数字と比べてみると不思議なことにぴったりと数が合います。夫は妻とセックスをしたくても妻が拒否する現実。「面倒くさい」や「時間がない」という表向きの理由の陰に潜んでいるのは、子育て中に夫に愛想がつきてしまい、夫を愛せなくなってしまう日本の妻たちの本音ではないでしょうか?

          ■育児はママ、の思い込みが女性を追い詰める
          グーグル社の調査では、日本では既婚女性が家事の64%を、子育ての88%を負担しているという結果が出ています。まだまだ少ないとはいえ、3分の1の家事を男性が担うようになったのは一昔前に比べたら大きな進歩だと思います。しかし、育児の1割程度しか夫が分担していないというのは、いかにも少なすぎます。子供が成長するのと足並みを同じくして、夫に対する妻の愛情が薄れてしまう最大の原因はここにあるのではないでしょうか?

          「子供が小さいうちはいつも母親と一緒にいることが幸せ」「母親は小さいときは自分の手で子供を育てたいと思っているはず」という従来の価値観や思い込みにより、夫は育児のほとんどを母親任せにし、妻は必死によい母親になろうとしてすべてを子育てに捧げる。逆に夫は子供だけに情熱のすべてを注いでいるようにみえる妻との間に距離ができてしまい、ますます育児に参加しなくなる。そんな悪循環の末、夫を愛せない妻たちが増え、その結果としてセックスレス夫婦が増加しているように思えてなりません。

          ■育児分担と夫婦間コミュニケーションがセックスレス解消の秘訣
          以前の記事にも書きましたが、第一子の出産・子育ては女性にとって初めての経験の連続です。大切な子供を病気や怪我などあらゆる危険から守り、子供の発育を注意深く見守って母親は毎日一喜一憂し、同時に自分自身の体の大きな変化や、授乳や夜泣きなど肉体的な苦痛にも耐えていかなければなりません。その中で多くの女性が「私の生活はこんなに変わっているのに、なぜ夫はそれをわかって支えてくれないの?」と思ってしまっても不思議ではありません。

          現在、私が住んでいるシンガポールでは子育ても、常に夫婦でが基本です。休日は家族で過ごすのが当たり前なのはもちろん、週日でも父親たちは実によく子供の面倒をみています。保育園の送迎も父親がしているのをよくみかけますし、学校でも親子面談は必ず夫婦単位。父親が担任の先生の名前を知らない、というようなことはありえません。

          また、夫婦だけの時間も大切にするカップルが多く、仕事関係のパーティーや同僚との食事会でも夫婦出席が当たり前。若い人はもちろんですが、中年や老年になっても手をつないだり肩を抱いたりと、スキンシップを欠かしません。

          前述のベネッセの調査でも、夫に対する愛情が変わらないと答えている妻は、そうでない妻に比べ「私の配偶者は家族と過ごす時間を努力して作っている」「私の配偶者は私の仕事、家事、子育てをよくねぎらってくれる」などと感じている割合が7〜8割と高くなっています。妻は夫に家族と過ごす時間や、具体的なねぎらいの言葉を求めているのです。

          結婚生活を送ったことがある人ならわかると思いますが、円満な家庭生活の秘訣の一つは円満な性生活にあります。また、いくら不妊治療の技術が発達しているとはいえ、夫婦の過半数がセックスレスの現状で少子化が食い止められるとはとても思えません。少子化の流れを変え、より多くのカップルが幸福な夫婦生活を送るためには、家族との時間を意識して確保し、子育ても妻と協力して分担する男性がもっともっと増えることが不可欠だと思います。
          | 後藤百合子 | ワークライフバランス | 18:29 | - | - |
          パリジェンヌがスレンダーな理由
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            ■中年以降もなぜか太らないパリジェンヌ
            仕事で数年おきにパリに行きますが、そのたびにパリ女性に痩せてる人が多いことに驚かされます。

            日本でも「中年太り」という言葉があるように、ある年代になるとどの国でも体型の悩みを抱える人が増える傾向にあると思います。ところがフランス人、特にパリジェンヌに目を向けるとずいぶん事情が違ってきます。

            たとえばクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事、福島原発処理で来日したアンヌ・ロベルジョン元アレバ社長、オランド大統領の元パートナーで政治家のバレリー・トリルベレールさんなど、中年から初老にかけて一番太りやすい年代なのに、みな驚くほどスレンダーなのです。ひょっとしたら、この年代の平均的な日本人より痩せているかもしれません。

            どうして彼女たちはこんなにスレンダーなのでしょうか?

            ■スリムの秘密は粗食にあり
            その理由は一言でいうと「粗食」にあるのではないかと思います。パリジェンヌが日常摂っている質素な食事が結果的にほどよいダイエットになっているのではないか、というのが私の推論です。

            まずパリにはレストランが少ない。きちんと調べて予約をしていけばもっとあるのかもしれませんが、ただ街を歩いているだけでは探すのに苦労するくらい少ないという印象です。逆に「犬も歩けば」と思うほど多いのがパリ名物のカフェ。1杯のコーヒーやグラスワインを片手に、何時間もおしゃべりに興じているにもかかわらず、食事をしている人はほとんどみかけません。

            そのわけは、とにかく外食費が高い、ということでしょう。以前パリに住んでいた友人が連れていってくれたレストランの料理は同じような東京のレストランと比べ1.5倍から2倍ほどの値段で驚きました。彼女によると、パリの一般人は記念日やお祝いを除き、普段は節約のため外食はほとんどしないとか。

            ■食事は質素に、時間は贅沢に楽しむ。
            では、彼女たちは自宅ではいったい何を食べているのでしょうか? レストランに比べ食料品店ではそれほど物価が高い感じはしませんが、パンとチーズを除けば品揃えはさほどよくもなく、やはり質素な感じがします。最近のフランス映画を見ていても、親子で囲む食卓で食べているのが豆や野菜の煮込みとパンだったり、シンプルなスパゲッティとサラダだけだったり、簡単に調理できてカロリーが低そうなものばかりです。

            ホームパーティーなど特別な機会を除いて滅多に料理の腕をふるうことはせず、普段の食事は質素が基本。一昔前に学校で高校生が料理を習っていた頃とは違い、フランスの女性就業率は2013年で76%(日本69%)と比較的高く、管理職も39%(日本11%)と女性の社会進出が進んでいますから、自然と料理にかける手間も省くようになっているのでしょう。

            またフランスでは子供の約半数が結婚せずに産まれた婚外子でシングルマザーも少なくないにもかかわらず、合計特殊出生率は2013年には2.01となり(日本1.43)先進国の中では最高レベルになっています。これにはベビーシッター制度をメインとした子育て支援政策が大きく貢献していますが、同時に、家事にもさしてこだわらず、個人の自由時間を大切にするフランス人の気質が大きく影響しているように感じます。

            料理に手間をかけたり外食に贅沢をしたりするのは特別な楽しみにとっておき、日常はできるだけ負担をかけずに仕事も生活も楽しむのがパリジェンヌ風。おまけに苦しいダイエットもせずにスレンダーなボディをキープできるのなら、まさに合理主義の国フランスらしいライフスタイルといえるでしょう。
            | 後藤百合子 | ワークライフバランス | 17:56 | - | - |
            飲みにケーション文化はそろそろ捨て時?
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              ■日本の伝統? 飲みにケーション文化
              2014年8月18日付けの日経電子版に経営者の加藤百合子さんが「飲みにケーション文化にもの申す」というタイトルのブログを書いておられます。

              ビジネスでお客様に酒席に誘われることが多いが、家事と育児をこなしながら経営をしている身でそこまでのお付き合いのは難しい、お酒が円滑なビジネスに役立つのはわかるのでせめて一次会までというルールを作ったらどうか、という内容です。興味深いのは「その通り」と多くの男性がこのブログにコメントを寄せられていること。長時間の残業に加え、接待にもプライベートの時間を削って参加せざるをえないビジネスマンの苦悩が表れていると思います。

              私自身も20代から30代にかけては「飲みにケーション文化」にどっぷり浸かっており、月に最低でも4〜5回は仕事関係のお付き合いで夜を過ごし、年末年始ともなればプライベートも含めてほぼ毎日酒席ということも珍しくありませんでした。しかし、結婚してからは極力このようなお付き合いを避けるようになり、またいろいろな方々から誘っていただいたゴルフも結局、始めませんでした。

              しかし、現実を見れば私のようなケースは稀で、ビジネス社会では酒席やゴルフの場で商談を行うことは当たり前に行われていますし、そうすると加藤さんが書いておられるように「やはりできるだけお付き合いしたほうがいいのではないか」と焦りが湧いてきます。名経営者の京セラの稲盛さんが社内コミュニケーションを図るための「コンパ」を勧められているのを知り、私自身も社員と飲みニュケーションしなくていいのか、と悩んだこともありました。

              ■接待禁止が普通の国もある!?
              でもちょっと待ってください。いったいこの文化は世界共通なのでしょうか?

              確かに、日本と同じく中国や韓国ではビジネスに酒席がつきもので、1次会の食事の後、女性が側についてくれるカラオケで深夜まで2次会、3次会と続くのもごく一般的です。しかし、それ以外の国では接待が厳しく制限されていたり、ほとんどないということも多いのです。

              数年前に米シリコンバレーで現地のお客様(独身の30代女性)を接待したときは「アルコールありの接待は規則で禁じられているのでNG」と言われ、記念品を渡そうとすると「10ドル以上のプレゼントもNG」と言われたため、結局手土産も渡せず、和食店での食事も1時間あまりで終わってしまいました。彼女はこの後趣味のトライアスロンの練習をするから、と食事が終わるとすぐに帰宅しました。

              シンガポールでも似たようなものです。あるお客様と商談中に昼食の時間になりラーメンを食べたところ「割り勘で」と言われて割り勘しました。またある政府系企業のお客様に日本からの数百円の小さい飴の入った袋をお土産にもっていったら「仕入れ業者からのプレゼントはいっさい受け取れないので、どうしてもというのならそこにある社員のおやつ棚に勝手に置いていって」と言われ、横を向かれてしまいました。こんな環境なのでシンガポールでビジネスを始めて3年ほどたちますが、一度もお客様を接待したことがありません。

              20年以上にわたりたびたび数千万円単位の機械を購入しているドイツのメーカーさんとは、打ち合わせや商談で互いに何度も訪問し合っていますが、接待されたこともしたこともありません。業務上のやり取り以外は、2年に1度、年末に卓上カレンダーを送ってくれるくらいです。

              こうして他の国と比較してみると、酒席の接待が決してビジネスにマストなものでないことがわかります。

              ■お付き合いより家庭優先でもうまくいく。
              思うに、国を挙げて産業を振興する必要がある発展途上国やベンチャー企業では、ビジネスを一緒に行う客や仕入れ先、また同僚たちと酒を酌み交わして連帯感を共有し、本来ならあまり気が合わない者同士でも同じ目的に向かって無理やり進む、という必然性があっのではないでしょうか? そしてそのために飲みにケーションの習慣が発達したのではないでしょうか? 

              逆に経済発展が終わり、集団から個へと重点が移った社会では、飲みにケーション文化の必要性が薄れてくるため、接待を禁止するような規則が作られるのではないかと思います。

              さて、お客様と飲みにケーションをほとんどしなくなった私のビジネスは現在どうかというと、食事やゴルフを一緒に楽しまなくても気が合う購買担当者もできますし、メールや電話だけで一度もお目にかかったことのないお客様からの何年も続くリピート注文も珍しくありません。結局、お酒もゴルフも時間があったらお互いたまにはいいですね、という以上のものではないように思います。

              若いときは接待でプライベートでは決して行けない高級店に連れていってもらうのが楽しみだったこともありましたが、今ではどんなごちそうより家族と囲む食卓が何よりの贅沢です。飲みにケーションが盛んな多くの会社でも、加藤さんが提案されるように、せめて「一次会だけ」ルールができるよう期待しています。
              | 後藤百合子 | ワークライフバランス | 17:55 | - | - |
              パパたちよ、子供の1歳検診に行こう!
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                ■激増する児童虐待の件数
                 
                厚生労働省が今週発表した2013年度、児童相談所での児童虐待相談対応件数は昨年を10%以上上回る7万3千件強となりました。相談件数は一貫して増え続けており、20年前の1,600件程と比べるとなんと45倍にもなっています。特にバブル崩壊期の最後である1995年あたりから飛躍的に件数が伸び始め、相談所に通報があっても対応しきれず最悪の悲劇が起こってしまった、という事件もありました。

                子供の数は32年連続で減少しており、子供の数も割合も特に平成に入ったあたりから急カーブで減少しています。子供が減っているのに虐待の件数は増えている、とはいったいどういうことなのでしょうか?
                 
                ■心温まるママの1歳。このままで本当に大丈夫?
                 
                話は変わりますが、おむつメーカーのパンパースが今月からYou Tubeで公開している「Mom's 1st Birthday ママも1歳、おめでとう。」という映像が非常にたくさんの人の共感を呼んでいます。1歳検診に子供とやってきた3人のママが、夫たちから写真とケーキのサプライズを受ける、というストーリーでこの動画の紹介記事が8月7日現在、フェイスブックで「いいね」8.1万件、「シェア」も8.1万件と猛烈な人気です。

                出演する3組の夫婦は本物でドキュメンタリー風に仕立てられており、ママたちが流す涙も本物です。この中で彼女たちは、「新生児の頃は毎日が不安で毎日泣いて過ごした」「注射の後全然泣き止まずどうしたらよいかと思った」「この1年まともに寝たことがなかった」と口ぐちに話しますが、夫は「子育てに参加できないのは本当に申し訳ないと思っている」と言いつつも、検診には参加しておらず、日常の子育てはほぼ母親のみが行っていると想像できます。
                 
                ■不安とストレスだらけの子育てに翻弄される母親たち
                 
                そんな妻たちに向けて夫たちが一生懸命写真をセッティングし、ケーキを差出し、感謝の言葉を捧げる。妻たちはいちように涙を浮かべますが、それが素直に夫への感謝と喜びだけの涙に思えないのは果たして私だけでしょうか?

                夫の1人が「子供が産まれてから(妻は)安いお寿司しか食べなくなった」と話していますが、厚生労働省の別の統計では、子育て世代の65.3%が「生活が苦しい」と感じており、すべての年代の中で最も割合が高くなっています。

                慣れない子育てをたった一人でこなしながら、夫は不在、周りに頼る人もおらず、好きなものも我慢して切り詰めた生活を送り、子供と2人きりで過ごす毎日。ストレスで子供に当たってしまったとしても、彼女たちを誰が責められるでしょうか? 実際に児童虐待にまで至ってしまうケースは氷山の一角で、ぎりぎりまで追いつめられている母親たちの数は非常に多いと思われます。
                 
                ■共働き世帯のほうが虐待が少ない
                 
                『日経デュアル』に舞田敏彦さんが「共働き家庭ほど虐待が少ない 通説と逆の結果が出た」という記事を書いておられます。舞田さんの分析によると共働き家庭ほど虐待は少なくなっているそうです。特に共働き率が35%と低い大阪府では児童虐待が多く、人口1,361人に1件の割合で虐待が起こっており(2013年度)、共働き率が70%の島根県の実に5倍以上になっています。共働き家庭に虐待が少ないのは、ダブルインカムで経済的なストレスが少ないのに加え、24時間子供と一緒にいるストレスもないからだと考えられます。また、共働き家庭では夫が家事や育児に参加する割合も高いのも理由の一つに挙げられるでしょう。
                 
                ■1歳検診はぜひ両親で参加を!
                ママの1歳の誕生日を夫に祝ってもらいその場で感激しても、翌日からまたわからないことだらけの子育ては続きます。1歳には1歳の、2歳には2歳の悩みが出てきます。それが2人目、3人目ともなればさらに違うストレスも増えてくるでしょう。

                育児の不安やストレスを分かち合い、妻一人をぎりぎりまで追いつめないこと、日常で難しいのならせめて要所要所で妻と子育ての悩みを分かち合い、たとえ短い時間でも意識して子育てに参加することこそ(虐待の加害者は圧倒的に母親のほうが多いそうです、)夫ができる最善の方法ではないでしょうか?

                パパたち、子供の1歳検診にはぜひ有給をとって妻と一緒に行きましょう!
                | 後藤百合子 | ワークライフバランス | 17:44 | - | - |
                誰も教えてくれなかった「一生懸命残業しても出世できない」事実
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                  内閣府が今年発表した『ワーク・ライフ・バランスに関する個人・企業調査』の中におもしろい結果があります。

                  残業が多い社員ほど「頑張っている」「責任感が強い」と上司から思われている、というセルフイメージをもっているのですが、実際のところ、会社側は残業や休日出勤をほとんどしない人について「人事評価で考慮しない」が70%以上を占め、かえってマイナス評価よりもプラス評価の割合のほうが高いのです。つまり会社は残業しているからといってその人を評価しないばかりか、残業せずに時間内で仕事を終えられる人をより高く評価しているとも言えるでしょう。

                  日本で女性が子育てと仕事を両立できない理由、男性が家事に積極的にかかわれない理由の一番にあげられるのが「労働時間の長さ」ですが、この調査からわかるように、実際には大多数のまともな会社は社員に長時間働いてもらいたいとは考えていません。それはなぜでしょうか?

                  ■人間が集中できる時間は決まっている
                  まず、人間には集中して仕事をこなせる時間というものがあります。小学校の授業時間が45分、中学・高校では50分、大学で90分と決まっているのは、年齢によって集中できる時間の長さが違うからです。社会人でももちろん、7時間や8時間の勤務時間を休みなしに集中はできませんから、昔は午前と午後に1回ずつおやつタイムがある会社も多かったですし、今も工場などでは仕事の合間にラジオ体操などをしている会社もあります。また、授業時間が多い日に疲れてしまうのと同じように、仕事時間も長くなればなるほど効率は落ちてきます。このように人間の集中力は長時間持続しないものであり、たとえ休息をとったとしても長時間労働になればなるほど集中力が落ち、時間あたりの仕事の質が落ちていくのです。

                  しかし、質の悪い働き方しかできないにもかかわらず、会社は時間外労働になれば割増の残業代を払わなければならないですし、そんな状態が恒常化すれば労働監督署の指導が入り、ひどい場合には行政処分を受けます。また社員に万が一のことがあって過労死ということになってしまったら、社会的にも大きなダメージを受けます。まして昨今はすぐに「ブラック企業」と非難を受けかねないのですから、社員に長時間労働させても会社は何もメリットがないどころか、デメリットのほうが大きくなってしまいます。会社としては、社員が集中して効率よく仕事をし、勤務時間内にきちっと仕事を終了させてくれるのが理想なのです。

                  ■残業しなくてもどんどん出世していく人たち
                  東レで同期トップを切って取締役となり、その後東レ経営研究所の社長となった佐々木常夫さんは時間管理のプロとして現在も活躍されていますが、サラリーマン時代には肝臓病とうつ病を患い入退院を繰り返す妻の代わりに家事一切を引き受け、自閉症の長男を含む子供3人の世話をしながら責任ある仕事を任され、仕事にも家事・育児にも全力で関わった方です。

                  毎日会社を出るのは6時。妻と子供たちの世話をするため同僚が仕事をしていても帰らなければならず、朝は早出をしたくても子供たちのお弁当を作ってからの出社ですから8時になってしまいます。休みの日はたまった家事を片付けたり、入退院を繰り返す妻の見舞いや看病で終わってしまったといいます。

                  佐々木さんの働き方は朝から晩まで自分の時間を仕事に捧げるモーレツ社員とはほど遠いものでしたが、仕事時間中の集中力はすさまじく、次々と結果を出していきました。そしてその業績により取締役に抜擢されたのです。

                  私は個人的に大企業の重役を経験された方々を何人も知っていますが、本業の仕事以外にボランティアや趣味の世界をもっていらっしゃった方がほとんどで、佐々木さんほどではないにしろ、家族との時間もとても大切にされていました。そんな彼らの日常は大企業で出世する社員は家庭も顧みず仕事ばかりしている、というイメージとはまったくかけ離れていました。逆にモーレツ社員の部下の話をされるときなどは「あまり評価していないんだな」ということがはっきりわかりました。

                  シンガポールでも同じで、企業や政治のリーダーたちは忙しい中、実にワークライフバランスを重視した生活を送っています。若い人でも保育園の送り迎えを父親がしているケースは珍しくありませんし、男女ともによほどの緊急事態でもないかぎり深夜までの残業などありえません。

                  逆に『課長 島耕作』のように仕事に全精力を傾けて猛烈に働いて家庭を顧みず、しかも浮気までしてしまう、というようなストーリーは生理的に受けつけないようで「日本人はなぜこん主人公が好きなのか理解に苦しむ」という感想を聞いたことがあります。また毎日、早朝から深夜まで必死に働いて出世をめざす同僚にセブン・イレブンというあだ名をつけて揶揄するのを聞いたこともありました。彼らにとって「仕事は時間内に終わらせる」が当たり前なのです。

                  ■低い日本人の労働生産性
                  ひと昔前には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と世界で絶賛された日本ですが、GDPを頭割りした2012年の労働者一人あたりの生産性はOECD加盟国34か国中21位と決してほめられた水準ではなく、1時間あたりの労働生産性となると4位のアメリカの3分の2程度と先進国の中では最低レベルの結果になっています。

                  原因は円安や付加価値の高い商品・サービスへの転換の遅れという指摘もありますが、それよりもまず、長時間労働を根本的に見直さない限り、現在のような低い時間当たり生産性では国際競争にも乗り遅れてしまいます。特に少子高齢化で働き手が急激に減少している中、企業経営者はとにかく社員一人あたりの労働生産性を上げようと必死なのです。

                  ■だらだら残業をしない段取りと仕事を断る勇気
                  もし自分が長時間残業を当たり前にこなし、効率の悪い働き方をしてと感じているようだったら、人手不足が声高に叫ばれるようになった今こそ逆にチャンスと思い、ぜひ自分の働き方を見直してみましょう。

                  だらだら残業が恒常化している職場では、朝からずっと緊張感がなく効率の悪い仕事の仕方が当たり前になっていて生産性が上がらないことが多いです。また、たまに仕事が早く片付いても周りがだらだら残業をしているために一人だけ先に帰りづらく、いっしょに居残りをしてしまったりという人もよく見受けられます。まず、頭が冴えている午前中にできるだけ効率よく仕事を片付けてしまえるよう段取りを考えてから仕事に取りかかり、終業後は周囲を気にせず退社する習慣をつけましょう(冒頭の調査では残業時間が多い人ほど残業をしないで帰りにくいと感じる、という結果がでています)。また、朝は始業ぎりぎりではなく、できるだけ早く出社する努力も必要です。多くの人が来る前に出社していえれば、邪魔されることなく仕事の段取りが組めるからです。

                  それでも終わらない量の仕事を与えられそうになったり、当たり前になってしまっている勤務時間外の会議や打ち合わせなどがある場合は、はっきりと断る勇気をもちましょう。若い社員にとにかく大量の仕事を与えてこなさせるのは最近の大企業に多くなってきている風潮だそうですが、もしもそれを断って左遷や降格されるようだったら転職したほうがずっといいです。人生は長いのです。いつまでもそんな働き方ができるわけではありませんし、過労死してしまったら元も子もありません。また、現場レベルではわかってもらえなくても、上のレベルではわかってもらえる可能性もありますので直訴するという手がありますし、労働組合があれば組合に、なければ労働監督署に相談してみる方法もあるでしょう。

                  男性も女性も、一生、そして50年以上も働くことが当たり前になってくる時代に私たちは生きています。労働の質と量についても、これまでとはまったく違う価値観の働き方を模索して実践していく必要があると思います。
                  | 後藤百合子 | ワークライフバランス | 15:34 | - | - |
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